【あるボランティア】
それぞれが忙しいスケジュールを抱える中、集中豪雨の被災地である秋田に向けて、救援ボランティアに行った17名の男達がいる。
若者が中心の寄せ集めチームだったのだが、彼等は百戦錬磨の猛者たちばかりなのだ。自費でマイクロバスを借り、大阪から秋田までの、片道1000kmの道のりを走ったという。
途中、高速道路上でガス欠というアクシデントに見舞われたりもしたが、なんとか目的地に到着。
初日の夕方に大阪を発って、3日目にはもう大阪に帰らなければならないという、車中2泊3日の超強行軍だったことから、実際に復旧作業が出来たのは6時間であったという・・・
それでも現地の人々は涙を流して喜んでくれたらしい。もう何年も涙を流したこともなさそうな、如何にも頑固そうなおじいさんが泣きながらこう言ったそうだ。
「えっ❗️❓️ホントにあの大阪と奈良から来て下さったんですか❗️❓️・・・神様が来て下さったみたいですぅ~」
知り合いの隊員が言う。
「あんなに喜んでくれるなんて思わへんかったでぇ、ホンマ嬉しかったわぁ・・感動したでぇ・・帰る時はみんな涙で見送ってくれはったわ」
遠方からの効率の悪い6時間の救援活動ではあったが、銭金ではない真心からのボランティアは、人々の心を打って止まないのだった。
偽りのない双方の涙は、この世で最も美しいものなのかもしれない・・・
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