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元妻に100万円あげた

元家族がこの家を出て行く日まで、もう1週間を切っている。
ぼーっとしていればいいのだけれども、いろいろ考えてしまうとつらい。

このつらいのも、いまだけ。
彼らが出て行って1ヵ月もすれば、さびしい気持ちやつらい気持ちも、すっかり忘れてしまうだろう。それまでの辛抱。

おれは元妻にお金を1円もあげないつもりでいた。

おれのことを好きじゃない元妻。
子供たちもおれのことを好きじゃない。

彼らに奉仕をしても、なにも返ってこない。
ただおれが、

🥰「おれはいい人!」


って思いたい、
ただそれだけのために大金をあげるのはバカらしい。

もっともっと自分のことを大事にしなければ。
おれのことを大事にしてくれないやつらに与えるお金などないのだ。

そういうことをずっと思っていたのだけれども、
おれは根っからのマヌケなので、昨日元妻に100万円あげた。

非情になりきれない。
冷たくなりきれない。
自分の得だけを考えられない。

また情に流されて、余計なことをしちまった。

でも、これでいい。
おれはバカだから、本当はもっとたくさんお金をあげようかと考えてた。
それが100万円で済んだのだから、これでよかった。

実は財布にあった14万円もあげたので、
合計114万円あげた。
でもそのくらいで済んだのならよかった。

元家族に対する罪悪感。

追い出してごめんね。
怒ってごめんね。
悲しい思いをさせてごめんね。

そんな罪悪感から、完全に逃れられなかった。
そしてその罪悪感を少しでも減らすために、おれは元妻にお金をあげたのだ。

本当は、1円だってあげる必要なかったと思う。

おれに酷いことをしてくる人。
おれのことを好きじゃない人。
おれのことを選んでくれない人。

そんなやつら、どうなってもいいんだ。
なんでそんな奴らの心配をしなきゃいけないんだ。

そう思うのも本当だけど、
「少しでもちからになってあげられたら」
そう思うのも本当。

人っていろいろなことを思うんだね。
立派なことも、汚いことも。
いろんなことを思ってる。

114万円は大金だし、
こんなものを、
あげなくてもいいものをあげて、
なくなってしまって、
そのことはバカらしいと思うけど、

でも、お金をあげてちょっとだけホッとしている自分もいる。

でも残りのお金は、もう1円だってあげない。金輪際あげない。
残りのお金は、自分と、将来出会うであろう大切な人のために使うんだ。

本当にバカなことした。
でもいいんだ。

だって人間ってバカなことするために生まれてきたんだからね。


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