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SHOWTIME撤退でも日本はバブル!ボクシング中継大変動の内情

 フロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオの再戦が日本の格闘技団体、RIZINで行なわれるという計画が浮上、その資金として期待されていたのが、アメリカのケーブルテレビ局、SHOWTIMEのPPV(ペイ・パー・ビュー)での収益だった。15年の対戦では470万の記録的セールスで600億円ともいわれる巨額収益を生んだ両者、すでに引退している身だから、価値はそこまで大きいはずがないが、それでも2人を納得させる条件提示はできると見られていた。しかし、そのSHOWTIMEがボクシング・格闘技中継から撤退を決めた。親会社のパラマウント・グローバルが、チャンネルを「パラマウントプラス」に統合する方針で、スポーツ部門自体の廃止を決定。これにより11月と12月にそれぞれボクシングのPPVイベントを流して、終わりとなる。同社はMMA(総合格闘技)団体ベラトールも所持しているが、これも売却する方向だ。

メイウェザー46歳、パッキャオ44歳

 RIZINは日本人の元ボクシング世界王者にも声をかけているそうだが、引退選手たちのエキシビション自体は正直、どうでもいい。問題はアメリカでもテレビ・ボクシングが終焉を迎えたともいえる話から見える未来だ。SHOWTIMEのボクシング撤退は、業界最大級のニュースでも、日本のボクシングファンの多くはWOWOWを介して視聴してきたから、その「エキサイトマッチ」で見たい試合が減るのかな、ぐらいにしか思わないかもしれない。しかし、ボクシングを長く支えてきたテレビ中継が変わると、土台から興行の在り方が変わってくる。日本では、いまその変化により収益倍増のバブルが起こっているのである。

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