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リアルなファンタジー? な出来事

4年前のある日の夕方、東京北区にある中規模の駅での出来事、そこは JR、都営地下鉄、そして 路面電車の都電もあり、結構多くの人がいる場所での出来事だった。

自分はその駅からバスに乗って 15 分ぐらいの所にある、会社に勤めている平凡な中年サラリー マンで、その日は 1 時間程残業してバスに乗り、駅に着いたのは午後 6 時 45 分ぐらいだった。

その時、バスの定期券の更新をしようと思ったが財布の中を確認すると丁度バス定期券 1 ヵ月 分のぐらいの現金ぐらいしかなかった。

そこで考えたのは先に定期を更新するか、それとも銀行の ATM へ先に行くかだった。

定期有効期 限は今日までなので絶対に更新したいと思っていた。

そして、考えた後の結論は(やっぱり先にATMだな、少しの時間でも財布に札が無くなってし まうのは何か不安だし、銀行は駅の目の前でバスの定期券発行所は駅の近くだ)

そう二つは道 路を隔てて直線 60m ぐらいしか離れてないので、普通ならどちらに先に行くかはあまり考えな い。

しかし、心配性な自分は(もし先に ATM に行って何かがあったら定期の更新が間に合わないか も知れないな?)と思った。

こう言った考えは普段もよくしてしまうのは過去に色々な出来事の 経験によるのだが、(いや、今日は大丈夫)と思って。

普通に銀行の正面にある自動ドアから ATM がある場所に入った。

そして ATM に近づくと、左後ろから急に「〇×%#&△$!」と男の声が聞こえた、しかしビッ クリしたので何を言ったのかは全く聞き取れなかった。

なぜならこの場所に入った時に、自分の 他に人がいる気配は全くしなかったので、完全不意を突かれ驚いた為だった。

振り返って見て更に驚いた! 自分の左後ろに立っている男はとんでもなく派手な格好をしていて、しかも外国人だった!

その格好を表現するとしたならば服装はピエロみたいな鮮やか感じで、顔もメイクはしていな くても何となくピエロぽっい感じだった。

(いったい、そんなには広くないこの ATM スペースのどこにいたんだ?)と思ったが、その男は ピックリしている自分に向かって再び何かを言い出した。

よく聞いてみると「ビ#! ビ△!」と聞こえた。

つまり自分は「ビ」しか聞き取れなかった。 何か困っている様な表情で自分に一生懸命話かけてくる。

この困っているような表情でなかっ たら、きっと自分は恐怖で逃げ出したかも知れない。

日本語を話さないし、顔からして外国人なのは間違い無さそうので、とりあえず自分の片言英語 で話しかけた。

しかし、相手は自分よりも英語は苦手のようで全く言葉が通じない……。

そうしている内に、その男は ATM の画面を指指して、また何かを言い出した。

「ビ△!」、「ビ〇!」、 「ビ△!」

と何度も同じような言葉を言い続けた。

そして、ようやく自分は聞き取れたように思い「ビザ?」と聞き返すと相手の男は大きく、うな ずいた。

(あ、そうか VISA といっているのか!)と、ようやく分かった。

しかし、ここは銀行だからクレジットカードは使えないと思い、それをまた片言の英語言ったが 通じず、仕方が無くジェスチャーで近くのコンビニに連れて行こうと思った。

後から分かった事だが VISA の系列の銀行なので、その銀行の ATM でも使えたようだが、その時 の自分はコンビニの ATM しか思いつかなかった。

自分の手招きに不安そうな顔をしながらも、自分について来てコンビニの ATM まで来た。

そして 自分はそのマシーンを指さして「ディス マシーン イズ ビザ OK!?」 と、片言英語言うと、その男はニコと笑ってカードを機械に入れた。

しかしパスワードを入力す る時に変な動きをした。

タッチパネルを押す時に指で直接ではなく、手を服の袖口に引っ込めて服の袖口の中から指を 使って画面のボタンに触れていた。

その時はコロナは全く流行ていない平和な時期だったので、 自分は(何で直接、画面をタッチしないんだ?)と不思議に思ったが、まぁいいかと思い、それ よりも次は金額だ。

また片言のジャパニーズ・イングリッシュでいくら必要なのかを聞いた。

す ると男は指を 2 本向けて「Two」と言った。

それを聞いて自分は「Tow thousand yen?」と聞く と「Yes!」と言った。自分はそれだけで足りるのか心配になったので、

「It’s about 20$」、 「OK?」と聞くと、

笑顔で大きな声で「OK!」

と親指を立てたジェスチャーと共に大きな声で 言ってくれた。

そして、また服の袖口を使って金額を入力した。

すぐに千円札が 2 枚ATMから出てきて、それとカードを抜き取ると、安心した笑顔の表情にな った。

コンビニを出ると何度も「Thank you!」,「Thank you!」と言ってくれた。

それを聞いて自分は (よかった~!)と思ったのと同時に(やばい!)

(定期!)

と用事を思い出して、男に「Goodbye!」 と言いながら手を振って、(よかった、よかった)と思いがら道路の反対に向かった。

そして、反対側に着いて振り返ってみると男の姿は無かった。

(あれ!? どこに行ったんだ?)別れてほんの数秒しかたっていないのに、どこにも派手な男の姿は 無かった。

ぎりぎりの時間でバス定期の更新をした後に、ついさっきまで男といたコンビニと駅周辺を見 ながら、こう思った。

(あの男は何者で、何をしに日本に来たのだろう?)、(何で 2 千円が必要だったのだろう?)

他にも色々と考えたが、答えが分かるはずは無いので不思議な余韻を感じながら電車に乗って帰 宅した。

家に着くと定期の更新なんて、どうでもいいから、もう少しコミュニケーション取れば良かった と思ったが、同時にあれで良かったのかもなとも思った。

そして、こうして今、思い出して思う事は、困った時には言葉が通じなくても、お互いが必死にな れば何とかなるんだなと思い、自分が困った時の為の良い経験、そして良い思い出だと想う。

最近、コロナが終息し始めて、外国人観光客が増えてきたので、また、このような経験をする機会が増えそうだ。

突然のハプニングは リアルなファンタジーとして楽しもう!!

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