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そもそも綺麗な水って何でしょう?

これまでの記事で、3つの視点でお話をさせていただいておりました。

ひとつめは私が経営していた農業生産法人が水害にあったことからみた水の視点。
ふたつめが原木椎茸ならびに菌床しいたけ事業における森を育む水といった視点。
そして3つめが環境から見た水という、同じ水でもそれぞれに対してフォーカスを変えた水を紹介させていただいております。

ほかにも私はこれまで、酒蔵の経営もしてきましたし、キリンビールのサラリーマン時代には、富士山麓の伏流水を使用していたので、美味しい水というものに関りを持って生きてきました。

今回はこれまで話してきた3つの視点を複眼として、様々な角度から綺麗な水について考えてみたいと思い手に取ったのが本書「循環水のプチ科学―プールとお風呂で大活躍」です。

「綺麗な水」とは、その定義は多くの要因によって形成されます。特に、日本人にとって「きれいな水」は高い基準が求められることがあります。水の「綺麗さ」や「美味しさ」に影響を与える要因は以下の通りです。

不純物の含有量が少ないことが重要です。飲用水として提供される水は、微生物や化学物質の検査を通じて健康に安全であることが確認されます。水は不純物が少ないことが求められ、そのために水道水の水源から供給までの過程で水質管理が行われます。

味覚に関して、水のミネラル成分、pH値、硬度などがその味わいに影響を与えます。柔らかい水と硬水といった異なる種類の水があり、好みは地域や個人によって異なります。そのため、水の味わいは多様であり、美味しい水とされる水は個人の好みに合ったものであることが重要です。

清澄性は、美しい水の特徴です。通常、綺麗な水は透明で澄んでいます。水源から水道までの過程でのろ過や浄化が適切に行われ、水が清澄性を保つために注意が払われます。

香りや臭いも水の評価に影響を与えます。地域によっては、水が特有の香りや臭いを持つことがあり、これは地下水や水源の特性に関連しています。

ミネラル成分も水の味わいや特性に影響を与えます。硬水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富で、ソフト水はこれらのミネラルが少ないことが一般的です。

水は地球の歴史と進化において重要な役割を果たしています。地球が誕生してからの長い年月をかけて、水がどのように形成され、分布してきたかについて説明します。


地球の水の形成と分布について

地球の誕生後、最初の数億年間は高温で岩石からなる球体でした。しかし、地球の表面が冷却するにつれて、水蒸気が大気中に存在し、液体の水として地球上に降り注ぎました。このプロセスにより、初期の海洋が形成されました。

この初期の海洋は、地球上の水循環によって混合され、安定化されました。水の蒸発、降水、地下水への浸透などが、現在の海洋の形成と維持に寄与しました。

地球上の水の分布は以下の通りです。約97.5%の水が海洋に存在し、残りの2.5%が陸上に分布しています。このうち、約70%は南極、北極、グリーンランドの氷河に閉じ込められており、地下水が29%を占めています。地表水(河川や湖沼など)はわずか0.01%しかありません。

地球上の水は、生命の維持や地球の気候に重要な役割を果たしており、水の循環によって安定性が保たれています。これは、地球上の生態系や環境に大きな影響を与えています。

利用できる「帯水層」にある水は限られ、さらに地下水位も下がっているので、ますます利用しにくくなっています。つまり、人間が日常生活で使える水は、水の総量から見てほんのわずかな量であるということがわかっていただけたでしょうか。さらに水源の汚染が進んでおり、安全に使える水はますます減りつつあるというのが現在の状況でございます。

このように水はさまざまな形で存在するわけですが、それぞれが水循環という形で互いに関連しています。つまり、水の大部分を占める海水が蒸発して、水蒸気となって雨や雪という形で地表に降り注いで、河川や湖沼、地下水を潤して、そしてまた海へ流れていくという循環が繰り返されているんですね。

これがなければ、淡水はすぐに枯渇してしまうということになります。このように、塩分を含む海水が、太陽エネルギーによって蒸発して、 海上や地上に再び落下してくるわけですが、この雨水(うすい)が地上の生物の命を育むという、すばらしいシステムができあがっているのですね。

水循環のプロセスには、地球上の異なる地域でさまざまな影響があり、降水として表れることも、時には大災害としてもたらされることも理解いたしました。

赤道周辺では、太陽からの強いエネルギーが海水を蒸発させ、台風などの大気の激しい運動を引き起こすことがあります。このエネルギーの移動によって、水蒸気が高層大気に取り込まれ、雨や降雪として地域に戻ります。これが水循環の一部であり、湿潤な気候に貢献します。

また、湖沼、河川、植物からの蒸発も水循環の重要な要素であり、これは「蒸発散」として知られています。この蒸発散によって、大気中に水蒸気が供給され、雲の形成となり、最終的に雨や雪として地上に降り注ぎます。このプロセスによって、水は地球上の生態系を支え、水資源の供給に貢献しています。

水循環は、地球上の気象や気候に大きな影響を与える重要なサイクルであり、水資源の持続可能な管理にとっても重要です。地球上の水が適切に循環し、利用可能な淡水が供給されることは、私たちの生活と生態系の健全性に不可欠です。

水循環のプロセスについて、詳細な説明をいただき、ありがとうございます。水の循環は、地球上のさまざまな要因によって影響を受けつつ、地球全体で平均的に蒸発量と降水量が一致するという重要な特性を持っています。

降水が地上に降った後、その水は異なる方向に進むことがあります。一部は地下に浸透し、地下水となり、一部は雪や氷として残り、氷河や氷帽として存在します。しかし、最終的にはこれらの水も再び地表に戻り、河川を通じて海に流れ込みます。この水の循環は、地球の気圏(大気)、水圏(水)、岩石圏(地表)を通じて行われ、地球上の生態系や気象に大きな影響を与えています。

太陽エネルギーはこの水循環のエンジンであり、太陽からのエネルギーが水の蒸発と降水を促進し、循環を維持しています。この水循環は、地球上の生態系、気象、気候に影響を与え、私たちの生活においても極めて重要なプロセスです。水の持続可能な管理と保護は、地球環境と私たちの未来に対する貴重な貢献となります。

水の循環に関する詳細な情報と統計を共有いただき、ありがとうございました。地球上の水は非常に貴重で、長い年月をかけて水の循環が行われています。降水と蒸発のバランスが保たれ、海からの蒸発が主要な供給源であることが示されています。この水の循環には長い周期がかかり、海の水は約3000年、地下水は約5000年で入れ替わるという事実があります。

水資源の有限性と価値を理解し、水を大切に使うことは非常に重要です。水の持続可能な管理と保護は、私たちの未来と地球環境に対する責任なのです。

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