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豊かな汽水域の恵みは、森があってこそ生まれることを実証した不朽の名著

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Hey! What's up people~! 鎌田です。それでは編集者目線で気になった本をご紹介させていただきたいと思います。

今回はこちら、豊かな汽水域の恵みは、森があってこそ生まれることを実証した不朽の名著「森は海の恋人」です。

グローバル経済の側面からは日本の環境への取り組みは遅れてしまった部分もありますが、私はまだ日本のプレゼンスは高いと考えています。そのヒントは森の中にあります。

特に一次産業ビジネスは、産業のベースが自然環境に委ねられている事業であるという点において、他の業界と大きく異なっています。

生産効率を上げる技術改良を行いつつ、自社のポートフォリオを掘り下げて規模を拡大したり、集中させて密度を上げたり、事業展開の範囲を広げたりすることにより、単なる一次産業から二次産業にも三次産業にも広がる日本型財閥経営モデルの構築を提案できるのではないかと思います。

その根底には必ず農の営みを支えている環境問題があります。山林の整備、生態系の保護、土壌や水源の保全、そういった自然環境を改良し、一次産業が自然の循環の中で回っていくようにする事業との連携が不可欠です。

一次から六次までを支える基盤の「ゼロ次産業」ともいうべき環境保全につながる持続可能な事業にこそ、日本の生き残りの道があります。

「環境問題は大切」と言うことに異論がある人はいないでしょうが、きれいごとのように聞こえるかもしれません。また、あまりにも大きな課題で手に負えるものではないと感じるかもしれません。

それでも、「ゼロ次」つまり環境へ循環させる形を意識したストーリー戦略でビジネスを構築することが、これからの日本の第一次産業ビジネスだけではなく全ての事業が生き残るひとつの光になるのではないかと考えています。

環境保全の問題は、いまや地球単位で検討されています。2015年9月の国連サミットで はSDGs(持続可能な開発目標)が採択されました。

国連に加盟する193カ国が2030年までの5年間に達成するための目標を定めたもので、先進国も途上国も含めた地球上すべての国に対し、経済環境、社会環境、自然環境の3つの側面で調和を求めています。

この中には、気候変動や海洋・森林汚染などの課題だけでなく、エネルギー問題や人びとの健康・教育問題、働き方といった話も入っています。日本の第一次産業のビジネスは、まさにこのような包括的な課題に対するひとつのプレゼンスとなるのではないでしょうか。

「森は海の恋人」をキャッチフレーズに森林保全の活動を行っている畠山重篤さんという方が おられます。

宮城県の気仙沼で牡蠣の養殖業を営んでおられたのですが、海水と河川の水が交わる汽水域での水産に重要な養分が河川の水源である森の豊かさにかかっていると気づき、水源地である岩手県の根室山に広葉樹を植樹し「牡蠣の森」と名付けて環境保全運動を始めまられました。

東日本大震災で大きな被害を受けられたのですが、寄付などに支えられて、今も積極的に活動しています。これは「海と山」の循環に着目して成功した例といえます。

みなさんの里山の循環にも、その地域ならではの特性を活かしたストーリーがきっとあります。SDGsの軸で考えれば、自然環境だけでなく経済環境や社会環境との調和の視点でビジネス戦略を図ることができます。

一次、二次、三次と展開する産業工程に取り入れられるものは、環境保全への循環だけでなく、エネルギーの循環や新しい働き方、地域の人たちの心身の健康や住まい環境の向上など、コラボレーションできそうなものがいくつもあります。

また、消費者志向のマーケットで考えれば、食品の「天然神話」を覆すようなイノベーションも期待したいところです。養殖技術のすばらしさはもっと注目されていいはずです。

野イチゴと品種改良されたイチゴとではどちらが商材として生き残るだろうかという視点も鋭く持ち続けていくのが、第一次産業ビジネスの生き残り戦略のひとつとなるでしょう。

環境に関われている人たちの規模感は様々かと思いますが、軸は同じですので水平展開は実はあまり難しくないので、是非こういた思考を取り入れていただいてご自身の事業を推進していただけましたら望外の喜びに存じます。

それではまたお会いしましょう!

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