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大学生プロジェクトの継続の難しさを乗り越えるための視点

大学生時代にプロジェクトを立てて、そのまま仕事にしているゲンヨウです。滋賀県で受けた地域づくりの研修で、行政関係の人から、地域×大学生のノウハウはかなり気になるといっていただいたので、少しずつ文章にしています。

今回は、継続の難しさについて書いてみます。これは良い点と表裏一体なのですが、大学生と連携したい人は、期待する部分についてはお話しするのですが、難しさについてはあまり意識に入っていないことが多いので、あえて書きます。

1.メンバーが定期的に変わる部分
2.やりたいことが変わる可能性
3.学年カラー
4.大学生の時間・時期


1.メンバーが定期的に変わる部分

これは良いことでもあるのですが、4年で卒業が原則なので、メンバーが定期的に変わります。リーダー学年として1年、所属も長くて3年です。

メンバーが定期的に変わることで起こるのが
(1)情報伝達が難しくなる
(2)積み上げたノウハウの流出
です。弊社は社内SNSでなるべく情報ややり方、前年度の議事録などを残しているので、まだ伝達は良いほうですが、それでも○○地域の○○さんが・・・など伝わってないことも出てきます。

また経験値が上がった学生も卒論・就活などでフェイドアウトしてしまうので、ノウハウが溜まってはこぼれ溜まってはこぼれという感じです。
また、メンバーにさせるべき失敗などもあるので、育て要素があることを自覚していないといけないです。社会投資に近いです。

2.やりたいことが変わる可能性

これも良いことで、高校まではあんまり将来とかキャリアとか自分がやってみたいことなどを考えていない子たちが、地域の人に接することで、自分の生き方や働き方、大学での学び方について考えるようになります。

周りの学生が考えるので、うちに所属する学生は必然的にそういう空気にもなります。休学や留学、インターンシップを選ぶ先輩もいるので、一歩踏み出すハードルは低くなります。

その時に、やりたいことが変わった学生の緩やかな次への一歩と、仲間との関係性については考えてフォローする仕組みや、ルールが必要になります。

やりたいことが変わっても、それを応援する。そのためにちゃんと宣言して、時期を決めて辞めるのを僕たちはルール化しています。社会に関わるメリットを受ける分、立鳥なんとやらです。

もちろん、事前に面談などで相談したりしています。元気ないなぁとか思ったら声掛けもします。

3.学年カラー

大学生とプロジェクトをやっていて一番面白いなと思うのは学年カラーが出ます。元気な学年、調子のよい学年、落ち着いた学年など。数年に1回、めちゃくちゃ元気な学年が出ます。それはそれでよいこと。ただ、その学年は新しいことをたくさん始めてしまいます。数年たつと、落ち着いた学年がそれを義務感のみで進めたりします。やりたいことだったはずなのに、義務感でやる・・・これはあまりよくない状況です。そのまま解散する社会系サークルをいくつも見てきました。

びっくりするかもしれないですが、たった1、2年で大学生組織は終わりを迎えます。それまですごく順調だったのに・・・。毎年新しい動きだと思えば、わかるのですが、関わったことない方からはビックリされます。

この学年カラーのギャップが起きたときに、一緒に現状のチームのサイズにあった活動や企画内容、場合によっては新しいことをするための余白について話をすることが大事です。

「学生組織、3年続けば伝統が生まれる」

高校の時に応援団の先輩が言ってました。これは結構うまく言っているなと思ってます。いつから続いているかなんてわからないんですね。社会系サークルや学生団体は真面目なメンバーが比較的多いので、きっちり続けようとします。そこをリストラしてもいいんじゃい?と声掛けする存在が必要になります。

4.大学生の時間・時期

最近は、出席や授業の開催回数について厳密度合いが上がってきている大学もあるので、より注意してほしいです。

(1)テスト期間は絶対NG
(2)長期休暇にいる人、いない人
(3)やる事が多くなっている大学生

(1)のテスト期間についてですが、テストが多い学部、レポートが多い学部で状況は少し変わります。前後期制であれば、7月末から8月1週。1月末から2月初旬(私立は1月末まで)のテスト期間は、企画を立てても何もできません。

よく、昔は○○で単位をもらえたよ~とかお話しいただきますが、今はなかなかイレギュラーな方法で単位はもらえません。勉強が本業なので当然です。クオーター制をとる学校も出始めました。その場合はテスト回数は増えます。テスト期間は要確認です。

(2)ですが、大学のエリアと居住形態が関係してきます。実家暮らしの場合は帰省という概念が無いので、長期休暇も大学近くに、学生はいます。鳥取大学は県外出身者が8割という状況なので、けっこう帰ります。お盆や正月は人の気配がなくなります。都市部の学校ではそこまででもないです。また短期留学やインターンシップなどで、大学近くにはいない学生も増えてきました。僕もどちらかというと、長期休暇は旅行やボランティアに出てしまう学生だったので気持ちはよくわかります。自動車免許の取得や、実家のほうがバイト代が高いという理由で実家に帰る子も鳥取ではいます。

では、まったく人がいないかというと、そうではなくて、一つは部活の練習など運動部できっちりやる系の人が残っていたりします。また、アルバイトのシフトの関係で、残っている人もいます。前者は夜ヒマ、後者は昼間ヒマだったりします。

(3)は全体的な傾向ですが、就活の解禁について、いろいろルールが変わる事、そして近年のインターンシップブームの影響で、大学3年の夏休みからはかなり忙しさが増している感じです。就活の前哨戦としてのインターンシップ(ワンデイから長期まで)。就活と同じようにワンデイに出まくるという学生も出てきています(本質的ではないですがチキンレース状態)。

そんな感じで、長期休暇やインターンシップなども含めて、大学生のプロジェクトのメンバーにとって他の選択肢が出やすい状況になってきています。

まとめ

今回はあえて、難しい部分について書いてみました。僕や学生人材バンクはそこを含めても、次世代育成としての面白さと、大学生の可能性を感じているので、続けているのですが、「大学生、大変じゃない?」と聞かれることもあります。

そして、続けることで、新しい学生にも可能性が開ける部分と、それなりに納得感を持ってプロジェクトに関わってほしいと思って面談も必要に応じてやっています。細かな関わりを、そこは積み重ねるようにしています。

大学生にテーマを持ってきて、丸投げや任せっぱなしでは、それは無理なんですね。そういうちょっとした工夫を続けていけるかが、大学生×地域を面白くしていくポイントなのかもしれないです。

今日はこの辺で。

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