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場づくりの経験が多いからと言って、何でも対応可能なわけじゃない話

鳥取で地域(集落や企業)と大学生を繋いで事業を行なっているゲンヨウです。最近では、場づくり全般、大学生×地域の会議や意見交換の場だけでなく、高校生との場、研修の場や、地域の人だけの場づくりなど、かなりいろんな場づくりに関わらせていただいています。ありがたいことです。

最近は、ファシリテーターという言葉やワークショップなどの言葉も広がってきて、技術を活かしてより良い場にしていくことが認識されてきて嬉しいです。

一方で、ファシリテーターをお願いされる時に、勘違いされている場合が増えてきました。場の設定の段取りは終わっていて、「○○という会議をいい感じにしてください」というご依頼です。

僕が場づくりをさせていただくときは、どんな目的で、誰にどういう環境を作っていくのかなど、かなり段取りの部分についてお話しさせていただきます。特に目的は大事で、「とにかくたくさんの人の意見を拾いたい」という場合と「じっくりと議論を深めたい」という場では、設計方法が変わってきてしまうので、その先に何を求めているのかをじっくり聞かせていただきます。

なので、場の設定と段取りが終わった状態から、そこを良い感じにしていく(そもそも、良い感じってなんだ?という議論もありますが)には、かなり難しく、無理なこともあります。

あくまでも例えではありますが、

(例)10人の会議。制限時間は30分。事務局の説明を10分するので実質20分の時間で、議論を盛り上げつつ、全員から意見を聞き出してください。ワークショップ的な手法は使わずに。

無理です。

「議論を盛り上げる」と「全員から意見を聞く」が、この制限時間の中では相反してしまいます。
議論が盛り上がる場合、主たる意見をいう人の発言回数が増えます。またじっくり考えて発言したい人もいるので必然的に発言が偏ります。また、流れの中で話すべき人に話を振るのでバランスは取れません。議論の先にある成果を参加者で納得していく感じです(たとえ十分に話せなかったとしても)。

全員からちゃんと意見を聞きたい(且つワークショップ的な手法は使えない)場合は、制限時間を、参加人数で割るとイメージしやすくなります。

今回の場合は、20分÷10名=2分/人

一人2分です。少なっ。自己紹介と一言で終わってしまう。議論にはなりにくい。大学生は比較的発言時間って守ってくれるのですが、地域でおじいちゃんとかと一緒にやると、だいたい守ってくれません。下手すると自分の話を延々としたりします。

ここまでくると、本来のこの場をつくる目的に照らし合わせて、本当に全員に話してもらう必然性はどこにあるのか再検討なのですが。型がガッツリ決まってしまって、動かせないとなると、小手先の技術ではどうにもできません。

もちろん、経験値もあるので、言い回しとか状況判断のレベルはあがっているとは思いますが、段取りとか仕掛けの部分が、場をうまく回すコツの本質だったりします。ここからお話しいただくのが、結果的に良い場を作っていく基本になります。

なので、役場とか会社とか、地域で場づくりを担当している人は、最初から相談に行った方が良いなと思ったのです。一般の方の意識されている、かなり前の段階から場づくりのポイントは始まっているのです。

企業とかの会議の進行もやってみたいなぁ。

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