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【介護現場における4M】日経新聞ピックアップ#34 24/3/30

介護人材確保、福井進む:日本経済新聞

毎週土曜掲載の「データで読む地域再生」から介護現場の人手不足について考える。

記事によると介護人材は全国的に不足しているが、福井·青森·栃木などでは人材確保が進んでいるとのこと。自治体が技能実習生を呼ぶ込む体制を拡充したり、設備導入費用の補助などを担う。
介護事業者は利用者と自治体から介護報酬を受けとるシステムだが、高い水準のリハビリ支援を提供する事業者には介護報酬をプラスする仕組みもあるそうだ。

介護業界の課題の多くは人材不足に紐付く。労働環境や賃金、人材育成、書類作成の雑業務など課題は様々だ。これらの課題を抱えたまま人材不足が慢性化している施設はまだまだ多い。

製造業の品質管理や製造管理のマネジメントシステムの1つ「4M」では、Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)の視点から分析・改善していくことで課題解決を図る。

Man(人)では、作業者の健康状態や作業習熟度の管理体制が問われるが、介護現場では職員のモチベーション上げたり、研修を充実させるにはどうするかという視点で課題を洗い出すことに繋がる。

ここ数年は様々なシチュエーションを想定した介護ロボットが導入され始めているが、Machine(機械)の最適化は人手不足の直接的な解消に繋がる。ただ実際は、ロボットの面倒を見る人が必要な場合が多いかもしれないが、寝たきりの利用者の体位を変える、トイレ補助のために体を支えるなどの重労働は軽減されるはずだ。

医療現場ではMaterial(材料)をMedia(情報)に置き換えて考えられるらしいが、治療に関する情報を取得し共有される過程における課題を洗い出し、問題なく運用されているか検証する。
介護現場でも利用者の要介護レベルの情報が共有化されることで、効果的なリハビリ支援を実施できるかもしれない。

また、情報共有の仕方つまりMethodを紙業務からデジタルに移行することで、作業の効率化とデータ利活用が可能になる。
最近は簡単に社内アプリを作成できるツールもあるので、この領域の課題は2、3年後には解消されているだろう。実際、能登半島地震では高齢の避難者の要介護状態を即時に把握し避難施設全体に共有する必要があったが、職員が作成した管理アプリによって物資供給がスムーズに行えた事例もある。

閉塞感のあった介護業界も、コロナ禍以降他業界の介入が必要になってきた。同時に、効率化により生産性を高める手法を取り入れることで近いうちに人手不足も緩和されるのではと思う。

人のお世話になるより、自分でできる方が生きてて楽しいだろう。

e-karas


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