子育てエッセイ : 娘は自分の父親がただのオヤジになって欲しくない 娘の父親は色気がないといけない?

サラリーマン時代のある時、僕は3人のアシスタントをしてくれていた女性と本社の研修の帰りに一緒に夕食を食べた。
アシスタントの1人の女性が、
しゅに〜ん、お腹が空いちゃった〜
と言ったので、近くのお好み焼き屋さんで夕食をご馳走することになったのだ。
お好み焼きを食べながら、

アシスタントA
「主任、ユリカちゃんは大きくなられましたか?」

「ユリカは今年、1年生になったんだよ。クルミは今年幼稚園に入園した。」
アシスタントA
「もう小学生ですか、早いものですね。」

「この間、中学の同窓会に出席したら、同級生の女の人に、女の子は中学生になったらお父さんのことは嫌いになっちゃうのよ。と言われて、少しショックだった。」
アシスタントB
「主任、それは父親によりけりっすよ。私は今も
お父さんのこと好きっすよ。私のお父さん、ひょうきん者なんすよ。」
アシスタントC
「私はお父さんは苦手だなぁ〜。」
アシスタントA
「私は嫌いではないですね。」

「どんな父親なら娘に嫌われないの?」
アシスタントA
「私は三國連太郎さんが父親だったらいいなぁと思いますよ。女性に優しくて、でも私が悪い時はしっかりと叱ってくれそう。それに三國連太郎さんって男のくせに色気があると思う。」
アシスタントB
「私は加山雄三さんっすね。優しくて、ギターが弾けて、夏はヨットに乗せてくれて、冬はスキーに連れて行ってくれる。最高っすよ。」
アシスタントC
「私は津川雅彦さんだなぁ〜。女性に優しくて、お洒落でエスコートしてくれて、私、津川雅彦さんも男のくせに色気があると思う。」

「ちょっと待って、娘のお父さんって色気がないといけないの? 僕は絶対無理だけど。」
アシスタントA
「って言いますかね主任、娘は自分の父親がただのオヤジになって欲しくないんですよ。」
アシスタントC
「そうそう、友達に自慢出来る位若々しくてお洒落であって欲しい。ジャージで外出する父親は問題外の外です。」
アシスタントB
「主任、娘っていうのはですね、例え親であっても1人の男でもあって欲しいんっすよ。どこか男を感じさせて欲しいんっすよ。お風呂あがりにトランクス姿で家のなかをウロウロ歩き回る父親は、娘は中学生にもなると嫌うっす。」
アシスタントA
「色気があるっていうのは、何も本物の色気がなくても、実際に浮気されたら困りますが、何処か女の人にモテそうであって欲しいということなんです。
女の人に人気のある父親は娘の自慢ですからね。」
アシスタントC
「主任、娘が産まれた以上、主任は一生男磨きをし続けなくてはならない運命を背負わされたんですよ素敵なお父さんだなぁ〜って思う中年男性には必ずと言っていいほど娘さんがいますからね。」
アシスタントB
「主任、同級生の女性のお父さんは男磨きを怠ったと思うんすよ。娘の父親になったのはいい事だと思うっすよ、一生女にモテる努力をすることになったわけっすから。男の子しかいない父親よりはずっと素敵な父親になれるっすよ。喜ばなきゃいけないっすよ。」
アシスタントA
「主任、子どもが娘だけっていうのは、考えようによっては楽ですよ。女性受けするように生きていけばいいだけですから。男の子もいたら、そういうわけにはいかないですからね。」
アシスタントC
「主任は女に嫌われない体質だから大丈夫ですよ。」
アシスタントB
「少なくとも社内には主任を悪く言う女も嫌いだと言う女もいないっすから。」
アシスタントA
「主任、奥様とずっと夫婦ではなくて恋人同士でいればいいんですよ。そうすれば、まずただのオヤジになることはないですから。」

僕はこの時、アシスタントの女性たちからいい事を教わったと思った。
奥さんと恋人同士でい続ければ娘たちに嫌われない
奥さんにも嫌われない。一挙両得。
今日まで僕は娘たちに嫌われていない。
このアシスタントの女性たちに今も感謝している。




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