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資本主義とは何か、用語再定義の提案


「資本主義」という言葉に違和感

 私は「資本主義」という言葉に時々感じていた違和感「それって、ちょっと違いませんか?」。
 いつもながら、デザイン思考と本質追究を楽しもう♫さんの問いの設定にはっとさせられます。
 この記事を見て「資本主義」という言葉を思い出してしまった。昔からおかしな言葉だと気になっていて、時々ひょっこり首をもたげていた。
 共産主義も、社会主義も、資本主義も、資本を市民が管理する、国で管理する、個人で管理する、と分類する用語。
 でもなぜ資本を誰もが自由に管理してよいとする社会が「資本主義」なんだろう。
 「自由主義」の方が正しい気がする。

「資本主義」の語源

 この機会に調べてみると『不破哲三は「資本主義」という言葉は「マルクスが命名」したと書いている』と言う言葉の起源がわかった。そうか「マルクスが命名を間違えたのか」とわかって、一旦はやっとすとんと落ちた。

米国が最も共産主義を実現している?

 また、資本の所有者が誰かという視点で見ると、退職者年金で株を運用している米国市民が一番の資本の所有者だ。ということは、米国が最も共産主義に近いことになり、明らかに変だ。

デザイン思考と本質追究を楽しもう♫さんからご指摘があった。
 外国人由来、つまり外国語を起源とする者の場合、それを和語にどう訳すかによるところも大きいような気がします。

「資本主義」はマルクスの言うkapitalistischeの誤訳だった

 確かに、翻訳の問題のようですね。
 下記では、capitalistやkapitalistischeの翻訳は「「資本主義的生産様式」とするよりも、「資本家の生産様式」とか「資本家の生産のやり方」とか「生産の資本家的方式」のような訳語の方がいい」とあります。

資本とは何か

 資本とは、生産活動に必要な建物とか機械とかの施設や設備などです。
 どこかで定義が「事業をするのに必要な基金」、「事業活動を行うための元手となる資金」とお金の意味に変えられてしまっています。

 簡単に歴史を振り返ってみると、農業社会では土地が所得を得るために重要でした。
 産業革命以降は、所得を得るためには土地よりも機械などが重要になってきました。
 所得を増やす方法として、土地に代わって投入すべきものを資本と呼び、資本の投入で所得を増やす社会が「資本主義社会」だと思います。
 農業社会から脱却した後の社会が資本主義社会です。
 この時点では、社会主義、共産主義という言葉はありません。
 その後に、その資本を誰が所有して管理するかという点が論争となったのだという理解すると分かり易いです。
 改めて、資本を分かり易く理解するための図を描いてみました。

資本とは何か

用語の再定義の提案

 資本とは、生産活動に必要な建物とか機械とかの施設や設備などです。
 しかし、出資が容易なお金を意味するように変わってしまっています。
 また、資本主義社会と言う言葉は農業社会の後に現れた、資本と労働で生産するだと考えると理解が容易です。
 資本を管理する方法についての用語はすっきりしていません。
 歴史的経緯や主義主張を一時的に無視して従来の用語の定義をリセット、以下のように再定義してはどうでしょう?
・資本主義社会   資本と労働で生産する社会
・農業社会     土地と労働で生産する社会
・自由に管理する  自由主義
・政府が管理する  社会主義
・労働者が管理する 共産主義

PS:「米国が最も共産主義だ」の件は用語の問題ではなさそうです。


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