下北のアラサー(独身)

下北に住む29歳男の日記です。 有益な情報の発信もなければ、おしゃれな世界観のカルチャ…

下北のアラサー(独身)

下北に住む29歳男の日記です。 有益な情報の発信もなければ、おしゃれな世界観のカルチャー系の投稿もありません。 誰にも相手にされないアラサー男の日常を書き殴っております。

最近の記事

マウンテンデューを飲みながらタバコを吸うと思い出す話

僕は両親の第一子ということもあり、めちゃくちゃ大事に育てられたと思う。 後頭部が絶壁にならないよう寝返りを打つたびにタオルを当ててもらったということもあり、理科室にある人体模型くらい綺麗な頭をしている。 親が口つけたスプーンで食事を与えられなかったらしく、29年間で一度も虫歯になったことがない。 母親は粉ミルクを一切与えず、母乳だけで育てたことを誇らしく語っていたことも覚えている。 そんな風に育ててもらったのに、マウンテンデューを飲みながらマルボロを吸ってしまうようになっ

    • 「歩くのが気持ちいい夜に」の話

      歩くのが気持ちいい夜。 朝セットした髪が崩れてきたのでフードをかぶって歩いてる。 住宅街ならではの静けさと暗闇。 まるで僕のために世界があるかのように思えた。 開放感とウォーキングによる腸の活性化のせいで、割と大きめのオナラが出てしまった。 その瞬間、後ろからバイト終わりと思しき女子大生が僕を追い抜いていった。 世界は僕のものではなかったし、静けさと暗闇は恥ずかしさと異臭に消し去られてしまった。

      • "最強のチーム" あらすじ

        #週刊少年マガジン原作大賞 #連載部門 日本人最強メジャーリーガーの一人として、栄光を築いた公庄健。 走攻守の3拍子揃った選手であり、HR王や最多安打、MVPの受賞など、20XX年代のメジャーリーグを席巻した。彼の圧倒的な実力に日本人のみならず、全世界の野球ファンが心を躍らせていた。 そんな公庄はある1本のホームランで引退を決意する。 また一つ歴史に幕が閉じてしまうことに全世界の野球ファンが胸を痛める中、公庄は引退会見でこう宣言した。 「僕の野球人生で唯一の後悔は甲子園で

        • "最強のチーム" 3話

          ■会議室 佐竹「公庄さん、本当にありがとうございます」 公庄「とんでもございません。むしろ僕がやりたいということにご協力いただけるということで、こちらこそお礼をしなければいけないですよ。遠藤校長もありがとうございます」 遠藤「こちらこそ、ありがとうございます」 佐竹「いや、しかし驚いたな。こんなにとんとん拍子で話が進むなんて」 岡本「全く…おっしゃる通りですよ」 公庄「ははは。それでは細かい話は近日中にまとめていきましょう。岡本ちゃん、決めるべき事項はあとでまとめていこうか

        マウンテンデューを飲みながらタバコを吸うと思い出す話

          "最強のチーム" 2話

          ■ワイド番組 司会「昨日夜、現役生活に幕を下ろした公庄選手が引退会見を行いました。そこで飛び出した衝撃の一言に一同騒然となりました」 ■インタビュー風景 公庄「この度、引退することになりました公庄健です。引退のきっかけはHR王を決めたホームランです。スーパースターとして、皆さんをワクワクさせるようなプレイはもうできないと思いました。輝いているうちにやめたい、、引退理由はそれだけです。日本球界とメジャーでの15年間のプロ生活で一切の後悔はございません。」 会場、騒然。 公庄「

          "最強のチーム" 2話

          "最強のチーム" 1話

          ■メジャーの試合 実況「レフトにボールが上がった!これは文句なし!入りました、ホームラン!公庄選手、この1本で今季のHR王を確実にさせました」 NA「日本人がメジャーに挑戦してからどれくらい経っただろうか。何人ものスターが活躍し、日本野球の凄みを見せつけてきた。公庄健(くじょうたける)はその中で突出した存在となっていた」 スタンドに手を振りながらも、どこか悲しげな表情で公庄はゆっくりとホームベースを踏んだ。 ■回想1 公庄健。高校時代、ドラフト2位でプロ野球入団。入団直

          "最強のチーム" 1話

          「未来の鍵を握るレイディオ、SCHOOL OF LOCK!と申します」な話

          僕は中学生の頃から結構ラジオを聴いてきた方だと思う。 高校の頃は、『オードリーのオールナイトニッポン』にハマり、 浪人時代と大学時代は、『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』、 社会人になってから『伊集院光深夜の馬鹿力』と『爆笑問題カーボーイ』。 最近はPodcastの『有田脳』にハマっている。 こんなラジオ遍歴をたどってきた僕が最初に聴いたラジオは、意外にもお笑い芸人のラジオではない。 部活、恋愛、進路、友人・親子関係、音楽に、これでもかと真正面から体当たりをしてい

          「未来の鍵を握るレイディオ、SCHOOL OF LOCK!と申します」な話

          謎解き脱出ゲームをして、小学生時代の昼休みのキックベースを思い出した話

          サボりにサボって、3週間ぶりの投稿。 昨日、大学時代の友人二人と謎解き脱出ゲームに行ってきた。 僕を含めた二人は初プレイ。 もう一人は1度経験はあるが、全然問題を解けず失敗に終わったらしい。 初心者丸出しの3人のパーティーは、15時からのコースで遊べたらいいなって感じで、14時半に上野に集合しお目当ての店に向かった。 店に着き、受付しようとすると他のプレイヤーの予約でパンパン。 15時からの回ができないとかじゃなく、この時点で本日中のプレイはできなかった。 雑魚パーティ

          謎解き脱出ゲームをして、小学生時代の昼休みのキックベースを思い出した話

          「好きなものは好きと言わせて」の話

          高校生の時に『愛のむきだし』という映画を見て衝撃が走った。 エロ、グロ、アクション、圧倒的可愛さのヒロイン、刺激的な題材で構成される約4時間の長尺の映画。 17歳の僕にとって、どの瞬間を切り取ってもカッコよくて面白い映画だった。 しかし数年後、僕はこの映画を好きとは言えなくなってしまった。 それは監督の性加害問題が理由ではない。 映画に詳しい人に「愛のむきだし、好きなんだ。ふーん」と言われたのと、お笑いが好きな人に「それ、(オードリーの)若林さんがラジオで好きって言ってた

          「好きなものは好きと言わせて」の話

          #1 ある夏の暑い日。喫茶店で。

          「夏が好きなやつは、バカしかいないよ」 灼熱の中、ようやく見つけた喫茶店で、アイスコーヒーをポカリのようにガブガブと飲む彼はそう言った。 目の前の抹茶金時にザクザクとスプーンをさしながら、彼女は尋ねた。 「どうしてそう思うの?」 彼は答えた。 「ただでさえ暑くて体力奪われるのに、この季節じゃないとできないからと自らを奮い立てて、海とかバーベキューとかフェスとか楽しもうするんだぜ。バカでしかないだろ」 彼女は再び尋ねた。 「じゃあスノボーが好きな冬好きは?」 グラスから

          #1 ある夏の暑い日。喫茶店で。

          「変な落とし物にはご注意を」な話

          昨日行った美術館の話は、作品以外でいろいろと咀嚼しないといけないことがあったので後日書くとして。 今日はちょっと怖い話を。 アラサーとなり健康のことを考え、仕事終わりに1時間ほど歩くようにしている。いつも同じコースを歩いているため、正直周りの景色には飽き飽き。 ラジオを聴きながら下を向き、ただただ日課を消化する。 面白くも何ともないウォーキング。 その日も、「味には飽きたけど薬だと思って食べている」と言い、毎日納豆を食べるおじさんのように、うつむきながら事務的に歩いてい

          「変な落とし物にはご注意を」な話

          現代アート展覧会に行く前日に徹夜でヒロアカを見てしまった話

          美術館で作品を鑑賞する時に重要なことの1つとして、「よし、美術を見てやるぞ」という自分を奮い立たせるテンションが挙げられると思う。 今日の午後、僕は森美術館のこちらの現代アートの展覧会に行く。 現代アートを「国語」「算数」「理科」「社会」など学校で習う教科にセクション分けし、展示しているそうだ。 現代アートのように難解なものを鑑賞する際、先ほどのテンションの重要度は増す。 何のメタファーなのか? どんなことへの風刺なのか? その作品が創られた背景は何か? こんなに難し

          現代アート展覧会に行く前日に徹夜でヒロアカを見てしまった話

          自動車学校で自分が「おじさん」という枠にカテゴライズされた話

          2ヶ月ほど前、人生で初めて免許を取得した。 これまで免許を取得してこなかったのは、通うのがめんどくさいという怠惰と、事故を起こすのではないかという恐怖心と、免許を取らない方がセンスある人感を演出できるかもという誤った価値観の3つだった。 しかし、30歳を手前にして免許を持っていないことを周りに伝えると、結構な確率でドン引きされるようになった。 なるほど、免許取得は大人へのイニシエーションなのか。 と思った瞬間、免許を持っていないことが急激に恥ずかしくなり、家から1番近いの

          自動車学校で自分が「おじさん」という枠にカテゴライズされた話

          電車で元ヤ○ザと思しき人に席を譲った話

          少し前の日曜日。 ちょっとした用事があり、各駅停車で6つ先の駅へと向かった。野暮用を早々に切り上げ、帰りも同じように各駅の電車に乗って家路に就いた。僕が席に座るとちょうど空席が埋まる。そんな混み具合の電車は動き出した。 ポケットからスマホを取り出し、YouTubeか何かをぼんやりと見ていた。特段面白くもないし、興味があるわけでもないが、ある種の作業的に動画を見ていると、電車は3つ目の駅で停車した。ドアが開くと何人か乗り込み、その中の一人が僕の席の目の前で立ち止まった。 ス

          電車で元ヤ○ザと思しき人に席を譲った話

          「カッコいい日本語」を使うということ

          先日、Twitter(今や「X」と言うべきか)で、ある2つの短歌が話題になっていた。 『サラダ記念日』『チョコレート革命』などで知られる俵万智氏によるこちらの短歌は、近頃のイーロンマスク氏のTwitter買収から、「X」へのアプリ名の変更、それに戸惑うユーザーの感情を31文字で表現したものである。 巧みな言葉遊び、聞き心地のよい言葉で紡ぐこちらの歌は、どこを切り取っても「美しい日本語」だなと感じた。 では、美しい日本語に対して、タイトルにある「カッコいい日本語」とはどのよ

          「カッコいい日本語」を使うということ

          自作ハンバーガーを作るためピクルスを買いに行った話

          YouTubeはどんなアルゴリズムが組まれているのか分からないが、 時たまドンピシャで自分にブッ刺さるshort動画が流れてくることがある。 僕にとって最近のその最たる例が、自作ハンバーガーのレシピ動画。 馬鹿みたいに肉汁が溢れ、そんなわけないだろって程にチーズが伸びる。 動画の中では、そんなバーガーが「自宅で簡単に作れる」と謳っていた。 「これは、是非作ってみたい」 翌日、僕はハンバーガーの材料を買いにスーパーに行った。 バンズ、牛挽肉、チェダーチーズ、マスタードはすぐに

          自作ハンバーガーを作るためピクルスを買いに行った話