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子どもの心を診る(2)

医療機関を探す

子どもの心相談医に行きつくまでに、まずどこに相談すれば良いのかがよく分からなかった。手始めに、近くの大きな医療機関に電話して、精神科の受診が可能が問い合わせることにした。

心の問題で相談したいと言って年齢を伝えると、受付の方が小児科に回してくれたので、ざっとストレス症状と学校生活に問題を抱えていること、WISCを受けて結果は平均より高いことを伝えた。この時、ギフティッドと伝えることが手っ取り早いのか混乱を招くだけなのか迷ったが、何となく向こうも戸惑うのではないかと思って言わなかった。

話していた看護師さんが、心のことであっても、まずは小児科の先生が診るのが通常で、そこでより専門的な介入が必要と判断したら精神科等々と連携することが多いと教えてくれた。さらに、紹介状があった方が費用の面でも良いとアドバイスをもらったので、まずは近くの小児科を受診することにした。

長男の場合、本人は頭痛を一刻も早く治したいと訴えていた。一方、親はどの症状も社会生活上のストレスが原因になっていると思っていたため、頭痛とメンタルの両方を診てもらわないと意味がないと思っていた。

少々温度差があるというか、長男にとっては、社会生活上のストレスはあるにはあっても、なぜ自分がそのことで受診しなくてはいけないのかピンときていない風なところがあった。それもそうかもしれない。長男自身が向き合わねばならない問題が別途あるとしても、環境さえ変われば問題の多くの部分は解消された可能性が高かった。適した環境を速やかに用意する方向で動けていたら、それが一番であったかもしれない。

それでも当時は様々なことを模索する中で、自分たちだけで悶々と考えることだけは終わりにしたく、とにかく見過ごせない症状をまずは何とかするため、頭痛と心の両方が診れる病院にかかれるよう、小児科から紹介状を書いてもらった。

そしてまずは頭痛の先生に診てもらうことを優先し、そこでストレスの問題についても一度相談して、そこから同じ大学病院内の別の専門の先生に繋げてもらうことになった。

大学病院に行く

大学病院の頭痛の先生は小児科医でもあり、さらに子どもの心相談医の認定資格もお持ちの先生で、とても親身に話を聞いてくださった。WISC-IVの報告書と、ワード15枚にまとめた長男の様子(日常の行動観察、社会生活上の困難、各種ストレス、幼少からの気づき)を当日持参していたため、診察の前に目を通して下さって状況をよく理解してくださっていた。

手順としては、まず当日は頭痛の問診と軽い検査をして、後日より詳しい検査のために血液検査、MRI、脳波を取ることが決まった。ストレス全般についても、1時間くらいかけて長男と我々両親にヒアリングをしてくださり、カルテに記入してくださっていた。その上で、心の方は「子どもの心相談医」と「精神の先生」の2つの選択肢があることを教えてくれた。

離人症のような症状が出ている場合はやや深刻なため、精神の先生に診てもらう必要があるかもしれないが、子どもの心相談医の方が長男には良いのではないかと言われた。その理由の一つが、精神の先生は薬を使った治療を得意としているが、子どもの心相談医は薬はあまり使わないとのことで、頭痛の先生の見立てでは、長男は薬はいらないのではないか、と判断されたためだった。これとは別に頭痛については痛みが強くなる前に飲むと効果のある薬を出してもらっている。

因みに、長男のような子が一般的に診てもらうことが多いのはどちらの先生なのか訊いてみたところ、それはケースバイケースのようだった。

(3)につづく