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どうしてそう思うの?

思うってどういうことだろう?

それは、心から思う、ということか?

それとも、無意識とかで、パターン化されて、

それに従ってるだけなのか?

僕が好きな小説に、

「悪霊」というのがある

ドストエフスキーの作品で、

江川訳が好みなのだけど、

この作品は、

思い込みや、物語についての、

小説であると思ってる。

スタヴローギンの告白によると、

ニコライと関係を持った少女、

マトリョーシャは、

「神さまを殺してしまった」

と思うようになり、

自身へのけじめとして、

首を吊る。

しかし、それを見ていたニコライは、

自身が追い込んでしまったと、

思い込んでしまった

そこから端を発し、

おかしな事件が次々に起こり、

結局、ニコライも後を追うようにして、

首を吊ってしまう。

でも、こんな結末に終わるなら、

最初から、少女の罪悪感は、

マトリョーシャの犠牲は、

必要だったのか?

それが、悪霊のテーマだと思う

そう思う必要があるのかと。

どうしてそう思うの?

そう思わないといけないの?

悪霊は、よく読むと、

「謎めいた」ニコライの言動を、

周囲のヒゾクな人たちによって、

ある意味での解釈をしていると思う

ステパンの結婚話、他人の不始末、

スタヴローギンの告白、その後の祭り、

人生を懸けた発表にあびせられる野次、

そもそも、ニコライはなぜ、

告白を公表しようとしたのか?

その直前に、なにがあった?

でも、こうして書いても、

ニコライの気持ちがわかるわけではない

人の気持ちを、否定はできない

そう思うのなら、それはそうなのだ

でも、なぜそう思うのか?

その答えは、やはり出ないのだ。

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