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マガジン

  • ポチポチ物語

    物語ってなに? 都合の良い正当化? なんでそんなものを書くの? 今時、物語に価値なんかあるの?

最近の記事

ティッシュ配り

 友人のティッシュ配りのバイトを、私が代わりにやることになる。  その友人は、風邪をひいたらしくて、私にメールで助けを求めてきた。  代わりに行ってくれないか、と。  私はまあ暇だからいいんだけど、そのバイト先の人はオッケーなのかな、と思ってた。  でも、実際に行ってみると、別にそれでもいいと言われ、じゃあってやることになった。  ティッシュ配り。  いつもの町で、突っ立って、ティッシュの束を抱えて、一つ一つを通行人に配る。  通行人は、もらったり、もらわなかったりする。

    • 異世界で砂場

       異世界って、どう在るんだろう。  例えば、アメリカとかフランスみたいに、現実と地続きで、どこかに在るのだろうか?  外国へは、飛行機に乗れば行ける。  なら、異世界も、そうして何かしらの手段を用いれば、行けてしまうのだろうか?  なら、異世界を観光するとか、遊びに行くのも、アリだろうか?  それとも、そんな俺の常識なんかとは関係ない、もっと考えられないような感じで、異世界は在るのだろうか?  そんなことをモヤモヤ考えるのは、俺が暇だから、というのが理由としては大きいだろう。

      • どうしてそう思うの?

        思うってどういうことだろう? それは、心から思う、ということか? それとも、無意識とかで、パターン化されて、 それに従ってるだけなのか? 僕が好きな小説に、 「悪霊」というのがある ドストエフスキーの作品で、 江川訳が好みなのだけど、 この作品は、 思い込みや、物語についての、 小説であると思ってる。 スタヴローギンの告白によると、 ニコライと関係を持った少女、 マトリョーシャは、 「神さまを殺してしまった」 と思うようになり、 自身へのけじめ

        • 与えられていた

           子供が生まれて、名前をどうするか、二人で話し合う。  俺は、女の子だから、愛とかどうかなーと、提案してみる。  すると、即却下される。  「なんで?」  「なに、愛って?」  逆に訊かれる。  「いや、愛、良くない?」  「どう良いの?」  「まあ、言葉が」  「愛という言葉?」  「そう」  「じゃあ、愛ってどういう意味なの?」  「意味?」  「わからないの?」  「いや、まあ」  「わからないのに、愛とか言うの?」  「うん、まあ」  「そのよくわからない言葉を名前に

        ティッシュ配り

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        • ポチポチ物語
          18本

        記事

          いつわりの放火

          どう思えばいいの? よく、そう思う 相手から、 なにかを言われたり、 なにかをされたり、 多分、反応がほしいのだと思うけど、 でも、どうすれば? 相手は、どんな反応がほしい? 僕のなかで、モヤモヤがわいてしまい、 それが相手に当てはまるのかも、 なにもわからないけど、 でも、モヤモヤはするから、 それで、わからなくなる。 どう思えばいいの? なら、これは、モヤモヤのせい? モヤモヤをなくせばいい? でも、完全に取り払えないよね? だって、そう

          いつわりの放火

          僕だけ違って僕だけ良い

          僕は昔から、 僕だけが、みんなとは違う、 僕だけが間違った人間なのだと、思ってた 僕だけが間違ってるから、 僕だけが怒られるし、ガッカリされるし、 ぜんぶ、僕だけが間違っているからだと、 そう思っていた 僕を、周りと同じ人間だとは、 とても思えなかった なので、そんな僕が、僕は嫌いだった みんなとは違う、嫌いな僕 だからこそ、 なにを言っても、なにをしても、 常に間違った感じがしていたし、 自分を認めることが、 どうしても、できなかった。 だか

          僕だけ違って僕だけ良い

          希望の世界

          希望って、良いものかな? 僕は、そうは思わない。 希望って、恐ろしいものではないかな? だって、僕が希望の通りにできなかったら? やり方、振る舞いを間違えたら? 嫌な目に遭ったら? 苦しい思いをしたら? それらが全て、希望、ということで、 正当化されてしまったら? それでいいのかな? 僕は? 正当化された希望が、 本当に正しい? それに対して、思うとか、考えるとか、 僕の思いは、無視されるのかな? だって希望だから? なら、希望は、恐ろしい。

          希望の世界

          ダーツの神

           百発百中でダーツができるやつは最強だ。  だって、そいつは計算さえすれば、勝負に勝てるのだから。  計算で、勝てるのだから。  普通は、そうじゃない。  だって、どれだけ練習しようが、気合いを込めようが、どこにダーツの矢が飛んでいくかは、やってみないとわからないのだ。  だからからこそ、ダーツは勝負になり、競う意味が生まれる。  はじめから百発百中なら、競うもなにもない。  だって計算しかないのだから。  二二が四、みたいな感じで、電卓を叩くのとなにも変わらない。  だから

          ダーツの神

          誰かの傘

           コンビニで買い物をして、帰ろうと思ったら、雨が降ってる。  あー、傘忘れた。  このままぬれて帰るのは嫌だなあ。  そう思ってたら、傘立てに、いくつものビニール傘が立ててあるのを見つけた。  やった。  おれは適当なビニール傘をとって、それをさして家に帰る。    盗んだことの罪悪感はなかった。  だって、ビニール傘なんて、どれも同じようなもんだし、どうせ安いし、盗られた人も、また買えばいいでしょ、と思った。  だから、帰宅して、うちの傘立てにぶっさして、これからもこいつを

          誰かの傘

          浦島老太郎

           おれが箱を持った老人を見つけたのは、早朝の散歩道だった。  薄暗く、人気のない散歩道で、ふと、海辺に目をやると、そこに人影があり、普段は誰もいない時間帯だったから、不思議に思い、近づいてみると、その人影は老人で、手には箱を持っていて、なんだかぼんやりとした表情だった。  おれが近づいても、おれが見えてるのか、見えてないのか、わからなかった。  白髪で、古びた着物みたいなのを着ていて、なんとなく男性っぽいのだけど、でも、こんな人は見たことがないな、と思う。  でも、同時に、こ

          浦島老太郎

          ハッピーエンド、という枠組み

          少女が母親に盛ったのは、 大人しくさせる薬だけど、 この映画も、なんだか大人しいね それは退屈? つまらない? なら、少女が盛った薬はどう? この映画自体が、それへの提起では? 映画の外に、意識を向かわせる 映画とは、ハッピーエンド ハッピーエンド、という枠組みに とらわれる人々 そこからどうにかして、脱しようとする 遠くの古びたアパートに歩いていったり、 大海原に、車椅子で向かったり、 でも、それらはうまくいかない こちら側に、戻ってしまう

          ハッピーエンド、という枠組み

          普通の雨模様。

           学校が終わり、さあ下校だ、という時に、雨が降っていて、私は傘を忘れていることに気づき、下駄箱の前で立ち止まってしまう。  他の子たちは、なんか普通に傘を持ってきてるみたいで、または、忘れても、友達同士で相合い傘したり、男子なんかは、濡れてもいいやって感じで雨の中を突っ走ってて、それがうらやましいけど、私にはそうできない、特別な理由があった。  特別な理由とは、スマホだった。  誕生日プレゼントで、親に買ってもらった、私だけのスマホ。  別に、そんなに高い機種ではないし、普通

          普通の雨模様。

          猫の道なんて

           学校からの帰り道、涼しく暗い秋の夜道を歩いてたら、足元に気配を感じて、見ると、一匹の猫が僕の先を歩いていた。  へえ。  僕は、歩くペースを落として、猫を後ろから着いていってみる。  薄茶色の猫で、丸々としてて、首輪がないので野良猫かも、と思うけど、野良猫でも太れるのは、近所の誰かがエサをあげたりしているからなのか。  こんな夜道をどこへ行くのかな。  そう思いながら、ボンヤリ歩いてたら、前の猫がピタッと止まり、こちらを振り向いた。  わ。  僕は立ち止まる。  猫は僕を見

          猫の道なんて

          ポチポチカラオケ

           私はカラオケが嫌いだ。  演奏が流れて、歌詞が表示されて、それが発音されるタイミングで、歌詞の文字が色で染まっていく、で、それを歌うのは私で、なんか心細いというか、違和感があるなあと、昔から思ってた。  歌は、唄うものではなく、聴くものだ。  例えば、歌がうまいとか、カッコいいとか、可愛いとか、そういう人が歌を唄う。私たちは、それを聴く立場だろう。  だからこそ、高い金を払って、コンサートとかに行ったりしてるのに、なんでそれを私が唄わないといけないの?  愛だの恋だの、希望

          ポチポチカラオケ

          ハッピールール

          綺麗事は、ルールを前提に成り立つものだ ルール通りに上手くできるから、 綺麗事にしようか、ということになる それが逆転したら、ダメである わけがわからなくなってしまう なんでその綺麗事がいえるのか? どう説明するつもりかな? また綺麗事を並べるの? どこまで? いつまで? 嘘をつき続けるのかな? バカみたい 綺麗事を言ってるのは、あなただけなのだ 綺麗事と感じるのも、 解釈をするのも ぜんぶ、あなた一人だけなのだ 孤独な一人舞台、 それが、綺

          ハッピールール

          帰り道について、

          仕事からの帰り道、年下の男子から、 お兄さん、カードの手続き済んでますか? と、声をかけられ、 一瞬、イラッときて、 その男子は無視したんだけど、 でも、年下の男子から、 お兄さんと、呼ばれるのは、 悪いことなのか?  当たり前? だって、そう見えるのだから? なら、それでいい? 僕はモヤモヤ、考えてしまった 僕は、できれば、名前で呼んでほしい。 お兄さん、ではなくて、 だって、年下の、見知らぬ男子から、 お兄さんと呼ばれたら、 失礼だと思わな

          帰り道について、