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映画「スタジオ グレア」 榊原雄×米村真理×末吉ノブ監督 ロングインタビュー(前編) インタビュアー:吉田可奈

米村真理には、ヒロインぽい存在感があったんです。

――みなさん、試写はいかがでしたか?
末吉ノブ(以下 末吉) 恥ずかしいっすね(笑)。これまで作ってきたMVやライブDVDって、スタッフ・キャストみんなで一緒に観る機会がほとんどなかったんですよ。でも、やっと完成できたことに安堵しています。
榊原雄(以下 榊原) 僕はすごく感動しましたね。試写を見たのは、撮り終わってからかなり時間が経っていたんですが、スクリーンの向こうには、スタジオグレアの世界が広がっていて、陵介がいて、姿乃瑆(しの・ひかる)がいて。瑆に会うのも久しぶりでしたし、(東城)凛や、浅岡師匠もいて、感動しましたね。
米村真理(以下 米村) 今回は初主演ということもあり、大きなプレッシャーもあったんですが、撮影はすごく楽しめたんです。いざ大きなスクリーンで、試写を見たら、緊張と不安、ワクワクする気持ちが全部重なって大変でした!(笑)

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――なぜ末吉監督はおふたりをキャスティングしたのでしょうか。
末吉 最初に米村真理を見たときに、ヒロインぽい存在感があったんですよね。一見、のほほんとしていますが、その空気感に主役を感じて、何かを撮りたいと思ったんです。もし、彼女で撮るなら、僕が好きな映画である『ビフォア・サンライズ』のように、2人が出会い、会話劇で、どんどん話が展開し、最後に別れてはしまうけど、いい余韻のある終わり方をしているというロードムービーを撮りたいなと思っていて。そこで、相手役を探したときに、初めましての人よりも、知っている人で撮りたいと思い、雄くんしかいないと思い、声をかけさせてもらいました。
――榊原さんの決め手は何だったのでしょうか。
末吉 真っ直ぐそうだなと思ったのと、あとはそこそこイケメンなところかな…?
一同 (笑)
榊原 恐縮です(笑)。僕自身、声をかけていただいてすごく嬉しかったですね。実は真理ちゃんとも以前から友達だったので、すごくやりやすいなと思ったんです。

米村 現場も最初はすごく緊張はしていたんですが、仲が良い雄くんが相手役だったので、すごく安心しました。

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――末吉さんは米村さんに惚れ込んでオファーしたと言っていましたが、なんて声をかけられたんですか?
米村 この映画を撮影する前に、ノブさんと初めてお会いして、短編映画を撮影させていただいたんです。その直後に、“次は真理ちゃんで長編を撮るから”とズバッと言っていただいて、すごく嬉しかったんです。さらに主演で長編だし、不安もありましたが、またノブさんと作品を作れるのが嬉しかったですね。
――米村さんが演じた姿乃瑆は、とても個性的な役でしたが、共感できるところはありましたか?
米村 彼女は売れっ子女優で、すごく気が強いんですが、本当は繊細で頑張り屋さんなんです。そこはすごく好きですね。
――榊原さんは三枝陵介を演じてみて、いかがでしたか?
榊原 陵介は色盲で、色が見えないカメラマンアシスタントなんです。冒頭ではモデルの子たちから色が見えないことをすごくバカにされるんですよね。でも、そこで怒るのではなく、グッとこらえ、冷静になりながらも燃えている、青い炎のようなところはすごく好きでした。
――しかも陵介は、その後に自分の人生を動かすような大胆な行動に出ますよね。
榊原 そこはすごく楽しかったですね。陵介は衝動的に瑆を誘うことから物語が始まり、カメラマンとしても、人間としてもどんどん変化していくんです。その成長や変化は、演じていてすごく楽しかったです。
米村 瑆自身も、陵介に連れ出されるまでは、もう全部手放してもいいくらい疲弊していたんですよね。そこで陵介に自分の生い立ちや、心情を話すことによって、どんどん変化していくんです。やっと人間らしさを出せたシーンは、演じながらも感動しました。

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――この2人が心を開いていくシーンは、すごく繊細に描かれていますよね。
末吉 僕自身が、興味がある人にはいっぱい聞いちゃう人なんですよ。その分、自分のこともバンバン話すんです。もちろん、初対面の人にこんなに話すかなという疑問もあるとは思うんですが、距離を縮めたい人には話すと思うんですよね。それまで、陵介が一方的だった気持ちも、たくさん話すことによって、瑆も陵介の方を向いていくんです。さらに、そこに陵介のことを好きな凛が入ることで、さらに距離感が縮まるんですよね。この凛がまた、すごくいいんですよ。

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西野カナの「涙色」という楽曲のMV撮影時に聞いた札幌での失恋エピソードが元になっている。

――わかります。誰もが凛ちゃんには幸せになって欲しいと思いますよね。ちなみに、この物語のアイディアはどこで浮かんだのでしょうか。
末吉 実は、西野カナの『涙色』という楽曲のMVの撮影を北海道でしたことがあったんです。そのMVでは日本全国の失恋した方に話を聞くというものだったんですが、札幌で話を聞いた方から、別れた恋人と、10年後にお互い恋人が居なかったら前田森林公園で会おうという約束をしたと言っていて…。それがめちゃくちゃいい話だなと思ったんですよね。
――結末が気になりますね…。
末吉 実は、10年後、約束の場所に行って、朝から晩まで待っていたらしいんですが、相手は来なかったようなんです。それも含めて、すごく物語を感じたんですよね。
榊原 でもたしかに、そんな約束がしたくなる本当にキレイな公園でしたね。
米村 うん。めちゃくちゃキレイでした!
榊原 僕は行ったのは初めてだったんですが、あたり一面黄色に染まっていて。葉っぱが黄色い絨毯の様になっているんです。そこが本当に美しくて!
米村 ぜひロケ地巡りをしてもらいたいですね。本当にキレイなので!

続く

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