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[解説と設問を発表]米受刑者釈放に見る在日米軍と法の正義【英語で学ぶ大人の社会科】第72回 3/31(日)20時@オンライン

「安全保障」と「法の正義」のバランスはどうあるべきか、について英語で議論。


2024年3月後半の「英語で学ぶ大人の社会科:世界の知性が語る現代社会」のワークショップのお知らせです。2024年3月31日(日)夜20時@オンラインで開催するワークショップは、BBCの記事「Ridge Alkonis: The sailor who stoked Japanese resentment against the US」を使い、「安全保障」「法の正義」のバランスについて英語で議論します。このワークショップの解説と設問を発表します。

【ワークショップ】

日本の主要メディアでは、ほとんど報じられなかった事件をBBCが記事にしています。2021年にアメリカ海軍大尉のアルコニス氏は、静岡県で交通事故を起こし、二人の日本人が死亡しました。同年、過失運転致死傷の罪で有罪になったアルコニス受刑者は、日本で禁錮3年の実刑判決を受けました。問題はここからなのですが、2023年12月に彼は米国に移送されています。本国に戻った後、彼の家族や支援者が上院議員、米大統領をはじめとする政治家やメディアに働きかけた結果、アルコニス氏は仮釈放になり、保護観察処分も受けていません。

日本世論を怒らせた米海軍兵の事件、日米の不平等な関係を浮き彫りに

米CNNニュースの司会者ジェイク・タッパー氏はこの措置を「素晴らしいニュースだ」とXのポストで祝福しました。

アルコニス氏を支援してきたユタ州のマイク・リー上院議員にいたっては、アルコニス受刑者の仮釈放時に「彼は米国の英雄だ」と呼び、「日本はこの家族とアメリカに謝罪すべきだ」とまで発言しています。

Senator says Japan reneged on deal to release Navy officer from Yokosuka prison by Stars and Stripes

このニュースは、日米安全保障体制に関する長年の課題を改めて浮き彫りにすることになりました。以下は岩波書店が2010年に発行した日米安保に関する書籍の目次です。

日米安保Q&A - 岩波書店

目次

Q1 安保って何ですか?
Q2 1960年の安保「改定」によって何が変わったのでしょうか?
Q3 平和憲法と安保条約はどういう関係にありますか?
Q4 なぜ米軍基地は沖縄に集中しているのですか?
Q5 安保とセットでよく耳にする「日米地位協定」とはどんなものですか?
Q6 「密約」で何が秘密にされてきたのですか?
Q7 思いやり予算とは,何でしょうか?
Q8 アメリカは日米安保をどう位置づけているのですか?
Q9 新旧ガイドラインとは何を取り決めたものでしょうか?
Q10 日米安保再定義の目的は何でしょうか?
Q11 北朝鮮の核ミサイル開発に対し,安保の枠組みでどういう対応が考えられてきたのですか?
Q12 アフガン侵攻,イラク戦争への日本の協力は,安保によって義務づけられていたのですか?
Q13 米軍再編によって日米安保はどうなるのでしょうか?
Q14日米安保は他国からどのように評価されていますか?

「世界」編集部

一方、外務省は、日米安全保障体制について、以下の質問に対する回答を寄せています。

【外務省】日米安保体制Q&A

問1.日本は平和で安全ではないのですか。
問2.なぜ日米安保体制は必要なのですか。
問3.アジアの国々は日米安保体制についてどのように思っているのですか。
問4.もし日米安保体制がなければどうなるのですか。
問5.なぜ米軍は日本に駐留しているのですか。日本はどのような義務を負っているのですか。

外務省

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/qa/index.html

アルコニス氏の一件は、静岡県での出来事でしたが、米軍基地が集中する沖縄では、同様の事件はこれまで度々起こっており、改めて「法の正義」と「国際関係」について考えるきっかけになりそうです。

非常に難しい問題ですが、あなたはこの事件について、どう思いますか?ご関心のある皆様の参加をお待ちしています。このワークショップの詳細は以下のとおりです。教材として、下記のBBCの英語記事を利用します。

日時: 2024年3月31日(日)20時~21時30分

場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~

【教材】

Ridge Alkonis: The sailor who stoked Japanese resentment against the US

【参考資料】


【外務省】日米安全保障体制

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/index.html

チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。

【チケット】

米受刑者釈放に見る在日米軍と法の正義【英語で学ぶ大人の社会科】第72回 3/31(日)20時@オンライン

【銀行振込での申し込み】

振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。

このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。

【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会

解説

なぜ、アルコニス受刑者の家族や支援者は、ここまで強硬に同氏の米国への移送を求め、そして釈放にまで至ったのか?この過程や理由について、上記のBBCの記事でも、詳細は分からなかったのですが、世界各国に駐留している米軍に関するニュースを報道している独立系のニュースメディア「Stars and Stripes」の上記記事が、リー上院議員がこの案件について、議会でどんな発言をし、林外務大臣や岸田首相に受刑者移送への政治的圧力をかけたことを詳しく報じています。

アルコニス受刑者の支援者が彼の米国への移送を日本政府に強く要求した理由は日本での捜査の方法や刑務所内での待遇、弁護士へのアクセスなど、日米両国における法律や文化の違いからくる容疑者や受刑者の扱いのようです。

ここから先の情報、設問はイベントへの申込者、サロン/メンバー/有料ニュースレター会員、note記事購入者に公開します。

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