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【台湾視察記③】Act localな大稻埕を歩く。

こんにちは。今回のレポートはレアキャラの瑞希が担当します。
📝視察記①はコチラ/視察記②はコチラ

この日は大稻埕というのは台北市街の西部に位置する地区を訪れました。
ここは河川沿いの埠頭を持って古くから栄え、特に日本統治時代には商業・文化的な中心地といて最盛期を迎えました。それによって現在も歴史的な建物を残しています。4日目の午後はこの地区を通して台湾の歴史・文化やその保全について学びました。
とはいえ異国の地で自分たちだけで歩くというのでは表面的な所しか学ぶことは出来ません。ということで、今回は Walk in Taiwan という、台湾でガイドツアーの企画や実施を行っている企業からガイドの Suni さんに案内して頂きました。

手前がガイドのSuniさん、一番右が私です。

幹線道路から北に向かう路地を行くと、狭い道路を挟んでアパートが向かい合っています。昼間でもあまり日が入らず暗い様子はトンネルを思わせます。進んで進んで、路地を抜けると丁字路です。突き当たって永楽市場が見えてきます。
2階建てのその建物は、日本統治時代に衛生改善を目的として建てられたもので、1階は食品、2階は布を売っており、3階はその布で自分だけの衣服を作るための作業場があり、既製品ではなく所謂オートクチュールな服作りが根付いている文化を目的にファッションハイブランドからもよく視察に来るとのこと。建物内は外観より幾分新しい様子です。

永楽市場

この建物の南側には、細い道路を挟んでお茶屋さんが並びます。お店のおじちゃんからハーブティを買って飲みました。栄養ドリンクのような位置づけだそうです。カップに書いてあった「I Love Coffee」というのは茶目っ気というやつでしょう。

ここで売っていた「苦茶」は強烈な味がしました

ハーブティや漢方薬を売る店が多いこの地区ですが、その理由の一つはお寺があるからのようです。台湾のお寺は、色々な社会福祉的な役割を担っていたらしく、処方箋を出すのもその一つで、その処方箋を持って漢方薬を買いに行くという仕組みのだそうです。このお寺の御利益の一つに縁結びがあるらしく、ご同道の姐様方からあんたもやりなよと言われるわけですが、台湾の神の御力がはたして日本にまで及ぶのかは甚だ疑問です。あるいは所管の問題もありましょうから、慎んでおきました。

お寺の目の前の道沿いには、Street house と言われる、狭い間口から道に対して垂直に奥に伸びる建物が連なっています。一見日本の町屋に似ているのですが、道から奥に店舗、住居、工房と3棟が連なるという形は違っています。外観を見ると、赤いレンガや白い石、台日清など様々なデザインが混ざり合っています。

日本が持ち込んだ西洋風建築物が多く残っている

このエリアは歴史建築物エリアだそうで、建物を建て替えることが出来ないことを厭う人が出て行ってしまい、代わりに若い世代の人が入り、内側を改装して新しいお店を開くという活用方法が多く見られるそうです。また古くからの店でも若い人に向けて新しい商品を盛んに開発しています。都市化が進む中で、このような古いエリアが未だ多くの人を惹きつけるのは、こうした更新や店独自の商品に加えて、店の人との交流を通じて商品やその地域の情報を楽しむ人が多くいることが理由だそうです。

この書店は3棟を改装して作られた新しいお店のひとつ

さてこのような魅力溢れるエリアですが、一方通行の道路を挟んで店が建ち並んでいます。政府がこの道路を拡幅することを計画したそうですが、現在まで地域のコミュニティの努力でそれを阻止しています。道路を拡幅してしまえば、車通りが多くなることで左右の店の行き来は難しくなり、またなにより、歴史ある建物群を壊さざるを得ないでしょう。地域の商業的な意味での衰退という意味だけではなく、歴史文化を継いでいくという点においても大稻埕の人々が自分たちの街に愛着をもって残していこうという思いが感じられます。

大稻埕は様々な歴史や人や商品や情報が混ざり合って形成されています。この唯一無二の魅力を感じ、これを守るためにはその地区を愛する人々の取り組みが不可欠だったことを思えば、Act Local という姿勢を忘れずやっていこうと改めて思う次第です。

次は大学へ!
コチラに続きます👣


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