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バンドを永く続けることを無条件で良しとする風潮について。

結成10周年、すごいな俺たち、バンドを続けることは素晴らしい、続けることこそバンドの美学、バンドをやってると辛いことや苦しいことも沢山あった、それでも俺らは続けてきた、凄い、素晴らしい、で、10周年記念ライブやるから来てください。

のようなバンドを永く続けたことに対する自己評価は側からみると完全に過大評価です。バンドを続けることはそんなに偉いことなんでしょうか。「何を残してきたか」と「今現在何をやってるか」が重要では無いでしょうか。

もちろん永年バンドを続けて自他共に認める世界ナンバーワンロックンロールバンドのローリングストーンズは確かに偉大です。でも彼らは休みなくずっと続けてきたわけではありません。今流行りの「活動休止」などという文言を使って無いだけで長期に渡って何度もお休みしてます。彼らが偉大なのは永年続けてきたからでは無く数多くの偉大な作品を残して来たからです。素晴らしいライブパフォーマンスを世界中で観せて来たからです。

続けることは偉大でもなんでもありません。むしろ人間にとっては続けることはごく自然な行為です。人間には習慣という能力があります。逆に変化を好みません。そしてその習慣を変える方がはるかに困難なことなんです。

同じメンバーと同じ曲を同じようなイベントで同じようなライブやって同じような仲間と酒飲むことだけで偉大とは言えません。有名曲を数曲残して数年で解散して後世の音楽界に多大な影響を与えたセックスピストルズはある人にとっては偉大かもしれません。だらだら続けなかったこともその偉大さに拍車をかけてるような気すらします。

かつてメジャーデビューして3年で結果が出なければ契約を切られる時代がありました。今はもっと短いと思います。もしあなたに才能があれば3年で形に見えるような結果が出ます。少なくとも上昇気流に乗って未来の成功を予感させるようなものが生み出せてます。

バンドはひとまず3年を区切りにしてください。もしあなたのバンドが素晴らしいバンドであれば3年あれば何か結果を残せます。言うまでもありませんが、趣味でバンドをやる事は人生において素晴らしいことだと思います。早朝草野球やジョギングやゴルフやゲームや絵画やプラモデルづくりやキャンプその他多くの趣味と同様に素晴らしいことだと思います。もしバンドが趣味であれば3年と言わず何年でもずっとずっと続けてください。ただ他の趣味と決定的に異なるのは、あなたのバンドを観に来るお客さんはチケット代を支払ってるということです。

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