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(連載2)80年代東京に現れた謎の少女、月ノ夜ロヲザ!:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:1980年代半ば

前回は、スタイリストの仕事量がハンパない限界を超え、身も心もボロボロになった事をお話しました。

それで、仕事の量をそれまでの3分の1にして、ユルユルでもこなせる仕事環境に変え、その結果、体調も少しずつ取り戻し、自分の時間も増えて、人に会ったりする時間も徐々に増えてゆきました。そして、幸せに暮らしましたとさ。ちゃんちゃん!

が。

これは、ただの序章。問題はそのからの続きです。

。。。。そんなある日。。。。。

人生を激変する「運命の日」がまいりました。

ピッカぁー〜〜!!

天啓の薔薇の鐘


「友達を紹介したいんだけど。。。」と、ある友達が、不思議な女の子を連れてきました。

それが、この 月ノ夜ロヲザ嬢 だったのでした。

(写真がゆるくてすみません。なんせ、1980年代なんで。お許しを!)

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お人形みたいにかわいい!!!そしてオーラもありました!!

私はスタイリスト業界で長く仕事をしていたので、気がつきませんでしたが、よく考えたら自分の回りにいる「かわいい人、綺麗な人、ルックスのいい人」は、みんな、タレントさんかモデルさんでした。

なので、こんなに綺麗な人なのに、ゲーノージンじゃないの!?っていうビッっくりな第一印象。。。。むっちゃ、綺麗。。。。

しかも、独特の雰囲気!!

ヘア・スタイルは戦前のアルミのカーラーを頭につけてて、頭のてっぺんには、馬鹿デカいリボン。。。

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服は小学生が着るようなワンピース。当時はオーバーサイズの服がトレンドでしたから、小さめな子供服を無理矢理、ピッチピッチに着てる人はいませんでした。

そして、彼女は言いました。

「私は詩を書いてるんです。」と

え?。。。あ?。。。。し、詩人?

私の人生で、「詩人」っていう存在を初めてナマで見た瞬間でした。

そして、彼女は自分で刷ったような、ピンクのハンドメイトの小冊子をくれました。

それは不思議な世界観を持った詩で、埋まっておりました。

子供の国から抜け出てきた乙女?というか少女?が、この現実の中で繰り広げているストーリー。今で言うと、つぶやき??

こんなんです。

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ほとんどが、カタカナで、口調も、これもまた戦前のようなもの。

私は、その得体の知れない彼女の世界観に引き込まれました。

可愛くても、それは「不思議な国のアリス」じゃなくて、「グリム童話」みたいに、ちょっと怖いんです。いわゆる「不思議ちゃん」よりも、もっと深くて不気味!!!(褒め言葉です。苦笑)でも、虜になっちゃうみたいな。

つまり、今から思うに、「初代ゴス・ロリ」だったんじゃないかな〜?て。

その頃はまだ、この言葉はなかったですし、徐々に一つのファッションのスタイルとして認知されていきますが。。。。。彼女の場合はスタイルだけじゃなくて、本物でした!!

当時は「レトロ趣味」と呼ばれるサブカルもあったので、その文脈から考えることもできましたが、そういうのだけでは語れない。。。。

ともかく

タダモノでない!!!という雰囲気。

人工的に少女を模造したお人形のように、物凄く綺麗で、パーフェクトなのに、今までの芸能界やコマーシャル業界で、見た事ない衝撃的なキャラ!!!

この顔力!!

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彼女は、時々、詩の朗読会をやったり、自分でアコーディオン演奏もし、歌も歌っているらしいと聞きましたので、それを見に行きました。

彼女の独特の声や、歌い方、手足の動き、そしてもちろん、詩。

すべてが彼女の世界の中で熟成し完結している。。。。

それは、それは、からくり人形がおしゃべりしながら、黒魔術の儀式で、手品をするみたいな。。。。


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それは、それは、摩訶不思議な空間でありました。


さてさて。

丁度この頃、また別の妙な事態が起こりました。。。。。。

私の名前。。。。。。に、ついてなんですが。

「瑪瑙ルンナ」って本名ですか?と、よく尋ねられます。

〜〜もちろん、違います。

〜〜〜〜「芸名」、、、なのでありますが、

なぜ?名前を変えたのか? それを述べようと思います。あまりの珍現象なんで。


当時の私のスタイリストという職業で、

なんと!!!!!!!

同姓同名の方がいると発覚したのです!!

しかも、ですよ!!

同じ恵比寿に住んでいる。。。「渋谷区恵比寿南」まで同じ。ただ番地が違うだけ!!同じ名前で職業も同じ。

これ、実話ですよ!!!本当の話です!!

未だに、ご本人には、お会いした事はありませんが。。。

何故これが、わかったのかというと、当時は初めて人に会った時は「名刺交換」っていう習慣のがありました。(今でもあるのかな?)

その時に、「あ。名刺、頂いてます。」とか、「前にお取り引きしてます。」などど、言われて、「あれ?」と思いました。最初は自分の勘違いかな?と思ってたのですが、やってない週刊誌などのクレジットにも自分の名前を見つけて「???」って。

驚きなのは、銀行ですら、間違って振り込みをする始末でした。

まるで狐か狸に騙されたような。。。。珍事態!!

私はひとりで、フリーランスでやっていたので、「自分の名前」ってのは、まあ、いわゆる会社の名前みたいなものなので、何かと不都合でした。

それで、名前を変えよう!と決心しました。

だったら、あの詩人の「月ノ夜ロヲザさんに!!」と、思って、考えてもらったんです。

苗字は、瑪瑙石の「瑪瑙」ハンコにするような特別な石。

そして名前はルナじゃなくて、「ルンナ」

ルナだとスペイン語ですが、「ル」が「ルン」になることで、サウンド的に跳ねるようなリズムが加わって、とても気に入りました。何人かわからない、つまり、世界中に一人の名前で、これで同姓同名が出現する事も一生ないでしょう。「字数も調べたら、よかったよ!」と言ってくれました。

つまり「瑪瑙ルンナ」は、月ノ夜ロヲザ嬢の命名から、はじまったのであります!!

新しい名前をもらったからには、新しいプロジェクトを始めたい!

それで「何か朗読やイベントをやるなら、私に服を用意させてくれない?」と、彼女に話をもちかけたら、さっそく、やろう!という事になりました。

当時のポラロイド。(これまたクオリティが悪くてごめんなさい)

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そして、ずっと続けてやるんだったら、二人で一つのユニットとして、活動したら面白いかも?という事になったんです。

ユニットといっても、バンドのようにふたりで舞台に出るというのではなく、演じ手はロヲザだけ、私は、つまり衣装係ですが(もともとそういう仕事でしたから)彼女の詩からインスパイアされた服を制作し、彼女の身体を通して発表するというやり方です。〜まあ、コラボですね。

歌の歌詞と服が融合している状態を作って、詩ごとに、いちいち服を着替えるとか、歌を歌いながら、衣装がかわってゆくとか??

わー。面白そう!!楽しそう!!というので、

早速、やろう!やろう!!となりました。

ユニット名は「ロヲザ・ルナティック」!!

時代は、1980年の半ば。

そして、その活動が始まってゆきました。

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では、詳しくは次回で!!!















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