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(連載95)自分の作った英語の歌詞をふんわり解説:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2018年

こんにちは。
レ・ソーイング・シスターズという前代未聞の「縫製がテーマ」のバンドをやっているものです。

今回も前回からの続きになりますが、
初めてのアルバムを作ったクロウ話はこちらからです、、、。

バンド活動はすでに2005年くらいからやっているので、作詞の経験はあったのですが、今回はアルバムなので、あとあと残るし、、、ちょっと緊張しました。

しかし。

前回でも申しましたが、たかが、自分の作る歌詞であります。
まず。
絶対にマトモなものでは、ないでしょう。
本人が言うのですから、間違いない!!!

なので、

意味が通じなかろうが、ちょっとぐらい常識的にへんであろうが、
最初から絶対に間違っていると思ってれば、そんなに気にする事はありません。

万が一、どなたかに、指摘されたら、

あっ! 

それ、最初っから狙ってましたんで〜! 

と。

堂々と、のけぞって、上から目線で言えば、いいのです。

そしたら、

かえって、リスペクトが得られる

と、いうのがアートの世界。(コレ、むっちゃ、使える!)


そんなマイナーな間違いよりも、(いや、メジャーかもしれませんが。汗)自分の表現したいものが、ちゃんと表現できているのか、どうか、、、。
そちらの方が1テラ倍、大事です。


では、さっそく、本題の「アルバムの歌詞解説」に入らせて頂きましょう。

いちいち訳してると長くなるし、そこまで、皆様は望んでないと思うので、自分が表現したかった世界観だけでもお伝えできれば、それで十分かと、ふわっ〜と解説のみ、してみようと思います。



基本的にほとんど英語で、書きました。(たまに日本語も出てきますが)

楽曲は、すべて、ミシンのノイズのサンプリングで作った、
ダンサブルでポップな楽曲です。
ですから、縫製作業をしながら、バックミュージックとして、鼻歌として、
口ずさんでもらいたい、

いわば、労働歌

であります。


まず最初の曲から、

I And Sewing Machine

直訳すると「私とミシン」まんまですねー。
これは、実験音楽的に、一定のリズムにミシンの生っぽいノイズ、ピコピコ音と自分のセリフがオーバーラップします。
「私とミシンの世界」を「機械と女」
労働の道具としてのミシン、そして、それはテクノロジーのメタファー。
それにコントロールされている自分との関係性。

「形容詞はいらない、必要なのは動詞だけ」 

労働している自分は、もしかしてAI?なのかもしれない?という、近未来マトリックス的な視点で、ミシンとの関係性を見てみる。

、、、、そんなイメージを表現したかったです。

、、、、が?

そんなディープな内容がこの楽曲に表現されているのかどうか?? 汗 
どうだろなー???
聞いてみてください。(リンクは最後に貼ってます)

されてなかったら、すみません。最初に謝っときます。爆笑


She Sews

これも直訳「彼女は縫う」と、まんまですが、sew の発音が「彼女は見た」の  saw と二重の意味になっているともとれる仕掛け。(の、つもり)
フェムファタール(男を狂わせる)の女性の魅惑的な行動を、象徴的にshe sews という言葉にこめました。テーブルの下というのが、表には出ない裏の世界で、操られて、知らない間に「あなたをダメダメにしてしまうから、気をつけてね〜。」という歌です。

The Needle Is Damaged

直訳「針は壊れてる」ヒップホップ的にこのフレーズを明るく連呼しますが、針というのは、、、うふふ。もう、お分かりでありましょう! 男性とのダブルミーニング。
最後の「あなたの針は大丈夫?」のセリフは、ライブでやるといつも、聴衆に大ウケします。


See You on the Dissecting Table

直訳「解剖台でお会いしましょう」これは、シュルレアリズムに詳しい方は、おそらくニヤっとされたでしょう! ロートレアモンの有名な詩をベースにして、「ミシンと蝙蝠傘が手術台で、官能的に出会う」という歌です。最後のフレーズは、「今晩、お待ちしてます、、、、」

Banality Attack

バナリティアタックとは、自分で作った造語ですが、直訳すると「退屈攻撃」? 心臓麻痺って言葉がありますよね? それは「ハートアタック」ですが、こちらは、自分のクローゼットの中の服があまりにダサい(死語かな?)ヒドくて、死にそうになるっていう歌です。
これもヒップホップでですが、韻を踏むのが大変だった。
redundancy=余剰性などの学術用語?経済用語?を使いたかったので、日頃使わないような言葉で、歌詞を覚えるのも容易ではありませんでした〜。汗

Mothra Girl

「モスラガール」つまり、あの怪獣のモスラですが、あれが、雄か?雌か?っていうと、やっぱ、雌だろうと思って、蛾は、衣服を食べるので、それを女性に見立てて、「モスラガール」としました。
朝食はカシミア、ランチはパシミーナ、ディナーは、ウールの産地、スコットランドまで出掛けて、食い漁ります。
ただし、活動は夜行性なので、朝食は真っ暗な夜、ランチは、ネオンの下で。ダークナイト、ネオンライト、そして、カシミア、パシミーナと、このあたりは、インを踏んでみました。

I Am Sewing

これも、まんまです。ミシンの上下運動と人間の作業の交差点。これはライブでやる時は自分達も実際に立ったり座ったりして、ミシンの動きを自分達の動きに呼応させた振り付けています。
(リハーサルでは、スクワット状態になるので、高齢者には気合のいる楽曲となりました。辛いわ〜涙)

Fashionable Nonsense

「ファッショナブル・ナンセンス」これは、ちょっと説明が長くなりますが。
実は私は、現代思想に少しばかりの興味があり、(本格的に勉強した経験もなく、ビギナー的な本をかじってるくらいなので、あまり他人様に哲学に興味があるなんて、おこがましくって、言えませんが)
実は、死ぬまでに、わからなくてもいいから「ウィトゲンシュタインを読む」という、謎のかくれ目標を持っています。

勝手に目標にされて、めっちゃ迷惑!

なぜウィトゲンシュタインかというと、彼のお兄さんが、片腕のピアニストで、それでも演奏できる楽曲を、私には他人とは思えないモーリス・ラベルに発注したからです。(どんどん、話がそれるので、もうこれ以上やめときます)

で、話もどります。
このタイトル、「ファッショナブル・ナンセンス」ですが、その現代思想界でスキャンダルとなった「ソーカル事件」というのがあって、これは最近の哲学者が数字などを引用する流行を批判している本。
その本のタイトルを頂戴したというわけです。
歌詞は、フランスの哲学者「モードの歴史」のロラン・バルトに学んで、ファッション雑誌の中のテキストを部分的に取り出してつなげました。

Tailor-Made

お人形をハンドメイドで作る職人、そのハウツーを歌詞に。
子供番組のように、歌いながらみんなで、作り方を学びましょう
「ステップ・ワン!」と、一見、楽しげな楽曲なのですが、実は、もとのネタは、世紀末のSFホラー、リダランの「未来のイブ」で、小説では科学者ですが、それをテイラーにした。
(ま、同じメンタリティーだろ?と思って。苦笑)

サビの部分で、want, make, love という三つの言葉を並びかえて、
テイラー誰もが皆、彼女(人形)を作った (want to make her)
テイラー誰もが皆、彼女を作る事を愛した(love to make her)
テイラー誰もが皆、彼女と性行為をした。(make love to her )

と、フェチ的な言葉の取り替え遊びになっておるのです!

変態であろうが、なかろうが、
最後のサビの部分は、皆さんで大合唱!!

この大合唱のところも、ほんとだったら、人をたくさん呼んでレコーディングするのが、筋だとは思いますが、なんせ、自分ちのクローゼットで録音をやっているボッチ系音楽家です。相棒のさおりちゃんにも手伝ってらったものの、ほとんどは自分でやるしか、チョイスはありません。

子供の声、大人の声、お婆さんの声、おじいさんの声、
フィルターでいろいろといじって、それ風に出来なくもないのですが、
それでも、録音の時に、ある程度は工夫してないと、平面的なボーカルになってしまうと思って、

ここは、自分で出せる声への挑戦状!!を、自分に叩きつけた。


で〜〜〜ん!!

自分で、子供になってみたら、どんな声? とか
子供番組のお姉さんように歌ったら?どうか?
オペラ歌手みたいにお腹から声だしてみたら?とか
日本語訛りや、イギリス風な英語にしたら?
セクシーな囁き系(セルジュ・ゲンズブール)だったらどう?とか。
演歌歌手のように怨念を溜め込こんだら、声がどうなるか?
三輪明宏さんだったら、どういう風に歌うだろう?とか

まあ、いろいろと考えましたぁ〜
そして、それらのトラックをここに全部を重ねてみました。

目的は達成できたかどうか?わかりませんが、プロデュースしてくれたアダムにこの音源を渡したら、これ全部自分でやったの?と、ちょっとあきれてた、、、。苦笑

フェチなテイラー達が、人類愛を歌いあげる。
国を超えて、大人も子供も、お父さん、お母さん、お婆さん、おじいさん、女子、男子、性別をこえたLGBDQも、さあ、みなさん、ごいっしょに!!

ベートーベンの第九のように、人類万歳!!!!


そんなアルバムの終わり方です。

ここで、楽曲を聴けますので、興味のある方は是非!!

このリンクの真ん中あたりに、
ブルーで、Buy Record/Vinyl とあります。
ここの楽曲のタイトルをクリックしていただけば、曲が聴けます。
聞くだけなら、無料ですので〜!

https://lessewingsisters.bandcamp.com/album/les-sewing-sisters


それでは、今回はこの辺で!

L*





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