ポジティブシンキングを誤解していた話
ポジティブシンキングとは何でしょうか?
勝手な想像で、適当なことを言うと、ネガティブな考えが出た時に無理やりポジティブに考え直すことことを言うのだと思っていました。
当然のことながら、ネガティブ思考は心を鬱屈とさせてしまうし、自分のダメさ加減を自分に沁み込ませ、生きていても仕方ないとまで思わせる劇薬に他ならないです。
それを避けるために「ネガティブなのはダメ!ポジティブにいないと!」と、自らを奮起させてポジティブに物事を考えようとします。
多少なりともネガティブの悪影響を客観的に考えたことがあれば、これくらいのことは誰でも思いつくことでしょう。
しかし、人の頭、思考パターンというのはそう易々とは変わってくれなく、ポジティブに考えようとして無理をしている自分にさらに嫌気がさしてくるものです。
ポジティブシンキングと言いつつ、またしてもネガティブシンキングが帰ってきて、結局躁鬱みたいに、調子がいい時、悪い時みたいな状態をグラグラと歩み続けてきた人もそれなりにいることでしょう。
さて、いきなり結論に入りますが、こうすることは別にポジティブシンキングではありません。
こうやって不安定な状態を繰り返してくるとそのうち思い始めることは「ポジティブシンキングなんてクソだ。人生の足しにも何にもならないじゃないか」と思うのが大半でしょう。
私もそう思っていました。
実際のポジティブシンキングは全く別のもので、そのキーワードはリフレーミングとクリティカルシンキングです。
リフレーミングとは
日本人はよく自分を卑下した自己紹介をしがちです。
「うちの子ったらいつも寝すぎちゃって~」
「最近太り気味で~」
などなど、自分を下げて雑談を始める場合がほとんどです。
それなりに雑談の経験があるのであれば
「寝坊ばっかする悪い奴ですね」
「ホント太ってるね」
なんて返しをすると不興を買うであろうことは理解できることだと思います。
そこで役に立つのがリフレーミングです。
「あら、よく寝てよく遊ぶ子供らしくて立派じゃないですか~」
「たくさん食べれて健康的ですね~」
と、他の側面を押し出して会話を円滑にするのが、リフレーミングです。
クリティカルシンキングとは
日本語でいうところの批判的思考のことを言います。
つまり、一つの事実に対して、「それは本当に正しいのか?」「別の条件でも同じような現象が起きるのか?」といったいわゆる常識を疑う思考方法のことを指します。
すなわちポジティブシンキングとは
ネガティブ思考に特化した、リフレーミングとクリティカルシンキングの合わせ技です。
「あぁ、俺はダメなやつなんだ」という自身の内なる声に対して、
「ダメなやつってなんか根拠あるの?」
「その場面が苦手なだけで、別の場面なら上手くやれるんじゃないの?」
などといった、疑問を投げかけ、副産物(リフレーミング)に焦点を当てることがポジティブシンキングの正体です。
このポイントは、心の内から現れるネガティブ思考を真っ向から否定しないことです。
内心というのはどうしても漏れ出てしまいます。
思考や感情というのはやめようと思ってもやめれるものではありません。
なぜなら、思考や感情は性格から表出したものであり、性格は遺伝や環境から発生したものだからです。
その内心を無理やり抑え込もうとしても、空気を入れ続けた風船がいずれ破裂するように、いつかは必ず表出してきてしまいます。
故に、ネガティブ思考を受け入れて、そのネガティブ思考の側面に良いところを探し、ネガティブ思考を加工して役立てることこそがポジティブシンキングの真骨頂であると考えられます。
ネガティブであることを諦めないでください。
その性格、感情、気質を大事にして、また明日に向かって走り出しましょう。
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