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ゲッベルスと私

映画「ゲッベルスと私」を日曜日に映画館で観てきました。

はい、ゲッベルスという時点で戦争(第二次大戦)関連なのですが、正直ぼくは戦争モノとカテゴライズされる作品はそこまで好きではなくて、そんなに数は観ていません。

それでも昨年は「ユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~」を見たようになんだかんだで年一くらいでは見ているような気もします。

やっぱり重いんですよね、ズシンとくる。

アントニーナは主演ジェシカ・チャステイン(もはや怪優といってよい凄い役者さんだと思います!大好き。個人的には「ヘルプ」で演じたフラッパーの役での優しさや儚さが真骨頂と思いますが、デル・トロ監督作品「クリムゾン・ピーク」での大暴れっぷり(何故この映画ヒットしなかった!??)や、「女神の見えざる手」でのしたたかな逞しさが見応えあり。「ゼロ・ダーク・サーティ」も広義においては戦争モノになるのかもしれません。残酷なシーン、目を背けたいシーンもあるけれど多くの人に見てもらいたい作品ね)の力業で押し切る感じもあったので、エンタテイメント性も高い作品ではあったものの、やはりこれが実話に基づいているんだよなあという悲しみね。

戦争モノとされる作品では「アイアン・スカイ」のような感じだと楽しんで見られるけれど、他はなかなか。

という中で、自発的にこれは行きたいなと思って観に行った本作「ゲッベルスと私」

ナチス・ドイツ政権下において権力を手にした宣伝大臣ヨゼフ・ゲッベルスの秘書をしていた(とされる)一人の老婆の独白。

そこに挿入される映像がやはり辛い。

齢103歳という女性が生きている内に語る出来事が、全てどこからどこまでが事実だったのかも分からないけれど、明瞭な話し方から察するに…

いろいろやりきれない思いばかりが積み上げられていく内容。時代の狂気を淡々と語り尽くすんだけど。。

「なにも知らなかった、私に罪はない」

それがどこまでの真意を持っているのか、知らなければ全てが是なのか。結構なことに目を瞑り知らなかったと言っているだけかもしれなければ、本当に何も知らなかったのかもしれない。それは他人には分からないこと。

果たして、時代の激流に呑まれてしまったその時に人は何が出来るのか、何も出来ないのか。

最後に彼女の発した言葉が印象に残ります

「神は存在しないけど、悪魔は存在する。正義なんて存在しない」



【作品情報】

ゲッベルスと私  原題:A German Life

2016年 オーストリア ブラックボックスフィルム 113分

監督 クリスティアン・クレーネスほか

出演 ブルンヒルデ・ポムゼル

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