選択するときのクセ

とある喫茶店に初めて入った。その時、店には店長さんと私しかいなかった。

そのお店はコーヒーがおすすめらしく、それを注文するつもりだった。しかし、急にお腹が張ってきたので、注文しようかものすごく迷った。(私はコーヒーをたくさん飲むとお腹を崩しやすい)

悩みすぎてなかなか注文できずにいると、店長さんが「コーヒーはお好みの淹れ方で提供できます」と声をかけてくれた。
やはり看板メニューだから、それを頼まなければ、店長さんは悲しむかもしれない。せっかくおすすめされたのに頼まないなんて冷たい人間だと思われるかもしれないと思った。

店員さんは、コーヒーを必ず注文するようにゴリ押しして言ったわけではないのに、無意識に自分の頭の中で勝手におすすめを頼まないといけないと考えてしまっていた。また、おすすめのメニューというものは、きっとおいしいに違いないから、頼まないなんて損だなとも思った。

途中で冷静になり、体調を崩したくなかったので、悩みに悩み、自分が本当に注文したかった温かいお茶を注文した。

注文したものは、とてもおいしくて、やっぱり自分の注文したかったものを頼んでよかった。


注文した時のことを振り返ると、①他人の反応を気にして、相手に嫌われたくない思いがある、②損をしたくない、③おすすめは食べるべきだという「べき(固定観念)」ということと、「今の自分の気分や体調的にお茶が飲みたい」という葛藤があった。

実際、コーヒーを注文しなくても、①店長さんに嫌われてはなかったと思う。第一、喫茶店の客でコーヒーが苦手や飲めない人はいるだろうから、コーヒーを絶対注文しなきゃいけないわけではない。②お茶も美味しかったから、損はしていない。お腹の調子を悪化させるなかったから、お茶のほうが自分にとってよかった。③おすすめは必ずしも食べないといけないわけではない。おすすめが苦手な食べ物でも食べないといけないかというと、そういうわけではない。

今回に限らず、何か選択するときに、「損してないか」と「こうするべき」ということを無意識に考えてしまいがちだ。どうして自分の気の向く方より、「損得」や「〜すべき」を重視してしまうのだろう。

#エッセイ #悩み #心 #考え方




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