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いまだにトラウマだよアキラ

いやはやアニメ映画の金字塔
ジャパニメーションの先駆けともなった
映画「アキラ」
小学低学年かな?家族に混じって見てました
当時はリアルタイムでなくビデオレンタルでした
VHS📼てやつです。そして

トラウマになりました。

そうです
もれなくトラウマです
すべからくです。
グロテスクなシーンと暴力的なシーン
手塚アニメやディズニー映画が夢と希望なら
アキラは、アニメじゃやっちゃいけない表現全てやった感じ。
特に鉄雄が暴走して肉塊になるシーン
子どもには刺激が強すぎた…
アングラ文化の総大将。
年の離れた兄貴は子どもの頃見に行った映画が「死霊のはらわた」だっていうんだから、まあそんな家族だったわけです。変わってますよねー

それで肉塊暴走シーンがトラウマとなり
2度と見たくないと誓った幼少期でした
どこかの番組でもアキラを絶賛する特集組まれてたけど、あれのどこが良いんだ?とも思ってましたし。
超能力が目覚めるきっかけがドラッグっていう発想とか、今までにない超能力バトルものですよねーとか番組で語られてました。そんな記憶…
へー、そうなんだ。
世界初の?
日本が誇る?
アニメ映画?
あのグチョグチョオバケ出てくるのが?
ふうん…
という感じでした。当時は。

しかし

そんなこんなで
中高生となった頃に変化が起きます
あんなに苦手だったアキラが…アキラが
なんか魅力的に感じてきたのです

毒が裏返るように

トラウマが裏返った…

金田のバイクカッコいい
鉄雄の超能力シーンカッコいい
戦車の場面、メカニックの表現カッコいい
背景の描写が細かい。超絶技巧

さらに鉄雄の暴走して肉塊ビチャビチャシーン
アレ原作漫画見て気づいたんですが
鉄雄が巨大な赤ちゃんになっていくんですよね

アレって赤ちゃんだったんだ…


(ザーボンさんや北斗の拳のアベ氏かと思ったよ)
そんな折、
トラウマがムクムクと姿を変え、
アキラの魅力に気づいたとき、
自分の中に多大な影響を与えたのかもしれない?
そう思い至るようになり、
今の表現の原点になってしまいました。
じゃあアキラの魅力って?

具体的には「ボロイズム」


(安心して下さい造語です)
ボロい+イズム=ボロイズム

アキラは荒廃した世界でメカニックも傷があったり一部壊れていたり服もボロい表現が多いんですね。
だがそこがいい。
「ボロい」という表現でリアルさを押し出してるんですねぇ。
ロボットやメカだってちょっと当たれば傷がつく。そこにリアルさを感じるし、傷や凹みがあることで立体感や存在感が強まるんですよね。
未来のメカは綺麗である。そんな固定概念を覆したのかもしれません。壊れてなんぼって感じ。

そしてなんと言っても

あの壮大なスケール感。


アキラの作者、大友克洋先生はフランスの漫画家メビウスに多大な影響もらってるらしいし
荒涼とした背景に人物がポツンといる、そんな世界観作りが上手いんですよね。
その背景の作り込みも素晴らしい。
そしてそして

あのヌルヌル動く感じ

当時はCGでなく全てセル画いわゆる手描き。
それでもヌルヌル動きます。凄まじく滑らかに動きます。動きに破綻がない。
金田の口元なんかウナギみたいにヌルヌルです。

金田「やっとエンジンのコイルがあったまってきたところだぜェ」

いやカッコいいだろそのセリフ。
原作マンガの「俺たち健康優良不良少年だぜ!」もイイんですけどね。
確か声優さんの口の動きを撮影して、あとからアニメに落とし込んだとか。
セル画で仮の映像に声優さんがアフレコして、それをビデオ撮影して、アニメーターの方が口の動きをトレースして、そこからまたセル画に落とし込む。そいう技術使ってたみたいです。うる覚え。
大友先生も「初めで最後、二度とやらない」というくらいの手間がかかったみたいです。
よく完成させたな…
そんな狂気の沙汰とも言える当時の最新技術を駆使してるわけですから、魅力的なのも頷けます。
むしろトラウマなのは関わったスタッフだったりして。狂気の悲鳴が聞こえて来そうです。
呪いの映画かな?

えーとちなみにですが
アニメ映画には登場してませんが漫画原作に出てくる「炭団(たどん)クン」も個人的に好きです。

炭団クン


自衛軍(アーミー)の最新兵器、とかそんな設定だったかな。
初登場は自律型ロボットなのに、主人公の金田たちにやっつけられ、結局巨大ラジコンカーになるとことか爽快です。
最終的に丸い部分が取れて脚だけの乗り物になり、金田から「意外に速いじゃんこの下駄(ゲタ)」と言われてしまう。
炭団→走るコタツ→走る下駄…
とネーミングが変化します
めちゃくちゃメカニカルに設定も細かく作り込まれていて存在感もあるロボットなのに、
適当なネーミング…
そんなユーモアあるとこが面白いんですよね。
セリフの言い回しのセンスが素晴らしい。
ちょっと、いやだいぶ皮肉れてるとこが大友節の真骨頂なんだなと気付けたわけです。

気になる方はぜひマンガ原作もチェックを。
本のサイズと厚み、見た目からして
狂気の沙汰ですよ。
もちろん褒め言葉です。ええ

そんなアキラが自分の原点になってしまっている。悲しいような嬉しいような。
もちろんガンダムやエヴァやその他アニメや漫画も通ってきましたが、芯の部分に近いところにあるのがアキラなのかなと思います。
厳密にはリアルタイム世代ではないですが、逃れられない宿命のようなものも感じますね。

ほぼ呪いですね笑

おそらくこれからもマンガは描いていくし
イラストも描きます。
アキラの影響から逃れられずに…
だがそれがいい。それでいい…
あ、ジョジョも好きです
クリエイターやアーティストって
他のものから影響受けちゃうもんでしょ
そんなもんですよねきっと。ええ


#映画にまつわる思い出

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