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読めばかんたん!まるわかり!ラグビー観戦note

いよいよ始まりましたラグビーワールドカップ2019日本大会。
盛り上がってないとか、よくわかんないとか、大丈夫なのとか、色々ネガティブな言葉が飛び交っています。私も不安です。が、今まで見たことないよとか、見てもよくわかんないからTV消しちゃうよとかいう人も、今回だけはせめてテレビで何試合かは見てほしいなとは思っています。

見てほしいというからには見方を伝えないとと思い、筆を執りました。たくさん初心者向けの本は出ていますが、どれもわかりにくいですよね。経験者の自分が読んでもよく分からない本が多いので、なるべくシンプルに原則だけを書きたいと思います。よかったら最後まで読んでくださいね。

ラグビーは本当にいくつかのシンプルな原則で出来ているだけなので。

1.すべては「公正(fair)」な「競争(contest)」のために 

2.ボールが常にプレーヤーの頂点になるので、すべての起点はボールになる

3.キックは例外

この原則が頭に入っていると、ルールを覚えなくても大丈夫です。簡単なので読んで理解してくださいね。

1.すべては「公正(fair)」な「競争(contest)」のために  

ラグビーの特色の一つに攻撃側がボールを手で持って移動できるということがあります。攻撃側がボールを持って移動することが出来るルールであるため、守備側はミスを待っているだけではボールをなかなか奪還できません。どこかのタイミングで攻撃的にボールを奪いに行く必要があります。必然的に接触が生まれ、争奪戦  (contest) が起こります 。

でも、ただ取り合うだけではボールゲームではありませんよね。ボールゲームとして、してはいけないこと、反則を定めないとゲームとして成立しなくなります。

このボール争奪戦  (contest)を保証するための規則もシンプルです。

攻撃側はボールをもって前進する、守備側はボールを奪還するにあたって、ズルをしないということです。細かい規則はルールブックによるのですが、攻撃側はボールを持って前進する原則から外れる行動をすると守備側のボールになってしまいます。守備側はボールを持って前進する相手を、ルールに定められた奪還行動以外で邪魔した場合、反則を取られてしまいます。

おもしろいのは、反則などによってプレーが途切れた後の再開の仕方です。ひどいタックルで相手を倒すなどの重い反則には、サッカーなどと同様にペナルティキックが与えられるのですが、前にボールを落としてしまうミスのようなものは「スクラム」からの再開となります。

スクラムは、バスケットのジャンプボールのように、再開するためにフリーの状態からボールを競り合う仕組みのことです。バスケットとの違いは、ボールを投げ入れるのが審判ではなく攻撃側であることです。少しだけ攻撃側が優位になっています。フィールドの外側にボールが出た際に行われるラインアウトも同様です。

あくまでも推測ですが、ボールを持っていない守備側の方が接触時は有利なため、バランスをとるために少しだけ攻撃側が有利になっているように思えます。その辺もラグビーの特徴かもしれません。単なるミスは挽回するチャンスがあるとも言えるので、その辺も競技の思想なのかもしれません。

ともかく、この競技の規則を貫いているのは、「公正」な「競争」という概念です。
ラグビーには定められたルールの中で許される自由があり、罰則があります。どの競技でもあるだろうという声も聞こえますが、ラグビーはかなり選手側の裁量が大きいように感じます。ルールも慣習法に則っているので、明確ではありません。

個人的には、ドリブル移動を義務付けるなど行動の難易度をあげる規則でプレーさせるのではなく、選手に自由な裁量を与える代わりに手続き的なところで平等を図っているのがラグビーなような気がします。

また、この「公正」な「競争」という概念は、フェアプレー主義に支えられています。フェアプレー主義についてはラグビーが紳士のスポーツだからというより、競技の生まれた時代の影響が強いと言われています。イギリスのパブリックスクールで強い力を持った筋肉的キリスト教思想がその出自に深く関連していると言われています。なのでラグビーだけでなく、サッカーなどにもフェアプレー主義は強い影響を与えました。筋肉的キリスト教については、下記の映画や小説などを参考にしてください。


よくラグビーは前に投げちゃいけないだけの簡単なスポーツだよという人がいます。確かにその通りです。手で持って前進して進むのが原理・原則なので、前に投げたりしては前提が崩れてしまいます。

守備の側から考えてみます。後ろにしかパス出来ない、ボールが進まないのだから、守備側が攻撃側に入り込み妨害したらどうでしょうか?手で持って前進して進むのが難しくなりますよね。

攻撃側がボールをもって前進するという原理・原則を守るために、自然とオフサイドとなる地点が設定されます。ボールが接点になるので、そこが頂点になり、攻撃側・守備側にラインが出来ます。

2.ボールが常にプレーヤーの頂点になるので、すべての起点はボールになる

サッカーと違いラグビーはラインが二本しかありません。

サッカーのフォーメーションは4-4-2や4-3-3などと表記される3列のラインで構成されることが多いです。ラグビーは攻守一本のラインずつになります。ボールがあるところでだけ、ボール獲得競争が起きるからです。

(最近ポッドという戦術が出来、集合の仕方で表記するケースもありますが、ここでは原則のみ話していきます)

上の動画を再生するときれいなラインが2本出来ているのが見れると思います。

原理・原則から選手構成もプレーも決まる!

相手が守備をしている中で、ボールを保持したまま前進するにはどのような方法があるでしょうか?

答えは二つ。相手がいないところを攻めるか、相手ごと押し込んでいくかの二択です。その選択肢を実行するために、二種類のタイプの選手が用意されています。力仕事をするフォワードと走力に長けたバックスです。

すべてはボールを持って前進することから必然的に導かれています。

3.例外はキック

前進する方法は他にも一つだけあります。前へのパスは禁止されていますが、キックは出来ます。相手側にキックを蹴り込むのです。

ただこれにはマイナスな点もあります。相手に向かって蹴り込むので、自分たちのボールではなくなることが多いです。なので、せっかく手に入れた攻撃する権利の象徴であるボールを手放してまで前進したい場面で蹴ることが多くなります。

けれども今回の日本代表は、このリスクのあるキックを戦術的に積極的に取り入れています。あえて相手ボールにしたり、味方が間に合うところギリギリにキックしたり、リスクをとって攻撃的に攻める戦術を取っています。このリスク管理も今大会の見どころかなと思います。

先ほどペナルティの話もしましたが、ゴールキックも試合を左右する重要な要素です。確実にキックで加点するスタイルのチームもあります。前回大会では五郎丸ポーズで有名になったので、みなさんゴールキックはお馴染みだと思います。

また動画のように、反則がもらえなくても、地面にワンバウンドさせてからH型バーの上に蹴りこむと得点になります。相手の守備が固いときは、前進しなくても、このキックで得点を取ることが出来ます。今大会は増えるのではないかなと思っています。

キックでのスコアは、ラグビーがフットボールであることを思い出す瞬間でもあります。

4.まとめ

簡単にといって始めましたが、結局、長くなってしまいました。すいません。でも3つの原則がわかれば、なんとなくでもテレビ観戦できると思いますので、ぜひ見てみてくださいね!

1.すべては「公正(fair)」な「競争(contest)」のために 

2.ボールが常にプレーヤーの頂点になるので、すべての起点はボールになる

3.キックは例外

では!がんばれ日本!で締めたいと思います!

がんばれ!日本!!
目指せベスト8!!

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