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3年以内に失敗する飲食店の4つの特徴

こんにちは、飲食店支援会社のCAROT嶋田です。

料理人→営業→WEBマーケ→コンサルタントの流れでキャリアを歩み、
現在は飲食店向けのお仕事をしています。

私にはビジネスにおいて大切にしている考えてあります。

打席に立ち続け、諦めずにバットを振り続ける事さえできればいつかヒットは出る。という考えです。
どういう事かというと、ビジネスっていうのは絶対成功するものなんてなくて確率論であって、何回チャレンジできるかが重要だと考えています。

何十回もチャレンジすればどこかで当たる。
「死なない事=廃業しない事」
「チャレンジ=バットを振り続ける事」

実際に新規事業や新規ビジネスの成功確率は10%、逆を言えば90%が失敗に終わります。


3年以内に失敗する飲食店の特徴を聞いていただき、
バットを振り続ける事でいつか大きなヒットやホームランを打っていただきたいと思います。



3年後には40/100しか生き残らない



いきなりですが、飲食店はめちゃくちゃ廃業率が高いです。

飲食業界の廃業率
1年後:30%(生存率70%)
2年語:50%(生存率50%)

3年後:60%(生存率40%)
10年後:95%(生存率5%)

情報元URL:https://www.unchi-co.com/kaigyoblog/insyoku/haigyo.html

はじめて目にする方にとってはびっくりの数字かもしれませんが、3年以内の廃業率は60%です。つまり、100店舗出店したら3年後は40店舗になっているという計算です。

まず、ここでお伝えしたいのは飲食店は生存競争が激しい業界という点です。
誰もがチャレンジできて華やかで楽しいイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、言い換えれば参入障壁が低くプレイヤーも多い業界。
顧客の奪い合いになりやすく、他のお店と大きな差別化ポイントがなければ価格勝負になり薄利な商売になってしまいます。

このトラップにハマってしまうと、経営者自らが現場に立ち続け、少しでも人件費を安くするために自ら朝から晩まで仕事をして「とにかく安く!」を追求して利益を上げる。というサイクルになってしまいます。

こうなってしまうと苦しいです。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

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自分だけの経験は(時間、体力、資金など)は限られいるので、自分で初めて経験することでも、過去にもは類似したことが起きており、それを先人たちはどう考え対処したかが記録されています。
そこから学ぶことによって、あらかじめ失敗しないようによりよい判断をするという事です。

皆さんが打席に立ち続けられるように失敗してしまう特徴を勉強していきましょう!!



1.コスト構造の設計で失敗している



商売は最終的には数字です。理由は売上も利益も仕入れた食材のお支払いもすべてお金=数字だからです。だから数字で考える事が大切です。下記は売上300万円で赤字のケースです。

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上記を簡単に説明すると月間300万円売上を上げているが、277,600円の赤字が出ている状況です。
なぜ、このようになっているかというとFL比率が高すぎるからです。

FLとは
Fとは「food(材料費)」、Lとは「labor(人件費)」です。一般的には売上に対して「FL」で50%~60%で収めましょうと言われています。
例えば、月商300万円の飲食店だった場合150万円〜180万円が材料費と人件費という計算になります。

今回のケースでいうとFLが73.3%と目安50%~60%と比較するとかなり高く、構造的に利益がでにくい設計になっています。

業態別の適正FL参考
フーズチャンネルというWEBメディアで参考の数値があったので紹介しておきますね。

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飲食店経営に欠かせない、FLコストとFLコスト比率とは?業態ごとの適正値管理を解説



2.現金商売のトラップ



飲食店
ではご来店いただいたその日に手元現金が増えます。昨今、電子決済やQR決済などが登場してきてはいますが、1週間〜2週間で入金されるものも多く比較的に現金化=キャッシュインが早いのが飲食店の特徴です。

更にいうと食材業者への支払いは月末締めの翌月末で調整する事もできます。極端な事をいうとお金がなくても材料を仕入れる事ができて、支払うまでの期間に現金化すれば業者への支払いもできるということです。

他業界
では、例えばシステム開発や建設業は先にシステムや何か作業を行って後から入金があるような商売だと、入金が1ヶ月どころか、数か月、1年以上かかることすらあります。

その間、従業員に対する給与などの支払いは先に発生するわけですから、資金繰りはかなり厳しくなります。その点、現金商売では、回収を待つストレスはゼロという点においては現金商売はメリットがあると言えます。

業績を見るべき
しかし、だからこそ陥りやすいトラップ(罠)があります。

毎日ちゃんと現金が入ってきて、給料日になったら従業員に支払いをして、翌月になったら業者にお金を振り込む。融資で借りたお金も毎月返済できていて何とかやっていけてる!と思っていたら危険です。

手元現金が今あっても損益計算書上では月次で赤字が続いている。この状態になっている飲食店が多く、これだといつか歯車が回らなくなります。
今までは問題なく払えていたのに、気づいたら翌月分の現金がない。みたいな状況になりかねませんl

つまり、ちゃんと業績把握をしましょう。どんぶり勘定はいけないという事をお話したいのですが、この話をするとここだけで話が終わってしまうので改めてお話をしたいと思います。



3.お金を借りたい時に借りられない



黒字倒産という言葉をご存知でしょうか。

飲食店が廃業する時は売上が低くなった時でも、利益がでなくなった時でもありません。数年間赤字だったとしても生き残っている企業はたくさんあります。

キャッシュがなくなった時に潰れる

前にお話をしたように飲食店は現金商売、比較的資金繰りをしやすい業界と言われてきました。新型コロナウイルスの影響もあり、この点については必要性を感じている事業者様も多いのではないでしょうか。

地銀とも良い関係を持つべき

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こういった時に補助金や助成金、政策金融公庫の追加融資を活用するのはもちろんです。
しかし、地銀からの借入を検討してみるのも良いかもしれません。地銀が融資する際の主なポイントとして、どれだけ地域経済に貢献しているか、どれだけ地域に雇用を生み出しているかという点も見ると言われています。
飲食店は地域に根ざした商売で具体的に物がある商売なので地銀との相性は良いです。
しかし、今回のように経営が危ない時に借入を起こそうと思っても中々難しいです。
そうならないためにも、経営が安定している時に「運転資金」または「設備投資」を目的とした借入を地銀から行う事によって取引実績と信頼を構築し、本当に借りるべき時に借りられる状態を作っておく事が重要と考えます。

何かあった時にちゃんと借りられる状況=信頼関係を構築しておく。これも立派な経営者の仕事だと考えます。



4.集客に戦略がない



集客戦略とは「グルメサイトに掲載」「Instagramを活用する」「より美味しい物を提供する」「接客を工夫」するといった事はもちろんですが、もっと根本の事を考えるべきだと考えています。

【ランチの戦略設計イメージ】

客層:地域で仕事をする30代〜40代の女性
職業:営業事務・その他事務系
予算1:コンビニ500円程度
予算2:テイクアウトで500円〜750円
予算3:飲食店で800円〜1200円
頻度:基本的にはコンビニか近くのテイクアウト弁当。週に1回、多くて2回は会社の人とランチに行く。
悩み1:●●地区はカレーや揚げ物、テイクアウトでも丼物などのこってり系が多いもっとさっぱりしたいものが食べたいと事前のインタービューで発見。
悩み2:コンビニやテイクアウトだと社内でリラックスして食べれない。1人でも行けるカフェみたいな落ち着いたスペースで健康的なランチがしたい。
メニュー案:パワーサラダやパスタセット(オリジナル感)を出したセットメニュー。
集客施策:ランチだけのInstagramアカウントを構築。日替わりランチメニューなどを紹介。定期的なクーポン配信をInstagramで紹介することで、新規来店だけでなくリピート促進を狙う。
友達登録施策:登録するとメリットのある特典を考えPOPを作成、トイレやレジ脇に置き、かならず登録のお声がけをするルールにする。

特に大切な事は「誰に」を決める事だと思っています。

特定の人にぶっ刺さるメニューを作れ
商売は「誰に」「何を」「どのように提供」するかです。
この誰にの幅が広いと無難な誰もが好きそうなメニューになってしまいます。こうなると他の飲食店(とくにチェーン)との差別化が難しくコスト競争に落ちいってしまいます。なのでメニュー戦略は特定の「層」(できれば具体的な名前が浮かぶくらい)にターゲットユーザーを絞り込んで考える必要があります。

どうやってお客さんを絞り込むのか(ペルソナ設計)
飲食店ではメニューありきでお客さんが後から結果としてついてくるケースが多いです。つまり、細かいユーザー調査をしている時間も人もいないので理想ではありますが、そこまでやるのは非現実的といえるでしょう。
では、どうしたら良いかというと、

お客様へのインタビューが一番だと思います。

これは、経営者がやるべき仕事だと考えています。
日頃来ていただいているお客様にお声がけをしても良いですし、インタビューシートを作成して回答しても良いと思います。

・100点中何点か?
・何があったらよりよいか?
・なぜこのお店を知ったのか?
・差し支えない範囲で年齢層は?
・普段利用しているグルメサイトは?
・そのグルメサイトの良い点は?
・普段利用しているSNSは?
・SNSで見かけてクーポンを使った事はありますか?
などなど聞きたい事は山程あると思います。

サービスを利用していただくのも、評価するのもお客様。だとしたら、ダイレクトにお客様に聞いてみるのが一番だと思います。

そうやって、ご来店頂いているお客様の層を明確にしていき、特に利用して頂いている層をペルソナとして捉え、その方々にマッチしたメニュー、接客、グルメサイト、SNSを軸として集客戦略に落とし込んでいく事が中小零細の飲食店にはマッチしています。

ここでお伝えしたい事は、

徹底的にお客様の声をヒアリングし顧客層を明確にする事。

生き残っている飲食店は常にお客様の立場で物事を考えている印象があります。
お客様の立場になって考え尽くす事、これが集客戦略である。というのが私の考えです。


飲食店の経営者様にお伝えしたい事



ここまで長々と話をしてきて結局何が言いたかったんだって話になりますが、私はたぶんこの業界が好きなんだと思います、(汗)

素晴らしい技術を持った方々、これまで飲食業界で独立に向けて頑張ってきた方々が、こういった事でつまずいて数年間でこれまでの夢を諦めざるをえない状況になってしまうのは本当に苦しい。

私が見てきた事、知っている事が少しでも皆様にとってプラスになるようであると本当に嬉しいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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CAROT株式会社
代表取締役 嶋田 光宏

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