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北海道上砂川町を踏破<日本全市町村踏破>

前々回、前回の投稿で、空知北東部の沼田町、妹背牛町を踏破した。次は、40kmほど南下し、空知中部の山間にある、上砂川町へと向かう。

上砂川といえば、旧上砂川駅。また駅か、と言われそうだが、ここは上砂川町における最大の観光名所と言っても良い場所だ。

それは、ここが80年代半ばに放映されたTVドラマ「昨日、悲別(かなしべつ)で」のロケ地だからである。当時まだ営業していた上砂川駅が、悲別駅としてドラマに登場したようだ。

実は、「昨日、悲別で」というドラマは、ここを実際に訪れるまで知らなかったのだが、「悲別」という地名は、私が大学3年のとき(1997年)、自転車にテントを積んで野宿しながら北海道を一周した際に、旅先で出会った人から聞いたことはあった。それ以来、北海道のどこかにそういう地名の場所があるものだと思っていた。

しかし、「悲別」というのは、ドラマ内の架空の地名である。そのことを、ここを訪れて初めて知った(苦笑)

駅舎内には、ドラマに関するものや、廃駅前に駅で使用されていたものなどが展示されている。そして、BGMも流れていた。そのうち、それが聞き覚えのあるフォークソングに変わった。ん?この曲何だっけ?と思い、歌詞を検索したら、「風」や「かぐや姫」が歌った、「22才の別れ」だと分かった。ああ、確かにそんな曲名だった。そして、この曲が、「昨日、悲別で」のエンディングテーマとして使われたという事だった。

懐かしい曲。懐かしいといっても、私が幼児か小学生くらいの頃に、兄が聴いていたか、TVから流れていて、無意識に聴いたものだが、それだけに、記憶の深層が、温泉でも彫ったように一気に飛び出た感じで、少なからず衝撃であった。ドラマは全然見た事はないけれども、曲自体は懐かしく、パッチワークのような断片的な記憶や知識が、一つながりの体系化されたものになったような感じであった。

駅舎内には、いくつかのポスターが貼られていて、中には国鉄時代のものもあった(「旅行口座」のポスター)。JR移行後のものだが、オレンジカードのポスターもある。昔何枚か持ってたなあ。ポスターは原宿駅での撮影とある。バブル真っ盛りの頃だろうか。色々と感慨深い。

駅の裏側には、旧型客車と貨車も置かれている。客車はスユニ60、貨車はヨ8000。

駅の近くある上砂川町の観光案内。かつて炭鉱で栄えた町で、それを記念した資料館があるようだ。炭鉱で栄えたからこそ、ここまで鉄道が敷かれたのである。上砂川駅は、函館本線上砂川支線の終着駅であった。

その炭鉱跡を利用して、地下無重力実験センターという施設が置かれた。飛騨の神岡鉱山の跡地に、宇宙素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ」が置かれているのと同じようなものだろう。しかし、その実験センターも閉鎖され、併設されていた「無重力科学館」なるものも閉鎖されたようだ。それだけに、上砂川町の数少ない観光資源として、上砂川駅(悲別駅)は重要なのである。

駅近くの、上砂川市街。街並みにも、どことなく昭和感が漂っている。

空知総合振興局、残り4市町。

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