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鹿児島県三島村を踏破 その2<日本全市町村踏破(制覇)>

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2017年12月30日、鹿児島港からフェリーに乗り、南方約100km、鹿児島県鹿児島郡三島村の竹島に着いた。
ここで約15分程、乗客や乗降や貨物の積み下ろしがあり、12:45に、再び出航。
竹島を出ると、すぐに硫黄島が見えて来る。

竹島が遠ざかって行く一方で、硫黄島がどんどん近付いて来る。

硫黄島は活発な火山であり、山頂からは噴煙が噴き出ている。火山がそのまま島になっているようにしか見えない。

眼前に迫る硫黄島。海上にまで、強烈な硫黄臭が漂っている。

「人外魔境」

これが、この島を見て、最初に浮かんだ言葉。有人島と聞いているが、本当にここに人が住めるのだろうか。船上から見ている分には、ダイナミックな絶景なのだが、それはこの世離れしているが故にというか、目の前の光景はまさに「地獄」。

実際、日本全国で、火山ガスの噴出により草木の生えない場所を「地獄」と呼ぶが、今回ほど、ストレートに「地獄」と思った事はない。n何か、騙されてここまで連れて来た気すらして来て、少し焦る。日本の全市町村の9割以上を踏破した筆者だが、それでもなお、生唾を飲む程に、一目で異様さを感じる場所である。

絶壁から硫黄が目に見えて大量に噴出して、そのまま海へと流れ落ちている場所も。硫黄が流れ込んで、海の色も水色に変色している。やはり、とんでもない島だ。

唖然として、目が点になっているうちに、フェリーは火山を通り過ぎて行く。実は、噴煙を上げる硫黄岳の奥に、多少なだらかな地形があって、そこに集落が存在する。竹島の側から見ると、硫黄岳しか見えないので、地獄のように見える訳だ。

とは言え、なだらかな場所は、そう広い訳はなく、集落のすぐ後ろには、容赦なく絶壁が立ちはだかる。この海域の海底には、鬼界カルデラという巨大な火山があり、竹島と硫黄島は、その外輪山にあたるという。そして、集落の後ろに立ちはだかる、横に長い絶壁こそ、そのカルデラ壁なのだそうだ。2017年の調査では、海底に直径10km、高さ600mの溶岩ドームが発見された。

何とも巨大なスケール。竹島と硫黄島の距離を考えれば、世界一と言われる阿蘇の大カルデラのような感じか。鬼界カルデラは何度も噴火を繰り返しているが、7300年前の噴火は、過去一万年間では日本国内最大の噴火とされる。九州本土の霧島市に、約9500年前からの、日本最古の大規模定住跡を持つ上野原遺跡があるが、こうした南九州で発達した縄文文化は、鬼界カルデラの大噴火で壊滅した。硫黄島の硫黄岳は、その千年後くらいに、外輪山近くに誕生したという。

フェリーは、いよいよ硫黄島港へ。防波堤の内側が、茶色く濁っている。これは、港内の海底から噴出する温泉と海水の、化学反応によるもの。こんな港は、日本ではここにしかないだろう。いや、世界でもここだけかもしれない。有り余る湧出量、究極の源泉かけ流し。この点だけもってしても、色々な意味でこの世のものとは思えない光景である。

そして、ついに!硫黄島に上陸。ここから冒険が始まる!もう、旅というより冒険という気分だ。

次回、硫黄島内部を探検。

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