失敗は成功の母。とよく言うけれど、
個人的な体感では失敗からできるようになったことよりも、
成功からできるようになったことの方が多い。

そしてうまくいった時に
「ああ、だからあれはうまくいかなかったのか！」
と気がついたりする。

母親は子どもがいるから母親になれるように、
失敗は成功した時にはじめて意味を見出されるのかもしれない。

「将来パイロットになるんだ！」
といって本当にパイロットになる成功もあれば、

パイロットはあきらめてしまったけど保育士になって
「この紙飛行機はツバサの角度がこうだから飛ばないんだよ〜」
と教えてあげられた。
みたいに回り回っての成功もあるだろう。

あの失敗があったからと思えるのは成功ありきなのだ。
成功を生んでない失敗は母親とは呼べない。

失敗は成功の母。
は後付けなのだ。

悲しみの数だけ優しくなれるのも嘘だと思う。
悲しみは怒りになり、卑屈を生む。

辛い出来事があると
似た境遇の人に感情移入できるようにはなるけれど
それと実際に優しくできるかどうかは別の話だ。

悲しみが原動力にあるとそれに飲み込まれた時
あっという間に余裕がなくなる。
余裕がないと人は優しくなんてできない。

人はもらったぬくもりや喜びの分だけ優しくなれる。
「こうしてくれたらこんなに嬉しいんだ。」
そうやってあたたかさの数が優しさに変わっていく。

いつかうまくいく。
今は苦しくてもいつかきっと。

そう思いたくて、今をなんとか乗り切りたくて
作り出したいいわけ、幻想が
失敗は成功の母、悲しみの分だけ優しく
なんじゃないだろうか。

僕は今まで失敗ばかりしてきたけど
失敗から学んでるふりをして
できない自分をごまかしてきただけだった。
もちろん成功から学ぶこともサボってきた。

というよりも学び方を知らなかった。
今ここにきてやっとやりかたを掴んできた気がする。

これからの僕に、
きっとまたどこかで失敗に落ち込み
悲しさに飲まれてしまう時が来るであろう自分に、
これを読んでくれている同じような誰かに
言葉を残しておこうと思う。

挑戦の数だけ失敗の可能性は増える。
失敗するのは仕方ない。あたりまえだ。
みんな「できない」からはじまるんだから。
悪いことなんかじゃない。

いつか財産になるかもしれないぞ。
でも本気で成功する気でやったことだけだ。

どんどん失敗しろなんて言わない。
お前の全身全霊、最速で決めろ。

悲しいことや反面教師を原動力にするな。
温もりを知り、喜びに触れ
たくさん憧れて、たくさん学べ。

変身ベルトは反応しなくても
空を飛ぶことはできなくても
想いや志をマネしてヒーローごっこしていようぜ。

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僕の幸せの責任を取る人は僕しかいないんだ。
ぜったい幸せになる。

後藤大
シンガーソングライター/作曲家/文章書き
自分をみとめてあげられる瞬間が好き。
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