眠いので書くのをサボってやろうかという気持ちが70%を超え始めた後藤大です。負けじと書くので読まれたい。

「嘘っぽい言葉ってなんだろう」

そう思ったのは朝にTwitterのタイムラインに流れてきた言葉のせいだった。「〇〇のことが大好き！」というようなことが書いてあったのだけど、なんだかすごくモヤっとしてしまった。

普通あれが好きこれが好きという話はこちらまで元気になれるもののはずなのだけど、たまにこういう現象が起きる。それは人の文章を読んでいる時だけではなく自分で書いているときにもだ。

そしてどちらにも共通して思うことがある。

「ほんまかよ。」

最初に考えたのは「好き」だけを発信するとひとつの面しか見えないのが原因なのではということ。人は何かを見聞きしたときに一度にいろんなことを思う。

僕はチョコレートが好きで食べない日の方が少ない。だけど「チョコレートがあれば生きていける。超好き！」と書くと少しモヤっとする。

チョコレートが好きという一面では好きという表現に立体感がない。もっとチョコに対しての背景を書かないと嘘っぽいのだ。

「チョコレートがなくても生きていけるけど、毎日仕事から疲れて帰ってきたときに食べてる。今日も本当に美味しい。好き。」

の方がリアルな気持ちに近い気がしないだろうか。

「高級な生チョコよりスーパーで売ってる安いのが好きだし、ビスケットがついてるとポイント高い。きのこの山よりたけのこの里派！」

と付け加えるとなお明確になる。

「悪い部分も書け」ということではない。むしろ人に伝える時にはわざわざ言う必要はないと思う。

「好き」の気持ちだけがポンと置いてある状態が平面的でリアリティーがないのだ。

だけどこれは「掘り下げる意欲」と「伝える技術」の問題だ。自分を掘り下げられていないと何が好きかちゃんと伝えられなくて、結果的に嘘っぽくなることはあるかもしれないけれど、モヤっとに直結する本質ではないと判断した。

次は視点を変えて、自分が書くとしてどんなときにモヤっとしているかというところをスタートにして考えてみた。その回答は「他の誰かにいいところを過剰にアピールしようとしているとき」だった。

チョコレートは好きだけど何でもかんでも好きなわけじゃない。カカオ多めの苦いチョコレートは好きではない。むしろ苦手なのだ。

だけど他人にチョコレートを愛していて素敵ですねと言われたいと思っているとき「カカオ多めは嫌い」という本心を潔癖に隠そうとする自分がいることに気が付いた。「チョコがあれば生きていける！」なんて本当の好き度よりもだいぶ盛って話してしまったりもする。

それは嘘っぽいと言うかもう完全に嘘だ。

自分の「好き」を書いているわけではなくて「こんなに好きで素敵ですね」と思われたい欲求を書いているのだ。

嘘っぽい言葉を書く人というのは他人をコントロールしようとしている。

それは「ここにいてもいいんだ」と思うための軸が他人にあるからだ。僕はその軸を「自己承認のハンドル」と呼ぶことにした。簡単に言うと他人に認められないと存在していいと思えないということだ。

ハンドルを人に渡す＝行き先を自分で決められない。だから行きたい場所(ここにいていいんだ)に行くためには、運転手に嫌われないようにしなければいけない。それ以前に存在に気づいてもらわなければいけない。

するとさっき書いたように「カカオ多めは嫌い」と言えなくなったり「チョコがあれば生きていけるんですよ！もう最高！LOVE♡」と運転手が好きそうなものを過剰にアピールしないといけなくなるわけだ。

つまり

自分がハンドルを持っていないから他人をコントロールしないと行きたい場所にいけない。

表現が平面的になってしまうのは技術云々ではなく、そのせいなのだと思った。

だけどそうすればするほど運転手は自分のことを嫌いになる。もしくは都合のいい奴隷として扱い始める。

素直な発信にしか本当の承認は集まってこない。

ハンドルを他人に渡してはいけないと僕は思う。そのために必要なものは技術でも勇気でも人脈でも知識でもない。正確にはそれが必要になるのはハンドルを持った後からだ。

ハンドルを自分で持つということは、自分の生き方に覚悟と責任を持つということだ。何が起こっても全部引き受けると決めているから次の分かれ道を自分で選べる。

僕がモヤっとしていたのは僕がハンドルを持って生きたいと思っているからだ。

誰かの行動に対して感じることは自分の心の鏡。嘘っぽいことをしている時の自分が嫌いだから嘘をついている人を見るのが嫌だったのだ。

嫌われるのは嫌だ。怒られるのも嫌だ。人ともめるのはめんどくさい。責任を取るのは怖い。

それでも僕は自分の手で今日もハンドルを切る。

(免許持ってないけど)(自転車かな)

読んでくれてありがとうございます:-D

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