歌や演奏で常にフルパワーを出さなくなった。

と書くと手を抜いているみたいだけどそうじゃない。

今までは常に90ぐらいの力で歌ったり弾いたりしていて、サビで150出すつもりが楽器や体の構造的に100にしかならなかった。つまり気持ちほどパワーの変化がなかった。

ある対談で糸井重里さんが「おもしろいを表現するためには、おもしろくないを考えないといけない」と話していた。

先輩のライブを見にいった時いいなと思ったバンドは同じような曲が続く中に、一つだけ裏切りを組み込んでいた。

なるほど、一番目立たせるところ以外を「減らす」ことが大事なのか。と思ってから平均が40、50ぐらいになって、サビで90を出せるようになった。

たしかにベストアルバムは全部いい曲なのだけど、80、90、100点の曲ばかりだから意外に飽きてしまう。長く聴けて記憶に残るのは変な曲や地味な曲も入っている普通のアルバムだったりする。

数値やレベルを下げるというのはすこし怖いなと思ってしまうのだけど、初期値を高くすればするほどダイナミクス(強弱の変化、対比のこと)が少なくなってしまうし、20や30の力でやるのが最適な場面もある。

生活、勉強、練習なんかでいうならメリハリというやつだ。

短期で見たときには常にフルパワーでも潔くていいのだけれど、長期的なものや展開があるものに関してはフルパワーをおいしく出すためにちゃんと力を抜くことが大切なのだ。

上げれも下げれもするところに平均を取ること。

やることが多いとつい気張ってしまうけれど、一気に集中するためにしっかり休むことも必要だ。

作曲の仕事を進めたいところだけど、今日は他の仕事でパワーを使い果たしたのでゆっくり眠ろうと思う。

みなさんも無理せず、休んだ方が結果スムーズに進むかもしれませんよ。

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アルバムに入ってそうな変な曲です(笑)

後藤大
シンガーソングライター/作曲家/文章書き
自分をみとめてあげられる瞬間が好き。
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