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アルコールフリーと柔軟剤

香水ブームと言われている昨今、各地でイベントや新興ブランドの登場など、フレグランスにまつわる話はよく聞かれるようになった。
いちフレグランスファンとしては嬉しい反面、少しモヤっとすることがある。

最近、アルコールフリーのフレグランスがトレンドになってきているような気がする。そこで度々見聞きするのが「アルコールが入っていないから、香りがきつくない、周りに広がらない」というキャッチフレーズだ。当該ブランドよりも、周辺産業、たとえば量り売りであるとか、メディアだとか、あるいはインフルエンサーがよく謳い文句としているように思う。

私はフレグランスのファンであってプロではない。あくまでも個人的意見である。

「アルコールが入っていないから、香りがきつくない、周りに広がらない」
というのは本当だろうか。
まず思い出していただきたい。注射をする際にアルコール消毒をするはずだ。アルコールをしみ込ませたコットンで腕を拭う時、ほんの一瞬アルコール臭はするが、いつまでも残っているだろうか、そして臭いは拡散しているだろうか。


まず、アルコールが使われていることで香りが強くなるかどうかに関しては、NOである。もしそうであればアルコール濃度が高いフレグランスの方が強く香るはずだ。フレグランスは香料の濃度が高い方がアルコール濃度が低い。フレグランスの分類で言う「パルファン」は、香料濃度が高くアルコール濃度が低いが、最も強く(というと少し語弊があるが)香り、また香りはまろやかになる。逆にアルコール濃度が高く香料濃度が低いトワレは、パルファンと比較すると香りが弱く持続性もない。


次に拡散力に関しては、アルコール濃度によって拡散力が高くなるなら、最もアルコール濃度の高いコロンやトワレの方がパルファンよる香りが広がるということになる。パルファンは1滴で十分香るが、拡散性が低い。たとえばオードパルファム同士を比較した場合、強く香るものとそうでないものがあり、アルコール濃度よりも拡散性に違いのある香料によるものと思う。
私が所有しているフレグランスのうち、アルコールが入っていても香りが拡散せず、かなりの微香のものもいくつかある。

この2つにより、アルコールのあるなしで強く香るかそうでないかは的外れな話なのではないかと私は思う。

もうひとつ、柔軟剤だ。「香水みたいな柔軟剤」などと言われる。
近年の柔軟剤の香りは強いように思う。しかもフレグランスを全身にスプレーする人は日本にはあまりいないと思う一方で、柔軟剤は全身から香る。時にフレグランス以上に香っているのではないかと思う。洗濯したものからすべて香ってくるよりは、柔軟剤は微香もしくは無臭で、香水をほんのひと吹きの方が香りが優しいのではないかと感じる。

最初に書いたように私はフレグランスのプロではないから、この意見が正しいかどうかはわからない。
しかし「アルコールが入っていないから、香りがきつくない」と「香水みたいな柔軟剤」の2つのフレーズが、フレグランスの正しい理解を阻み、しいては日本の香り文化の発展を阻害しているように思う。
日本には日本の香り文化的背景があるから、それはそれとして、消費者が誤解することのないキャッチフレーズを使って欲しいと思う。

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