見出し画像

山はじめは 防災はじめ 〜山遊びのススメ〜

こんにちは。グランドデザインのプロデューサーをしています藤原です。 今回は僕の趣味『山遊び』の話をしようと思います。 昨今のキャンプブームも手伝って『山遊び』経験者も多いのではないでしょうか。 この『山遊び』をただの遊びに終わらせずに『防災』につなげよう。そんなお話しです。 これからキャンプや登山をはじめてみたい方、もしくは既にアウトドアライフを楽しんでるけど『防災』なんて考えてもみなかったという方のギア選びのお役に立てれば嬉しいです。


未曾有の危機を経験してたどり着いたアウトドアの世界

銀色リュック

僕が山遊びの最初、キャンプをはじめるきっかけとなったのは、忘れもしない2011年3月11日、東日本大震災でした。未曾有の危機を経験し、何も出来ない自分の無力さを痛感しました。その頃、6歳の息子と妻を抱える僕は、家族を守るとは何かなんて、『一生懸命働いて、ご飯が食べれて、時々旅行に行ったり』くらいにしか考えてませんでした。『家族を災害から守る』なんてことは思いつきもしませんでした。

この震災の直後から、家族を守るためにできることの見つめ直しがはじまりました。まずは、防災といえば皆んなもご存知の銀色リュック。軍手、カンパン、懐中電灯にロープ・・・。おいおい、これでは真面に家族を守れないよ。引っ越しじゃあるまいし。他には?なんか良いセットはないの?という思いから視野を広げてみる。無印良品、東急ハンズ、amazon、楽天市場。さすが、銀色リュックとは雲泥の差のグッズが色々あります。グッドデザイン賞を受賞しているものもあるし、安心できていいんじゃない!とはならなかった。僕の本当に大丈夫なのかという疑心暗鬼は止まらない。

そうこうしているうちに、mont-bellの防災グッズにたどり着きました。それまでスケボーやスノボーは多少嗜んできたけれど、本格的なアウトドアにはファッションくらいでしか触れてこなかった。今になって大間違いだったとわかるけれど、当時の僕はmont-bell=シニアの山登り用品という先入観があった。だから、mont-bellは嫌だなという思いからイケてるアウトドアブランド探しを始めるのでした。


防災に適したアウトドアギアとは

焚き火

単にアウトドアブランドといっても無数にあって何を選んでいいかわからないですね。そうならないよう今回の最大の目的を忘れない。『大震災が起こっても家族が守れること』。初志貫徹。そうすると、セレクトする範囲が絞られてきます。アウトドアブランドを大きく分類すると3つに分けれます。(キリがないのでクライミングやバックカントリーなどは除きます)


キャンプ系

画像3

出典:スノーピーク https://www.snowpeak.co.jp/sp/campdebutautumn/

コールマンやスノーピークといったブランドが分かりやすいかと思いますが、ビッグサイズのリビングやキッチン、寝室を大自然の中に持ち込んで都会の喧騒からトリップしようというスタイル。オートキャンプやファミリーキャンプといった趣旨が強く、車でキャンプ道具を持ち込めるので、スキレットといった鋳鉄製の調理器具や石油ストーブなんてのも持って行けたりします。つまり『デカい!重い!仕方ない!!』スタイルなので防災には全く適しません。


山岳系

登山

ハイクや登山といったスタイルのためのギアになります。アウトドアの中でもUL系(ウルトラライト)と呼ばれているジャンルです。このジャンルは基本山頂を目指すので、少しでも軽くするため、1g単位で重量を削っていきます。テントや食糧、防寒着に至るまで衣食住のすべてを背負って登ることから、軽いに越したことがなく、各社が薄くて軽くて暖かいとか、パッカブル仕様とか技術力でしのぎを削る分野です。キャンプ系とは目的が全く違うので、同じテントや調理器具といっても選ぶギアは異なるものになります。


ランニング系

トレラン

山でランニングというとトレイルランニング、俗にトレランと呼ばれていますが、山を走って登って尾根を駆け下るというスタイルです。言わずもがなUL系でなければいけません。しかし、山岳系との大きな違いは走りますので、荷物は極限まで持たずミニマムにしていきます。ですので、ストイックすぎて『防災』には適しません。唯一DEATH飯と呼ばれるエナジージェルは簡単に摂取ができて栄養価が高く、防災の備蓄としてはいいかもしれません。


などなど。震災や災害時に『持って避難する』ことを前提とした場合、『防災』との親和性が非常に高い『山岳系』がベストと判断しました。軽さや携帯性、効果性や簡便性などを研ぎ澄まし、衣食住のすべてが整うこの分野を中心に僕は『防災グッズ(アウトドアギア)』を揃えていきました。


『防災』にとても大事なこと

夜キャン

山岳系に限らずアウトドアギアはハイコスト・ハイパフォーマンスのもが多いですが、その分見返りも大きいと思います。いわゆる通常の『防災グッズ』は、もしもの時の『備蓄』としておウチで眠ってしまうことの方が多いです。気づけばホコリをかぶって懐中電灯の電池が切れていたり、食糧の賞味期限が切れていたり。一方、アウトドアギアであれば『備蓄』と『遊び』両方を兼ねることができます。これが一番大事なことなんですが、『遊び』ができるということは、その『ギアの扱い方を知っている』ということなんです。つまり、震災や災害時に対応できる術があるということなんです。

停電してしまったら? 水道が止まってしまったら? ガスが止まってしまったら?

皆さんはどうしますか。対応できる準備はありますか。
東日本大震災では生活インフラが止まり、復旧までにかかった時間は3日〜10日間だそうです。いつ何時、そのような有事が訪れるとも分かりませんが、山遊び経験者は、対応できるのです。これは大きな差ですよね。扱い方もわからない防災グッズほど無意味なものはありませんし、ましてや重くて運べないなんて本末転倒なわけです。

いかがでしょうか。
本noteを読んで少しでも『山遊びと防災』に目覚めてくれたら幸いです。
次回から、僕のオススメの遊べる防災グッズ(アウトドアギア)を紹介していきたいと思います。

グランドデザインのtwiiterもよろしくお願いします!


この記事が参加している募集

みんなの防災ガイド

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?