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シリーズ《天国と地獄》を楽しむ ①「ギリシャ神話」を理解するおススメの一冊

11月に出演致します、東京二期会 オペレッタ《天国と地獄》公演を、更にお楽しみ頂くために、今回から何回かに分けて、この作品を楽しむためのガイド的なことを書いていきたいと思います。

【東京二期会《天国と地獄》公演詳細はコチラ】

公演詳細にも書きましたが、オペレッタ《天国と地獄》のルーツを辿ると、オペレッタ《天国と地獄》→オペラ《オルフェオとエウリディーチェ》→《ギリシャ神話》と遡ることができます。

「ギリシャ神話」はBC15世紀頃から口承伝説として誕生し、BC9〜8世紀頃に有名なホメーロスの二大叙事詩『イーリアス』と『オデュッセイア』が誕生し、AD1世紀頃にはアポロドーロスにより「ギリシャ神話」として文学的にも一つの完成形を見ることとなります。
その概念は単なる「神話」にとどまらず、後に、宗教(主にキリスト教)、哲学へと広がっていき、特にヨーロッパでは、その文化や価値観に大きな影響を及ぼしている作品と言って過言は無いでしょう。

《天国と地獄》は正式には《地獄のオルフェ》(Orphée aux Enfers)という題名なのですが、ギリシャ神話の「オルフェとユーリディスの悲話」が題材となっています。
このお話は、下のリンク先を読まれると、とても分かりやすくまとめてありますので、よろしければお目通し下さい。

このお話をまず読まれると、オペレッタ《天国と地獄》をご覧になった時に、更に面白さを体験できるかと思います。
※ちなみに、ここで出てくるアリスタイオスとは、私が演ずるプルートが一幕の最初で羊飼いに扮するアリステと同一です。

さて、「オルフェとユリディスの悲話」は「ギリシャ神話」の中の、ほんの一つのエピソードにしか過ぎません。
《ギリシャ神話》にはこの他にも沢山の神々が出てきます。
そしてオペレッタ《天国と地獄》にも、沢山の神々が次々と出てきます。
「ギリシャ神話」を読むのであれば、日本で手に入る一番正統的な書物は岩波文庫「ギリシャ神話」が挙げられるかも知れませんが、これはなかなか読み応えのある一冊で、もしかすると、ちょっと難しくて、「この神は結局誰だっけ?」みたいになり、途中で断念してしまうかも知れません。
お恥ずかしながら、私がそうでした😂
でも、前回の公演の時は、頑張って読破しました😤

そこで、まずは「ギリシャ神話」ってこんな話!というのを、豊富な写真やイラストなどで分かりやすくまとめてある本がありますので、「ギリシャ神話」入門編ということで、初めて「ギリシャ神話」に触れられる方におススメの一冊をご紹介します。

「イラストで読む ギリシャ神話の神々」杉全美帆子 (著)(河出書房新社)

「イラストで読む ギリシャ神話の神々」杉全美帆子 (著)(河出書房新社)p.94-95

こんな感じで、沢山のイラストや写真などで、飽きずにパーっと「ギリシャ神話」をお試し感覚で読めてしまいます。
とってもオススメです!

オペラやオペレッタは、ちょっとだけ予習すると、100倍楽しくご覧になれます。
お手隙の際にでも是非お試しあれ!

[《天国と地獄》のお申込みは下記のアドレス(渡邉公威直通)まで]
grandetenorekoi@gmail.com


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