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32歳からの海外移住生活 その3

一からやり直し
さて、わざわざお金をかけて面接のために1週間カナダに滞在したにも関わらず、物事が前進することはなく、全ては振り出しに戻ってしまいました。。
ただ初めてカナダを訪れて、今ならビザが取りやすいことが分かり、また街の雰囲気を少しでも体感出来たことは収穫でした。
この時から仕事探しの対象国はカナダに限定し、毎日求人を見ながら、NHKラジオ講座で英語を勉強する日々が続きました。

気持ちを切り替える
当時カナダの求人は、現地の日本人が経営されている飲食店を中心に毎週必ずいくつかは出ていました。
もちろん現地在住者向けのものなのですが。
そういえばカナダを訪れた際、仕事を斡旋して下さった方がこのようなお話をして下さいました。
「英語が得意でないならば日本食レストランで働くという選択肢が現実的で、そこで働きながら永住権を申請して、永住権が取れたら好きな仕事に転職すればいい」と。
言い換えると、永住権が取れれば自由に仕事を選べるが、永住権申請中はその職場を離れることは出来ないとのことです。
それは、その職場がこの人をうちで雇いたいということで、ワークビザが下りるためだからです。
当然のことですね。

いずれにせよ私はモヤモヤしておりました。永住権が取れたら仕事を変えるということに。何かその考え方は良くないなと。。それならば、30歳を過ぎてスタートは遅いですが料理の道に邁進するという決断をするべきかなと。

再びカナダへ面接に
完全に気持ちは切り替えました。飲食店で働いた経験、ましてや料理の経験もありませんが下っ端の仕事でもそこからスタートしたいと。
飲食店のキッチンの仕事は、早い方なら10代から始めているでしょう。寿司を始め職人と言われる方々は若いうちから修行を重ねておられます。30代からスタートなんて遅い、遅すぎるのは重々理解しています。でも頭を下げてでもその世界に入りたいと心から思い仕事を探し続けました。

応募の際はこの一言を添えました。
“面接のためにいつでもカナダへ行く準備は出来ています。1週間の予定で訪れます。無給で構わないので何日か仕事に入らせて下さい”
そんなある日、ある日本食レストランマネージャーの方から返信がありました。
オーナーが面接してくれるというのです。すぐにカナダへ行く旨を伝えました。

仕事体験
家族経営の小さな日本食レストランです。
オーナー様はこちらの希望を聞いてくださり、1週間キッチンに入らせてもらいました。
包丁で野菜を切ることもろくに出来ない私に仕事を与えて下さり、忙しい時間帯は出来る仕事を一生懸命にこなしました。食器洗い、清掃は当然のことです。
毎日ユースホステルの部屋に戻ればくたくたでした。。

そうして1週間が経ち帰国の前日を迎えました。
オーナー様からワークビザサポートのお話がありました。まだまだ基礎から教えなければいけないことだらけだけど、まじめに一生懸命やってくれたから今後もここで働いて良い、とのことでした。
会社を辞めて約半年、ついに念願だった海外での仕事獲得です。
ビザコンサルタントの方を紹介していただき、今後は日本でしばらく待機、ビザが下り次第カナダに引越し、という流れになると伺いました。

居酒屋でアルバイト
オーナー様のおかげで、無事にワークビザの申請は終わりました。この先日本でしばらく待つとのことですが、ワークビザが下りる時期は明確ではありません。
このままダラダラと日々を過ごすわけには行きません。妻のアドバイスもあり、せめて料理の世界に触れておこうと思い、日本料理を扱う居酒屋の厨房でアルバイトすることにしました。
居酒屋とはいえ、寿司や刺身、天ぷらや焼き物があり、料理を学ぶには最適の職場でした。
会社員のときの貯金が残っているとはいえ、カナダに2度も渡っておりますので、節約のために毎日往復には自転車を使いました。
そんなある日、無事にワークビザが下りたとの連絡を受けます。
続きはまた。













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