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【ペットロス いつか来る「その日」のために】を読んで。私の体験も交えた感想。

ペットロスや、グリーフについての本は、色々と読んでいますが、先日noteで、この本の存在を知り読んでみました。私の経験や、ペットロスカウンセラーとしての考え、思いと合わせて、いくつかのトピックを紹介したいと思います。

ペットロスは、お別れ前から始まっている

いわゆる「分離不安」「予期悲嘆」愛するペットとお別れするかもしれない。と思った時に感じる不安や悲しみ恐怖。私は、一緒に暮らすチンチラの「けだま」の闘病生活中、毎晩泣いていました。夫と二人、重苦しく長い夜を過ごし、万が一、本当のお別れになったら、この苦しみどころではないのか!と恐怖を感じた記憶があります。そんな経験もあり、ペットロスカウンセラーを目指しました。
本書では、ペットロス経験者の方の貴重なエピソードからも、ペットを失う前から、ペットロスは始まっているという事が、わかります。

セレモニーは良い効果をもたらす

私も、実家の犬たちとお別れの際は、セレモニーを行いました。火葬場の煙突から出る煙さえも愛おしいと感じたことなど、20年以上たった今でも、よく覚えています。
目が腫れるほど泣き続けましたが、本書でも紹介している通り、お骨になった後は、「骨になっちゃったね」と、少し落ち着いた気がします。
母に限っては、骨壺をなでながら、「骨になっても可愛いの」と落ち着く様子は見られませんでしたが。。。

一方で、昨年亡くなった実家の猫の場合、実家の店で働く人が色々手配してくれたので、遠慮してしまい、家族としきちんとお別れができませんでした。また、火葬の日は特に仕事が忙しい日(面談予約が多い日)であったことや、母も通院で火葬に立ち合えないなど、事情を考慮し私も火葬に行かなかったのですが、これは失敗。
ちゃんと亡骸には会って、お別れしたと思っていたはずが、突然、リビングに骨壺がおかれている状況は、なんだか実感がわかず。

本書の多くの方が語っているように、出来る限りセレモニーをして送り出せるといいなと思いました。

また、私の母が急死した際、葬儀までに時間がかかったため、ゆっくりお別れできたのは非常によかった。ドライアイスを入れるなど適切な措置をすれば、急いでお別れしなくて大丈夫です。

ペットロスの人にかける言葉について

これも、悲しみに暮れる方を少しでも傷つけないためには、ペットロスに限らずあらかじめ知っておくと良い知識です。「何か気の利いたことを言わなければ」と、よくあるフレーズでお悔みの挨拶をしてくれる方もいらっしゃいますが、やはり、気持ちがこもっているかどうかが重要です。
「たかがペットでしょ」「また次の子をお迎えすればいいじゃない」なんて言葉は、相手を不快にするであろうと、想像できますよね。
本書で上沼恵美子さんが語っているように「〇〇ちゃんが報われないよ」とか「そんなに悲しんでいると〇〇ちゃんに笑われるよ」などの声掛けも、励ますつもりが逆効果。

私は、それほど深い間柄でもない人から、好き勝手に知ったような事をいわれて腹が立った経験はあります。ただし、「この人は、こんな風に感じているんだな」「この人の視点から見ると、こうなんだな」と考えると、相手の気持ちも理解でき、許せるかもしれません。

傷ついたり、腹が立った言葉は、その方や、ペットとの関係性により、異なると思います。上沼さんは、何も言わないのが良い。と、仰っていましたが、私はやはり、「何か言わないと!」とは思うのです。でも、かける言葉が見当たらないから、結局、何も言えない。

自分が体験を通して気づいたことは、上沼さん同様、ありあわせの言葉をかけるくらいなら、余計なことを言わずに、ただ黙って話を聴いてあげるだけで良い。親しい方であれば、壇蜜さんのように、黙って身体に手を添えるだけで十分伝わると思います。

ペットロスセミナーの意義

もっと、伝えたいことがたくさんありますが、思ったより長くなってしまいましたので、最後にこれで締めくくりたいと思います。

本書でも事前にペットロスについて知っておくことや、その悲しみを誰かに話すことは大切と言っています。そして、アメリカのペットロス サポート座談会に参加した方の体験談が記載されています。

「知らない人に自分の悲しみを打ち明ける羞恥心の方が勝っていたが、その場にいる人たちが本当に共感してくれているのを感じて、悲しみが少し軽くなるような気がしました」

第10章 悲しみを和らげる方法はあるのか?より

おわりに

この本を読んで、改めて私がペットロスセミナーを開催する意味はあると確信を持てました。喪失後に限定した方が良いのか、迷うところですが、予期悲嘆でも十分、ペットロスので苦しんでいる方の想いに共感できると思いましたので、少ない参加者のため、当面は広く参加者を募集したいと思います。
親しい方と、悲しみを分かち合う、思い出を共有するは、大変有効だと思いますが、親しいからこそ言えない時もありますよね。

皆さまが安心して気持ちを話しあえる安全な場所を提供していきたいと思います。

以下、文春新書さんの記事です。


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