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「いま、すべり台が濡れているか」という情報に300円払ってもいい

「明日、ひさびさにゾウさん公園に行こうか」
「やったー!」

子どもたちの大好きな「ゾウさん公園」。
お察しの通り、カワイイすべり台がウリの公園なわけですが、車で30分くらい掛かるんですよね。
でも子どもたちが喜ぶから、休みの日には連れて行ってあげたくて、よく行くんですが。

まあまあの確率で濡れてるんですよ。遊具が。
特にすべり台が水滴だらけだと残念至極で、ティッシュで拭くには範囲が広すぎるし、タオルで拭くのは衛生的にちょっとな、という感じ。
で、結果的にすべり台は使わずに他の遊具で遊ぶことになります。

ゾウさん公園なのにね。
ゾウさんも泣いています。いや水滴かこれ。

濡れてるかどうかくらい想定しておけよ、という話なんですが、
車で30分の距離にある公園で、夜中に雨が降ったか降っていないかというのは、結構知りようがない情報で。
特にわたしが住む田舎町だと天気が崩れやすいので、遊具が濡れているだなんて考えもしないノーマークな日でもビショビショだったりします。

ぐぬぬ。事前に遊具が濡れているか分かる方法があれば…


そんな中、先日、クレイトン・クリステンセン著『ジョブ理論』を読んでおりまして。

文体には洋書特有の読みづらさがあるのであんまり万人にオススメはしないのですが、理論自体は結構面白いです。
すなわち「ジョブ理論」とは、

商品が買われるとき、誰がいつどこで買ったのかという「データ」ではなく、どんな「ストーリー」で買われたのかを見よ。

ということです。

例えば「子ども向けのジュースがやたらと売れるコンビニ」があるとします。

・平日に30代女性が、ジュースを頻繁に買いに来ています。
・土曜日はなぜか午前中だけ、それも30代男性が買っています。
・日曜日は売れていません。

これが「データ」だけを見た場合です。
客観的な傾向は分かるんですが、じゃあどうしたらもっと売れるのかは分かりません。

次に「ジョブ理論」を適用して「ストーリー」を確認します。

・コンビニの向かいには小児科のクリニックがあります。
・お客さんはそこに子どもを連れて行ったお母さんやお父さんでした。
・子どもが良い子にしていたご褒美に何かを買ってあげる約束になっていたようです。

とこんな感じになります。
これなら例えば「小さいサイズのジュースも置いてみよう」とか「アンパンマンのおもちゃを仕入れてみよう」とか、具体的な打ち手がいくつも思い浮かびます。


さて、今回わたしは「すべり台が濡れているかどうか、事前に知りたい」と感じました。
それは、「休日に子どもたちをお気に入りの公園に連れていった結果、すべり台が濡れていてガッカリさせてしまった」という悲しいストーリーから来ています。

もし「300円払ったら、すべり台が濡れているかどうか教えてあげるよ」という人がいたら、私は喜んで支払います。
それで休日の外出が徒労に終わらないことが約束されるなら安いものです。
(あ、でも1000円なら払いません。ごめんなさい。)

商売だけでなく、noteの発信にもこの「ジョブ理論」は活かせそうですね。
読者の「ストーリー」を考えることで、発信をより価値的なものにできそうです。

普段から読書にまつわる発信をしています。
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それでは、また。

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