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薬剤師歴6年 がん専門薬剤師を目指し修行中! 1人1人にあった最高の治療を選択します!

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  • 胃がんになったら読むnote

    胃がんになった際の気持ちの整理と 薬物治療について、詳しくまとめたnoteです。

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目次(がん)

がん治療を行う上で知っておきたい言葉 疾患別 胃癌 大腸癌 抗がん剤 カペシタビン(ゼローダ) シスプラチン イリノテカン ◯分子標的薬 ・抗EGFR セツキシマブ…

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2年前

シスプラチン

がん細胞内の遺伝子本体であるDNAと結合し、がん細胞が増えるのを抑える薬です。プラチナ(白金)を含む抗がん剤のため、白金製剤と呼ばれます。様々ながんに使用されるた…

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2年前
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胃がんの検査

胃がんが疑われると「がんであるかを確定するための検査」を行い、次に治療の方針を決めるために「がんの進行度を診断する検査」を行います。 がんを確定するための検査内…

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2年前

テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン)TS-1 S-1

〇胃がんでのS-1の位置づけ胃がんの薬物治療では一番使用されやすい薬物療法となっています。 術後補助化学療法、切除不能例、再発、いずれにおいてもメインで使用される可…

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【目次】胃がんになったら最初に読むnote

がんになった方に最初に伝えたいメッセージ 胃がんの基礎知識 胃がんの検査 【薬物治療】 テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン)TS-1 S-1 シスプラ…

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2年前

胃がんの基礎知識

〇胃がんとは 胃がんは胃の壁の内側をおおう粘膜の細胞がなんらかの原因でがん細胞となり、増えていくことで発生します。 (内側) 粘膜層  粘膜下層 早期胃癌 ----…

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2年前

最初に伝えたいメッセージ

〇がんと言われたあなたの心に起こること がんと言われることはどんな人にとっても辛いことです。 「何かの間違いではないか?」「何で自分が?」と考えることは自然なこ…

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2年前
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カペシタビン(ゼローダ)

〇各種抗がん剤の特徴 ピリミジン代謝拮抗薬 細胞の増殖に必要なDNA成分のピリミジンと呼ばれる物質がある。 カペシタビンはピリミジンに似た構造をもっている。 DNAの合…

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2年前
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ニボルマブ(オプジーボ)

・各種抗がん剤の特徴 分子標的薬(抗PD-1ヒト型モノクローナル抗体) T細胞上のPD-1に結合し、T細胞の活性化を維持し、抗腫瘍効果を回復させる。 ・投与方法 1回24…

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2年前

セツキシマブ(アービタックス)

〇各種抗がん剤の特徴 抗EGFRキメラ型モノクローナル抗体 ・抗EGFRとは EGFRは細胞の増殖に関わるたんぱく質の1つ。 EGFRの遺伝子に変異が起こると、異常のあるEGFRたん…

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2年前
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がん治療で知っておきたい言葉

〇5年生存率 5年生存率が90%だとすれば5年後10人に9人が生存し、1名が亡くなるという意味。 10年生存率40%だと、10年後10人中4人が生存し、6人が亡…

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2年前
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大腸癌

〇特徴 大腸がんの死亡数は男性で3位、女性で1位であり全体で2位。 部位別に分けると結腸がんは3位(男性4位、女性2位)、直腸がんは7位(男性7位、女性9位)。 …

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2年前

Performance Status(PS)

0 :なんら制限を受けることなく、発病前と同等に社会生活が行える 1 :軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが歩行、軽労働や座業(軽い家事、事務など)はできる 2 …

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2年前
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レゴラフェニブ(スチバーガ)

・各種抗がん剤の特徴 分子標的薬 マルチキナーゼ阻害薬 ・投与方法 3週間服用し、1週間休む 低脂肪食後の服用を推奨。空腹時や高脂肪食摂取後の投与はレゴラフェニブ…

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2年前

ラムシルマブ(サイラムザ)

・各種抗がん剤の特徴 抗VEGFR2ヒト化モノクローナル抗体 ・投与方法 インヒュージョンリアクションが発現した場合は、投与速度を50%減速し、次回以降も初回発現時同…

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2年前

ベバシズマブ(アバスチン)

・各種抗がん剤の特徴 抗VEGFヒト化モノクローナル抗体 ・投与方法 インヒュージョンリアクションへの注意のため、初回、2回目投与時は特に注意。 発生率は低く、3%未…

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2年前
目次(がん)

目次(がん)

がん治療を行う上で知っておきたい言葉

疾患別

胃癌

大腸癌

抗がん剤

カペシタビン(ゼローダ)

シスプラチン

イリノテカン

◯分子標的薬

・抗EGFR

セツキシマブ(アービタックス)

・抗VEGF

ベバシズマブ(アバスチン)

ラムシルマブ(サイラムザ)

・マルチキナーゼ阻害薬

レゴラフェニブ(スチバーガ)

ニボルマブ(オプジーボ)

抗がん剤の副作用シリーズ

〇消

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シスプラチン

がん細胞内の遺伝子本体であるDNAと結合し、がん細胞が増えるのを抑える薬です。プラチナ(白金)を含む抗がん剤のため、白金製剤と呼ばれます。様々ながんに使用されるため、使用頻度の多い、抗がん剤です。その分、副作用の発生頻度も高く注意が必要な薬です。

〇用法

注射 
例1)1日1回 5日間継続し2週間お休み
例2)1日1回 3週間以上お休み
など用法はがんの種類や個々で様々。

〇副作用とその

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胃がんの検査

胃がんが疑われると「がんであるかを確定するための検査」を行い、次に治療の方針を決めるために「がんの進行度を診断する検査」を行います。

がんを確定するための検査内視鏡検査やX線検査を行い、がんの有無や場所を調べます。
がんが疑われるところがあるとその部分をとり、胃がんがどうか確定します。

・内視鏡検査

内視鏡を用いて胃の内部を直接見て、がんが疑われる部分の場所や広がりと深さを調べる検査です。

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テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン)TS-1 S-1

〇胃がんでのS-1の位置づけ胃がんの薬物治療では一番使用されやすい薬物療法となっています。
術後補助化学療法、切除不能例、再発、いずれにおいてもメインで使用される可能性の高い薬剤です。

・術後補助化学療法

ステージⅡまではS-1単独療法が優先される場合が多い。
ステージⅢではS-1単独かS-1 + ドセタキセルの併用が使用される。

・切除不能進行・再発胃がん

S-1とシスプラチンまたは

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【目次】胃がんになったら最初に読むnote

がんになった方に最初に伝えたいメッセージ

胃がんの基礎知識

胃がんの検査

【薬物治療】

テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン)TS-1 S-1

シスプラチン

【副作用と対策】

悪心・嘔吐

下痢

手足症候群

骨髄抑制

胃がんの基礎知識

〇胃がんとは

胃がんは胃の壁の内側をおおう粘膜の細胞がなんらかの原因でがん細胞となり、増えていくことで発生します。

(内側)
粘膜層 
粘膜下層
早期胃癌
-------------------------
固有筋層  
進行胃癌
漿膜下層
漿膜

胃は5つの層からなっています。
一番内側の粘膜層からがんが進行していきます。

早期胃がんは粘膜下層までにとどまった状態で進行胃がんは固

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最初に伝えたいメッセージ

〇がんと言われたあなたの心に起こること

がんと言われることはどんな人にとっても辛いことです。
「何かの間違いではないか?」「何で自分が?」と考えることは自然なことです。
しばらくは不安が続いたり、眠れなかったりもします。ですが、無理に頑張らず平静を装ったりする必要はありません。
時間がたつにつれて前向きな感情が戻ってきます。

前向きな感情が戻ってきたら次の2つのこと心掛けてみてはいかがでしょ

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カペシタビン(ゼローダ)

〇各種抗がん剤の特徴

ピリミジン代謝拮抗薬
細胞の増殖に必要なDNA成分のピリミジンと呼ばれる物質がある。
カペシタビンはピリミジンに似た構造をもっている。
DNAの合成の過程でピリミジンの代わりにカペシタビンが取り込まれることによってDNAの合成を阻害する。

〇投与方法

<腎障害の投与量の目安>
Ccrが30ml/min →投与しない(禁忌)
Ccrが30ml~50ml/min →75%用

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ニボルマブ(オプジーボ)

・各種抗がん剤の特徴
分子標的薬(抗PD-1ヒト型モノクローナル抗体)

T細胞上のPD-1に結合し、T細胞の活性化を維持し、抗腫瘍効果を回復させる。

・投与方法
1回240mgを2週間間隔で点滴静注

・副作用

免疫関連有害事象(irAE)
間質性肺炎、重症筋無力症、大腸炎、Ⅰ型糖尿病、肝機能障害、甲状腺機能障害、神経障害、腎障害などがある。
頻度は多くないが、発現時は速やかに専門医へ相談す

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セツキシマブ(アービタックス)

〇各種抗がん剤の特徴
抗EGFRキメラ型モノクローナル抗体

・抗EGFRとは
EGFRは細胞の増殖に関わるたんぱく質の1つ。
EGFRの遺伝子に変異が起こると、異常のあるEGFRたんぱく質が作られ、がんが発生すると考えられている。セツキシマブはEGFRの働きを抑えてがんの発現を抑える。

・キメラ型ものクローナル抗体について
モノクローナル抗体には4種類あり、完全ヒト化抗体、ヒト化抗体、キメラ抗

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がん治療で知っておきたい言葉

〇5年生存率

5年生存率が90%だとすれば5年後10人に9人が生存し、1名が亡くなるという意味。
10年生存率40%だと、10年後10人中4人が生存し、6人が亡くなる。

〇奏効率

奏効率は効果を見るために定めた指標。高いほど効果がある。

・計算方法
完全奏功(がんが消えて4週間以上持続)
部分奏功(30%以上減少し、4週間以上持続)
進行(20%以上増加と絶対値で5mm以上の増加)
安定(

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大腸癌

〇特徴

大腸がんの死亡数は男性で3位、女性で1位であり全体で2位。
部位別に分けると結腸がんは3位(男性4位、女性2位)、直腸がんは7位(男性7位、女性9位)。

〇症状

早期の大腸がんには自覚症状がほとんどない。大腸がんと診断された約4割は健康診断で指摘される。

がんの発生した場所にもよるが、進行した場合は多くの場合、次のような症状が現れる。

・排便の変化→血便、便が細くなる、便秘と下痢

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Performance Status(PS)

0 :なんら制限を受けることなく、発病前と同等に社会生活が行える

1 :軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが歩行、軽労働や座業(軽い家事、事務など)はできる

2 :歩行や身の周りのことはできるが、時に少し介護がいることもある。軽労働はできないが、日中の50%以上は起居(立つこと座ること)している。

3 :身の周りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要。日中の50%以上は就床して

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レゴラフェニブ(スチバーガ)

・各種抗がん剤の特徴

分子標的薬 マルチキナーゼ阻害薬

・投与方法
3週間服用し、1週間休む
低脂肪食後の服用を推奨。空腹時や高脂肪食摂取後の投与はレゴラフェニブの血中濃度を低下させるため、避けるのが望ましい。
朝食は高脂肪食を摂取する機会が少ないため、朝食後の服用はアドヒアランス向上につながる。

・副作用
手足症候群
高頻度で発生し、重症化しやすい。
開始後14日前後に発現する傾向にある。

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ラムシルマブ(サイラムザ)

・各種抗がん剤の特徴

抗VEGFR2ヒト化モノクローナル抗体

・投与方法
インヒュージョンリアクションが発現した場合は、投与速度を50%減速し、次回以降も初回発現時同様、50%減速にて投与する。

・副作用

高血圧
自宅で血圧測定および記録を行う。降圧薬は積極的に使用する。
血圧が高値で吐き気、頭痛、胸、呼吸苦、めまいなどの症状を伴う場合、
あるいは収縮期血圧180mmHg以上、拡張期血圧1

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ベバシズマブ(アバスチン)

・各種抗がん剤の特徴

抗VEGFヒト化モノクローナル抗体

・投与方法
インヒュージョンリアクションへの注意のため、初回、2回目投与時は特に注意。
発生率は低く、3%未満。
初回投与時間90分
2回目の投与60分
3回目以降の投与は30分間への短縮も可能

・副作用

高血圧
自宅で血圧測定および記録を行う。降圧薬は積極的に使用する。
血圧が高値で吐き気、頭痛、胸、呼吸苦、めまいなどの症状を伴う

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