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「昭和の喫茶店」・・・その1(飲み物編)。コーラのレモンと、ミルクセーキのさくらんぼ。


最近はスタバなどのカフェが増えたので、昔ながらの「喫茶店」というものは少なくなった。
誇りの被った食品サンプルがショーウィンドーに飾られていて、
座り心地のあまり良くない椅子と、膝がぶつかるテーブル。
テーブルは時代によってインベーダーゲームになったりもした。

店内には、有線放送の音楽が常に流れ、多くはイージーリスニングかインストメンタルの歌謡曲だった。

メニューには、フラペチーノなんていうおしゃれな物は無く、
コーヒー、紅茶、ジュース、ソーダなどが並ぶだけ。
フレーバー全盛の現代では、理解してもらえないかもしれない。

勿論、メニューに写真など乗っていないし、
お客さんの方でも、変わった者は頼まない。

お互いに慣れたもので、

「レスカ(レモンスカッシュ)」
「レイコー(アイスコーヒー)」
「クリソー(クリームソーダ)」

などと略して注文をする。
それが通の頼み方、という訳だ。

そんな中で、時折話題になるのが、飲み物の値段。
コーヒーや紅茶が主に150円。
レスカ、クリソーは少し値が張って200円。
コーヒー・紅茶・クリームソーダなどは、元の値段が分かりにくいから、余り問題にならないけど、
よく言われたのは、コーラである。
コーラも喫茶店で頼むと、150から200円した。
氷の入ったコップに注がれ、レモンのスライスが一枚乗って出てくるだけで
その値段である。

1970年頃だから、コカ・コーラが190ml瓶一本50円。

「喫茶店では200円だから、レモンスライスが150円する計算になる」

と経済学部出身の者が愚痴を言う。

トコロガ、それは実は正しくもあるのだ。

現代に生きる人ならば、コーラの価格200円の中には、

・喫茶店という空間の家賃とその装飾などの施工費。
・コーラとレモンの仕入れ費。
・切る人の給料など

が含まれている事はご存じの通り。
しかも、店ごとに違うので一概には言えないが、
希釈できるコーヒーの原価より、
そのままの出すコーラの原価の方が高い事は想像がつくから、
実はお得なのはコーラである、ともいえる。

とにかく、コーラのレモンと同じような話はよくあって

ミルクセーキのさくらんぼ。
アイスクリームのウエハースとさくらんぼ。
お汁粉の塩昆布などが
季節ごとに話題に上るのだ。

結局、話のタネとして使うなら、200円のコーラも存在する可能性はあったのだが、今はメニューにコーラを見つけるのが難しくなっている。

               おわり

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