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【海外で日本食】親子丼(2023年第24週)@スウェーデン

我が家では、毎週土曜日の夜は日本食を食べることになっている。
第24週の我が家の日本食は"親子丼"。

海外で日本食を作るのは色々と大変なことも多い。それでは今週も海外での日本食づくりの記録を書いていこう。

世界的な和食ブームによって海外でも日本食の調味料や乾燥食材は手に入りやすくなったとはいえ、残念ながら魚介や野菜などの生の食材についてはそれは当てはまらない。

特に僕の暮らすような田舎の街では、和食で使われるような生鮮食材はほとんど手に入らないと言っても過言ではない。

そういうわけで、些細な抵抗…というわけではないが、日本に帰国した際に、昆布や鰹節を買い込むのに加えて、野菜の種を購入して持ち込み育てたりする(海外に植物の種子を持ち込む場合には検疫が必要なのでご注意あれ)。

植物を育てるとは言っても、広い庭があるわけでもないし、何より冬は日照はなく、かつ零下20度に届くような土地柄であるので、短い夏の間だけ窓辺でプランター菜園を作るのである。

プランターで栽培できる植物となると限られてくるが、日本から種を持ってきた野菜としては、我が家では現在 紫蘇、三つ葉、韮、春菊を育てている。

夏の日差しを燦々と24時間浴びて、少し大きく逞しく育ちすぎているが、この三つ葉が今週の親子丼でも活躍してくれる。一人暮らしの三つ葉の消費など知れたものなので、どうしても三つ葉の成長が勝ってしまうのである。

では、三つ葉を収穫したところで料理に取り掛かることにしよう。

まず、丼ものに最も重要なものは"米"である。
元々スウェーデンには米粥(ミルク粥)を食べる文化があるので、スーパーなどでも米を買うことができる。ただ、お粥用の米はGrötrisと呼ばれ、何米なのかはわからないのだが、北欧圏で伝統的に食べられている米らしい。元々なのか、粥用に加工されているのかはわからないが、角のない丸みを帯びたお米である。日本の米に似ているといえば似ているのだが、やはり別物である。

他にも、Sushi文化が広まったことで、Sushi risと呼ばれるものも売られてるが、少ない割に高く、味もそれほどではない。ジャスミン米などは普通に売られているのだが、もちろんそれらの米を和食に使うのは抵抗がある。

そんなわけで、米は通販に頼ることにしている。以前はストックホルムの日本食品店でスペイン産の秋田こまちを購入していたのだが、値上がりと品薄のため、現在は別の店でイタリア産のこしひかり"ゆめにしき"を使っている。

さすがは欧州の米所というべきか、スペイン産の日本米も、イタリア産の日本米もなかなかに質が高く今の所 不満はない。

米を炊くには土鍋を使う。こちらには炊飯器などというものは売っていないし、日本からわざわざ持ってくるのも大変な手間である。そもそも 米の値段や手に入れるための手間、そして日常的に手に入る食材を考えれば、こちらで暮らす上で毎日米を炊くというのは現実的ではないので、炊飯器がなくとも別段困ることはない。

ちなみに、都会の方はどうかはわからないが、僕の住むあたりではキッチンは電気コンロのアパートがまだ多い。

電気コンロの難しいところは、調節ダイアルを捻ったからといって即座に温度が下がるわけではないというところ。なので、米を炊くときには、初めからコンロ二つを使うことにして、片方を高温、もう片方を中温に設定しておいて鍋を移動させることで良い加減に炊き上げる工夫をする。


では、米を炊いている間に次は"鶏肉"。
鶏肉は鶏肉で問題がある。実は欧州では肉や魚は皮をとって食べるという習慣が古くから存在している。そのため、店で売られている鶏肉や魚のほとんどは皮なしなのである。

パリッと香ばしく焼いた皮目の旨さに愛着を覚える日本人からすると、これはなかなかに耐え難いことである。幸い皮付きの鳥もも肉を扱っているスーパーを見つけることができたので、少し遠方ではあるが通っている。

さて、その鳥もも肉は削ぎ切りにして、塩少々をまぶした上で 少し焼き色がつく程度に油で炒めておく。丼用鍋は持ってきていないので、サイズ感の近いスキレットを使用。


そして、こちらも重要な食材 "卵"。
我が家では卵の使用頻度はそれなりに高く、また大容量パックの方が個あたりの値段が安くなるので、大体いつも20個入りのパックを購入している。とはいえスウェーデンでは卵は二本ほど安価ではない(10個パックで500円弱)であるので、まあそうポンポン気軽に使うわけにも行かないのだが…。

そして、実はスウェーデンの卵はサルモネラフリーである。なので望むのであれば卵かけご飯だって食べることができる。もちろん生の卵を食べることに嫌悪感を示すスウェーデン人もいまだに多くいるので、話題にするなら注意が必要である。

ただスウェーデン料理にも生肉と生卵を使った料理があったはずなのだが…。


さて、ここから先は特にスウェーデン豆知識のようなものもないのでささっと進めていこう。

鶏肉に八分通りほどに火が通ったら、酒と出汁を加えて沸騰させる。アルコールを飛ばしたら、自家製のかえしで味付け。我が家の育ちすぎた三つ葉の茎は少し硬いのでこの段階で加えておく。

鶏肉に火が通り、しっかりと出汁と馴染んだら三つ葉を投入。

続いて粗く溶いた卵を加える。今回は奮発して二つ使用した。

菜箸で素早くかき混ぜ…

全体にトロトロとしてきたら、火が通り過ぎる前に手早くコンロからおろし…

丼に盛り付けたご飯の上に盛り付ける。さらに、これでもかと追い三つ葉をして…

完成である。

…そういえばすっかり失念しいたのだが、親子丼って玉ねぎを入れるんだったっか。果たして…

ちなみに、こちらの丼は先日日本から持ってきて愛用していた丼が割れてしまったので、代わりに購入したもの。
こちらのオンラインショップで見つけて、実物を見ずに購入するのには抵抗があったのだが、背に腹は変えられないと思い切って購入。アジア系のショップだったので品質にも少し不安があったのだが、実物を見たところちゃんとしたもので安心。商品のラベルにはTokyoと書いてあったが…実際のところはどうなんだろうな。

さて、来週の日本食は何にしようか。来週は良い食材が手に入るだろうか。

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