自分を保つセルフマネジメント~仕組みを知ろう~
1 乗馬するように自分を乗りこなそう
理論編を始めるにあたり、まず意識しておきたいことがあります。それは「自分を自在にコントロール出来るなんて思わない」ことです。
自分で自分をコントロールするのは、実際なかなか難しいですね。
思うような結果にならず腹を立て、周囲の人、環境、制度に怒りをぶつける。しかし、それでも何も変わらず自己嫌悪に陥いる。こんな経験が一度はあるのではないでしょうか。
そんな時、自分の中でなにが起こっているんだろうか?こう考えた方は素晴らしいです。それを意識している人はとても少ないのです。
身体の中では、様々な箇所が相互に影響し合っている、せめぎ合っているのです。
表面に現れる表情や行動、言葉は身体の中のせめぎ合いの結果です。だから、表面だけを見ても身体の中で起こっていることは分からないのです。
また、自分が意識してコントロール出来るのは身体内のほんの一部です。自分の心に動かされている、心の奴隷になってしまうこともあるのです。
気持ちを切り替えることが上手な人は、この自分の身体の仕組み、システムを理解し、それに応じた行動をとることで結果的に自分をコントロール出来ているのです。これが「自分を保つセルフマネジメント」です。
心が行動を決めると思われています。しかし、あえて行動を起こすことで、心の状態が変わることがあります。例えば嫌な事があり落ち込んだ時、運動をすると落ち込みが消えてなくなったという経験があるのではないでしょうか。
ひとつの行動で、感情が変わり、行動が変わる。負のスパイラルが正のスパイラルに変わります。ひとつ行動を起こすことで、心の奴隷状態から脱することが出来る。身体のシステムを巧みに使うのです。
ここでは、「自分を保つセルフマネジメント」を「乗馬するように自分を上手に乗りこなすこと」と定義します。これは、自分ではコントロールが難しいものを相手にするという意味、また精神論ではなく技術の問題だという意味をこめています。
さあ、これから自分という馬を巧みに乗りこなすための方法を見てみましょう。
2 身体のシステムを知る
まず、 自分の身体の内部の働き(システム)を知ることから始めましょう。
自分の内部を5つに分類します。①身体、②感情、③記憶、④認知、⑤行動、この5つが自分の内部でそれぞれ影響し合っています。これらのつながりを表したのが次の図です。
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