hou / 書肆ネリネ

読書感想文、エッセイ、仕事記録、小説など、書きたいもの雑多にアウトプット用。 ライテ…

hou / 書肆ネリネ

読書感想文、エッセイ、仕事記録、小説など、書きたいもの雑多にアウトプット用。 ライティング職を志しています。DTP/ロゴ制作/イラストなどグラフィックもやります。言葉×視覚で「ちょうどいい」コミュニケーションを促す仕事をしていきたいです。

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【'24/5/19 文フリ東京38出ます!】書肆ネリネ

いかがおすごしですか。 私はおおむねつらいですが、たぶん元気でやっております。 さて、表題の通り、文学フリマ東京38に出店することといたしました! 文学フリマには客として一度しか行ったことがないけれども() ブースでは、私の身近にいる表現者にインタビューして写真とともにご紹介しているZINE「9 -cue-」の既刊/新刊と、ささやかなボリュームの短編・掌編小説集を出す予定です。 店名の「書肆(しょし)ネリネ」について。 私には、自分の振る舞いのせいで道を分つことになっ

    • たぶん俳句

      無季もある マスクとり梅の匂いに気づく夜 しんだようにいきるのはかんたんだとか 追いつけぬ 数多 魅惑の 桜味 やることが山のようだが五七五 人生で一番の春 遠ざかる 結構楽しいかもしれない 短歌もやってみたい

      • リズと青い鳥の話がしたい!!!!!備忘

        • 「読みたくない本」は、「読まなければいけない本」なのかもしれない

          Xで書店のアカウントをいくつかフォローしていると、複数のお店が同じ本をレコメンドしていることがしばしばある。ひらいめぐみさんの『転職ばっかりうまくなる』も、繰り返しタイムラインで目にしたことで認知した。 タイトルを見ただけでも自分に無関係でない本なのは明白で、目次を調べて「私の話だ」と確信めいた気持ちになった。 だからこそ、読みたくなかった。今の私がこれを読むことは、人並みに社会人生活を送れているとは言い難い自分を肯定することとイコールのような気がして、それはよくないんじゃ

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        【'24/5/19 文フリ東京38出ます!】書肆ネリネ

          救済の読書について

          「人生は勿論泳ぐのに安全でも適切でもないわけですが、彼女たちが蜜のような一瞬をたしかに生きたということを、それは他の誰の人生にも起こらなかったことだということを、そのことの強烈さと、それからも続いていく生活の果てしなさと共に、小説のうしろにひそませることができていたら嬉しいです。」 江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」のあとがきにある一文である。 久しぶりに号泣しながら本を読んだ。 読書に求めるものは当然人それぞれ、あるいは気分によっても違うものだけれど、私は救

          救済の読書について

          【掌編小説】背中の星

          お題「オリオン座」でした。 見出し画像はギャラリーでお借りしました。

          【掌編小説】背中の星

          花言葉は「逆境を乗り越えて生きる」

          あいみょんの「マリーゴールド」が頭から離れない。あまりに離れないのでサブスクで検索して聴いたりMVを見にいったりしてしまって、自発的イヤーワーム状態である。 週末、カメラマンの友人に写真を撮ってもらう約束をしていた。ぼんやりと、今回は飾り立てずクセもない感じにしようとだけ決めていたけれど、それだけになかなかイメージの決め手がなく、前日になっても場所を決めかねていた。 彼女は私をよく見てくれている人のひとりだ。「どんなのが合うと思う? 気抜けた感じがいいんだよね。 谷中にする

          花言葉は「逆境を乗り越えて生きる」

          牛香るポーク

          1時間半くらい残業して帰ってきた金曜の夜。最寄駅のコンビニで大入り豚まんを買って、お店の扉を出てすぐにかぶりついた。 おいしい。いつだっておいしいけれど、肌寒い季節に人目も憚らず買い食いする中華まんは格別。白いふかふかのまんじゅう生地の、つるりと薄皮状になった表面が歯に貼りつくのを舐め落としながら思う。一口目から餡に届かないところがいいのよね、と。このまんじゅう生地好きの同志はいらっしゃいますでしょうか。 最近私の中では密かに豚肉が流行っている。人と外食のお店を決めるときに、

          ヒライス

          小川洋子が好きで、どんな作品か人に説明するとき、まず出てくる言葉は「静謐」だ。 とにかく、しん、と静まり返っている。描かれた情景にかかわらず。あるいは、ずっと前からよく見知った場所にいるような安らかさがある。 ただ静かで穏やかなのではない。独特の頑固さや融通の利かなさを持った、「これしかできません。こういうふうにしか生きられません」という、なんというか、風変わりな人がとにかく次々に出てくる。「変わっているのはそちらでしょ」とでも言うくらい、当たり前の顔で居座っている。その尋常