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国際取引における源泉徴収税
海外メーカーとのプラント機材契約に付随して工事監督(supervisor)を工事現場に一定期間派遣してもらう事が多いかと思います。その派遣契約に関し、契約や支払い時に工事現場国の源泉徴収税(withholding taxes)の取り扱いで揉めることがたまにあります。今回はこの源泉徴収税の概要について解説したいと思います。尚、調達実務観点での解説であり、また当方は税理士資格を有しませんので、厳密な解
もっとみるプラント機材の輸送事故
海外調達では、海外工場から工事現場まで国境を跨いだ長距離輸送が伴います。プラント機材は大型重量物が多く、輸送中の事故リスクは低くありません。本記事では、輸送事故における発注者・サプライヤ間の損害負担、発注者の観点からの損害軽減策について取り上げたいと思います。
1.損害負担の考え方
輸送事故が発生すると、金銭損害と工期遅延が生じます。金銭損害は破損機材の修理費や代品製作費等、工期遅延は修理・代
サプライヤの財務評価
営業では通常契約時に顧客の与信審査を行いますが、特にプラント機材の分野では調達でも倒産可能性を事前に捕捉するために契約前にサプライヤの財務評価をしておく事が望ましいです。本記事ではサプライヤの財務評価の方法や実務での運用について取り上げます。
1.財務評価の目的
サプライヤの財務評価を行うべき理由は、倒産可能性のあるサプライヤを契約前に把握し、最適な判断を行う為です。入札・引合では通常最安値サ
サプライヤ 倒産対応
プラント機材契約は一般的に12ヶ月を超えるような長納期であり、発注後にサプライヤが倒産することは現実に発生します。量産品であれば他のサプライヤに転注する事でそれ程悩まずに対応できますが、オーダーメード機材の多いプラント機材契約では簡単ではありません。本記事では、調達実務の観点からどのような選択肢があるのか概観したいと思います。
1.サプライヤの倒産
冒頭にも書きましたが、プラント機材契約におい
損害賠償 考え方・機材契約におけるポイント
機材調達契約においては、発注者とサプライヤの間で様々な損害を相手方に与える可能性があります。ここでは調達実務の観点から必要な範囲で損害賠償の基本的な考え方と調達契約でのポイントを取り上げたいと思います。
1.機材調達契約で発生する損害
機材調達契約で発生する損害は①機材契約の当事者間で発生する損害と②当事者以外と発生する損害に分けられます。
①について、発注者がサプライヤに与える損害としては
インコタームズの実務
海外調達に携わる方でしたらFOB、CIFといったインコタームズには日常的に接しているかと思います。FOBならば海上輸送は当社手配、CIFならばサプライヤ手配といった基本は今更説明されるまでもなく理解されていると思います。一方、調達実務では、海外サプライヤがEXWしか受けてくれない、FOBではなくFASにして欲しい、Terminal handling chargeをフォワーダーから請求された、FCA
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