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株式会社GLOCAL DESIGN 代表取締役   人口減少社会のまちと暮らしのデザインをテーマにするまちづくりプロデューサー。観光まちづくりや地域コミィニティの活性化・再生、エリアマネジメント、地域ビジネス、シビックコミュニケーションをなどをやっています。

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町内会・自治会は分岐点〜若い世代のニーズに対応できるか

 今年の7月、札幌市のまちのビジョンを考えるワークショップのコーデネーターをやらせてもらった。ワークショップには、高校生や子育て世代など若い世代の方々もたくさん参加してくれて、意見やアイディアを出してくれた。  そのなかで印象的だったことに、若い世代の地域コミュニティや町内会に対する想いがある。  「人がつながる地域コミュニティは大切」「地域コミュニティで多世代の交流ができるとい良い」「地域コミュニティに子育て拠点の場所があると良い」といった地域コミュニティへのニーズが数多

    • ウィズコロナ町内会・自治会は子ども・子育て世代向けの活動から

       少子高齢化社会の中、一人暮らしの高齢者の孤独死などが社会問題となり、町内会・自治会では高齢者の交流や高齢者の見守りなど高齢者のための活動をおこなってきた。  同時に気がつくと町内会・自治会を運営しているのは高齢者、活動も高齢者向けのものが多くなっている。  そして、町内会・自治会の活動や行事を年間カレンダーにしてみると子どもや子育て世代向けの活動や行事がほとんどないといった町内会・自治会も少なくない。   昨年(2022年)、札幌市や仙台市などで子育て世代の町内会・自

      • 高齢者による高齢者のための町内会・自治会になっているのでは?

        この数年、地域コミュニティ活性化、特に町内会・自治会の活性化について講演させてもらう機会が増えた。参加者は、町内会・自治会の関係者が圧倒的に多く、年齢層は高い。 講演後、参加者の方々とワークショップを行い、それぞれの町内会・自治会の現状や課題を出し合いその解決方法を一緒に考えている。ワークショップで出される町内会・自治会の現状を聞いていると、強く思うことがある。 町内会・自治会が「高齢者による高齢者のための組織になっている」のだ。これが担い手不足の根幹にあるのではないかと思

        • 全国の町内会課題・担い手不足の要因

          地域コミュニティの中心的役割を担ってきた全国の町内会・自治会は担い手不足になっている。 担い手不足の要因を全国の町内会・自治会の方々と行ってきたワークショップなどから整理してみた。 町内会・自治会の担い手不足の要因は、大きく社会的要因と町内会・自治会の運営面での要因が考えられる。社会的要因は、「高齢化」と「ライフスタイルの変化」がある。 「高齢化」は、高齢化に伴う役員の引退と交代要員の不足につながり、担い手不足の要因となっている。 「ライフスタイルの変化」は、町内会・自治会

        町内会・自治会は分岐点〜若い世代のニーズに対応できるか

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        記事

          大雪と地域コミュニティ

            札幌のこの冬は全国ニュースに流れるような記録的な大雪。  冬の札幌市内の住宅地の風物詩は、朝、ご近所の人が一斉に外に出て雪かきを始める。  「おはようございます。いや〜また降ったね。もう雪はいらないよね」といった会話から始まり、除雪機を持っている人が、ご近所さんの除雪を手伝ったりしている地域もある。  大雪が降った今年は、困った時に助け合うという地域コミュニティの原点を感じる場面が多々あった。  これまで、いくつかの町内会・自治会で、地域コミュニティでの人のつながりにつ

          大雪と地域コミュニティ

          町内会・自治会の担い手不足のヒント2

           1)スマートフォンで担い手不足の対応の第一歩を  町内会・自治会の担い手不足の要因の一つとして町内会・自治会は忙しくて大変というイメージがある。   町内会・自治会に協力して、そこから役員に誘われたら忙しいだけと言うことだと思う。  町内会・自治会が本当に担い手不足に悩んでいるなら、まずは忙しいというイメージを払拭するために、役員の負担軽減からスタートすることが必要だ。    その第一歩が役員間のコミュニケーションの方法にスマートフォンを活用することだ。今や多くの人が利

          町内会・自治会の担い手不足のヒント2

          町内会・自治会の担い手不足のヒント1

           この数年間で札幌や仙台、函館、千歳など北海道内外の自治体で1000を超える町内会・自治会の人たちと会い、ワークショップなどを行ってきた。そこで必ず上がる共通の課題は「担い手不足」。高齢化社会の進展によって地域での高齢者の見守りの必要性が高まっていたり、地域での災害対応の重要性が言われ地域コミュニティで対応すべき課題が増えている一方で、コミュニティの中心的組織である町内会・自治会では役員の担い手不足に苦しんでいる。このままだと地域コミュニティの機能が低下することも懸念される。

          町内会・自治会の担い手不足のヒント1

          Withコロナの商店街のゲストハウス「ワタラ」のオープン

           網走市のまちづくり会社=株式会社まちなか網走さんと協力して商店街にゲストハウスを企画・整備した。企画したのは新型コロナウィルス感染拡大前。商店街の2階などの空き空間をリノベーションして、インバウンドをターゲットにした宿泊施設を整備、滞在してもらって商店街で消費してもらうことを考えた。  しかし、新型コロナウィルス感染拡大によってインバウンドは消えた。それでもダメもとで2020年12月オープンした。それがゲストハウス「ワタラ」。キッチンとバスがついてるひと組み限定の宿泊施設

          Withコロナの商店街のゲストハウス「ワタラ」のオープン

          地域コミュニティ活動の貨幣価値②

          町内会の活動に意義はあるのか。そんなことをよく質問される。 私が関わってきた住宅地の開発では、町内会などのコミュニティ組織をつくる。町内会など地域コミュニティが地域の価値を高める。すなわち不動産価値につながるからだ。 そこで、まちづくりや環境評価などで、その効果を貨幣換算できない時に使う「ヘッドニック法」をヒントに、町内会などが行う地域コミィニティ活動の価値を考えてみた。 町内会など地域コミュニティ活動によって、きれいに清掃され、街路には花が植えられ、緑豊かな環境が維持

          地域コミュニティ活動の貨幣価値②

          地域コミュニティ活動の貨幣価値①

          町内会の活動に意義はあるのか。そんなことをよく質問される。 町内会など地域コミュニティは、ゴミ集積所や街灯の管理をしたり、一人暮らしの高齢者を見守ったりetc・・活動の意義はありそうだが、皆さんピンとこないことが多い。 そこで町内会などが行う地域コミュニティ活動の価値を、ボランティア活動などの貨幣価値を計算する方法=「機会費用法」的に考えてみた。すなわち活動を外注した時にどのぐらいの費用がかかるから、そのぐらいの価値があるという計算方法である。 地域コミュニティのメンバ

          地域コミュニティ活動の貨幣価値①

          誰もいない人気の観光スポットから

           緊急事態宣言が解除になり、早速地方へ出張に出かけた。時間を見つけてインバウンドにも人気だった網走市の能取岬に足を運んだ。もちろん誰もいない。青い空と静かな時間があるだけで、人気だったスポットが貸切状態。ここにインバウンドが戻ってくるのには、どのぐらいの時間がかかるのだろう?と思ったら、新型コロナウィルスが地域の経済を直撃していること改めて感じた。  マスメディアでは新型コロナウィルスとリーマンショックと比較しているが、少し違和感を感じてしまう。リーマンショックはグローバル

          誰もいない人気の観光スポットから

          アフターコロナで自治会・町内会は?

           この数年、様々なまちで地域コミュニティの活性化をテーマに講演やワークショップをさせてもらっている。数多くの自治会・町内会の方々と話す機会がたくさんあった。  そんなこともあり、コロナで自粛が続いていたゴールデンウィークにFacebookを見ていたら、とある町内会のページに「8月31日まで街灯の修繕とゴミステーション(ごみの集積所)の管理以外の活動は全て休止します」とお知らせが目に入った。私が住んでいる町内会も集まりを避けて4月の総会は書面で行い、活動は休止状態。同じように

          アフターコロナで自治会・町内会は?

          アフターコロナと地域コミュニティの「居場所」

          アフターコロナで働き方も含めて変わる中、求められるのは地域コミュニティでの「居場所」をつくることかもしれない。歴史が教えてくれる居場所の大切さ。 アフターコロナは自宅や地域で過ごす時間が増え、地域コミュニティが大切になる。その時求められるものは何か? 会社や学校、塾に変わる「居場所」ではないか。 テレワークを始めた若い人たちからは、1日中自宅に一人でいると人と話す機会が減り、雑談をすることなくなり寂しい感じがするいった声が聞かれる。自粛のために外出を控えていた一人暮らし

          アフターコロナと地域コミュニティの「居場所」

          アフターコロナの地域コミュニティ

          アフターコロナによって地域コミュニティに求めるもれるものが変わるのではないか。地域コミュニティの重要性が増すように思う。 コロナウィルスの影響により、社会が大きく変わろうとしている。会社と自宅の往復と言った暮らしから、テレワークなど自宅を中心とした働き方が広がる。会社組織に属することなく自分のスキルを活かしてフリーで仕事をする人も増えるだろう。加えて当面は、不特定多数の人が集まる場所や機会を避けるであろう。オンラインではつながっているが、これまで感じていた社会とのつながりを

          アフターコロナの地域コミュニティ