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町内会・自治会は分岐点〜若い世代のニーズに対応できるか

 今年の7月、札幌市のまちのビジョンを考えるワークショップのコーデネーターをやらせてもらった。ワークショップには、高校生や子育て世代など若い世代の方々もたくさん参加してくれて、意見やアイディアを出してくれた。

 そのなかで印象的だったことに、若い世代の地域コミュニティや町内会に対する想いがある。
 「人がつながる地域コミュニティは大切」「地域コミュニティで多世代の交流ができるとい良い」「地域コミュニティに子育て拠点の場所があると良い」といった地域コミュニティへのニーズが数多く出された。
 一方で町内会・自治会に対しては不満の意見が多かった。主なものとしては「町内会は昔と変わっていない」「高齢者の方々が中心で運営しているので、子育て世代や若い世代のことがわかっていない」「高齢者中心の町内会運営が世代間の分断を招いている」などがある。
 若い世代は、地域コミュニティを必要としているのに、町内会・自治会は高齢者中心の運営となっており、それが若い世代の不満や不信を招き、世代間の分断を招いているようだ。
 
 町内会・自治会は、コロナによって中断していた活動を再開しているが、コロナ前と同じ活動をしているだけでは、若い世代との距離がますます大きくなりそうだ。 
 もし、このまま町内会・自治会が若い世代のニーズに対応していかないと、若い世代は、自分たちでSNSなどでメンバーを募り新たな地域コミュニティの仕組みを創り出すに違いない。

 地域コミュニティの中心的な役割を担う町内会・自治会は、若い世代と接点をつくり、若い世代の意見やニーズに対応しないと、町内会に参加する人は減り、担い手はいなくなり町内会組織は衰退するであろう。
 いま、町内会・自治会は分岐点にあるといえるのでないだろうか。

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