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高齢者による高齢者のための町内会・自治会になっているのでは?

この数年、地域コミュニティ活性化、特に町内会・自治会の活性化について講演させてもらう機会が増えた。参加者は、町内会・自治会の関係者が圧倒的に多く、年齢層は高い。
講演後、参加者の方々とワークショップを行い、それぞれの町内会・自治会の現状や課題を出し合いその解決方法を一緒に考えている。ワークショップで出される町内会・自治会の現状を聞いていると、強く思うことがある。

町内会・自治会が「高齢者による高齢者のための組織になっている」のだ。これが担い手不足の根幹にあるのではないかと思う。

様々な町内会・自治会の総会資料からそれぞれの町内会・自治会の年間スケジュールを月毎に見てみると、高齢者を対象にした健康づくり体操やカラオケ大会などは頻繁に行われているが、子育て世代や子ども向けの行事の頻度が少ない町内会・自治会が多いことも解った。
住宅地ができ町内会・自治会活動が始まった頃は若かった役員も、月日が経ち高齢者世代になってしまい、気がつくと行事は高齢者向けがほとんど。
地域コミュニティには、子どもも若者、子育て世代、現役世代も居るのに、こうした世代向けの行事や活動はいつのまにか置き去りになった。
さらに、地域コミュニティの高齢化とともに70歳・75歳・80歳・・の敬老のお祝いのための予算が年々大きくなってしまっている町内会・自治会も少なからずある。

いつの間にか高齢者による高齢者のための町内会・自治会になってしまった組織に、若い世代や現役世代の参加は望めない。
町内会・自治会への関心が下がり、加入率が低下し、担い手不足になるのは当然なのかもしれない。

担い手不足悩む町内会・自治会で最初にしなければいけないことは、現在の活動や行事を月毎に整理し、高齢者向け活動と子育て世代向け活動、子ども向け活動などがバランスよく行われているかをチョックしてみしてみることではないか。
もし、町内会・自治会の活動が高齢者向けの活動だけになっていることがあれば、早急にその活動の見直しを行うべきだと思う。
ウィズコロナで休んでいた活動を再開する町内会・自治会では、これまでの活動が「高齢者による高齢者のための町内会・自治会」になっていないかチェックしてみるべきである。

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