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虐待された子供は、児童養護施設に保護されているか?

子供時代に受けた虐待が重度でも、主に以下の4パターンの被害者がいます。
①乳児院から保護された人
②小学校以下の幼い子供時代に保護された人
③思春期以降(自我が芽生えた後)に保護された人
④施設保護されずに支援ゼロで大人になった人


上記の4パターンの被害者は、大人になり同じ虐待の後遺症にはなりません。比較じゃなく違いがあることは認めるべきだと思います。この4つの違いがあることを前提として議論しないと、境遇の違う相手の苦しさが分からなくなります。
私の場合は④の未発見・未保護サバイバー。虐待が施設保護レベルだったのに、児童養護施設に保護されなかった被害者には、施設保護され十分でなくても社会的養護の支援が子供時代に受けられた人には分からない苦しみがあります。成人後の虐待の後遺症は壊滅的になります。複雑性PTSD(反復性のトラウマが要因)だけでなく、各種のパーソナリティ障害にもなることが多く、成人後の人生が破滅的になるケースが多いです。

児童養護施設の出身者や、施設職員・里親などの支援者でも、以下の2つに分かれます。
①子供時代に十分でなくても、重度の虐待を受ければ、何かしら公的支援があって’’当たり前’’という感覚の人
②虐待が重度でも公的支援から完全にもれたまま大人になる被害者(専門用語で、潜在的児童虐待被害者)の存在を知っている人


①の支援者は話にならないのですが、①で虐待の被害児童を支援したいという人が多くて嫌になります。虐待が酷かったら、児童相談所がちゃんと介入してくれて、児童養護施設に保護されているんでしょ!?と思い込んでいるマスコミや世間の勘違いが、未発見の虐待サバイバーをさらに苦しめています。
社会的養護の支援者まで勘違いしている人が少なくないから、最悪なのです。だから、私はそれは間違いだと発信しています。虐待が酷くても、社会的養護すら受けられない被害者の方が多いのです。その理由としては、日本で児童虐待防止法が制定されたのは2000年で、2000年以前の虐待被害者は、子供時代に児童相談所がほとんど虐待問題に介入しておらず、虐待を発見・保護される子供がとても少なかったという時代的な背景と、2000年以降でも、国の予算が少なく社会的養護に保護される児童数が世界的にも少ないという実態があるためです。

以下の表は、産経新聞(2020年11月27日朝刊)児童虐待~連鎖の軛 第3部(1) 心の傷 暗闇の日々 幼少期の暴力、母も被害者だった、より抜粋したものですが、児童養護施設や里親のもとで暮らす子供の数は、0.25%(児童人口比)と少なく、英国や米国よりも日本はまだ少ない実態があります。

産経新聞

私は施設保護レベルの重度の虐待を受けていたのに、社会的養護に保護されずに大人になり、虐待の後遺症が重度の人の支援体制を構築したいと考えています。最も悲惨な人生パターンとなる場合が多いからです。
そして、厚労省、児童養護施設など社会的養護の支援者、アフターケア相談所など、すべての支援者がその存在を置き去りにし、支援対象外にしているからです。
社会的養護に保護される被害者はごく一部です。日本は、社会的養護への保護率をもっと増やすべきですし、子供時代に虐待が酷くても「支援ゼロ」で大人になった被害者がごまんといることを社会は知るべきです。そして、そうした大人の被害者の公的支援にも目を向けなければ、虐待問題はなくなりません。

社会的養護だけに偏った公的支援の在り方は間違っていると言いたいです。

以下の【未発見サバイバー】のマークを自由に使えるようにリリースしています。

サバイバーマーク_納品_C_20210207


子供時代、施設保護レベルの重度の虐待を受けていたのに、児相に発見されなかったり、児童養護施設にも保護されず、社会的養護すら受けられなくて「支援ゼロ」で大人になって後遺症が重度の被害者も沢山いることを社会に知ってもらうためです。
【未発見サバイバー】のマークは自由に使っていただいていいのですが、必ず以下の【禁止事項】および【使用規約】の2つを読んだ上でご使用下さい。
虐待が施設保護レベルの重度であっても、社会的養護に保護される被害者はごく僅かといった日本の公的支援の少なさを変えていきたいと思います。

禁止事項

未発見サバイバーマーク使用規約


虐待の被害当事者として、社会に虐待問題がなぜ起きるのか?また、大人になって虐待の後遺症(複雑性PTSD、解離性同一性障害、愛着障害など多数の精神障害)に苦しむ当事者が多い実態を世の中に啓発していきます!活動資金として、サポートして頂ければありがたいです!!