萩原悠太 / PREVENT Inc.

動脈硬化性疾患の健康づくり支援を手掛けているデジタルヘルススタートアップを経営している…

萩原悠太 / PREVENT Inc.

動脈硬化性疾患の健康づくり支援を手掛けているデジタルヘルススタートアップを経営している理学療法士です。研究成果の社会実装やリアルワルドデータにおけるリサーチ手法、デジタルヘルスケアスタートアップの経営などについてまとめていきます。

最近の記事

モバイルヘルスは次のステージへ!今後テーマを考えてみる

モバイルヘルスは効果があるのか以下の図は、PubMedで「mobile health」をキーワードに検索をしたときのヒット件数です。この傾向からも近年急速にモバイルヘルス領域の学術研究が発展してきていることがわかります。 mobile Health(mHealth)の研究がどの程度進んでいるか?というと、既に多くの疾患においてメタアナリシスという研究デザインを用いてその効果についての報告がされています。 ※メタアナリシスとは、一つの研究課題や臨床課題を検討するために、過

    • ヘルスケアはテクノロジーとともにValue Basedへ向かっていく

      はじめにValue Based Medicine/Healthcare__医療従事者、ヘルスケア領域の方であれば一度はこの言葉を耳にしたことがあるかと思います。 ここにきてこの「Value Based」が国外を中心に大きなトレンドとなっており、今後の医療/ヘルスケア産業を考える上で重要なキーワードの一つになろうとしています。 USのvirtual careにおけるトッププレイヤーであるTeladocの2022年01月のInvestor Presentationの今後の目指

      • ヘルスケア領域における行動変容支援サービスのつくり方

        ここ最近では、様々な業界やサービスの中で「行動変容」という言葉を耳にするようになりました。 今回は、デジタルヘルスにおける行動変容を支援している会社としての経験から行動変容支援サービスを作っていく上で抑えておくべきポイントを紹介していければと思います。 『いかに始めてもらうか?』と『いかに続けてもらうか?』は別の課題として設計すべきまずはじめに『いかに始めてもらうか?』と『いかに続けてもらうか?』についての話題に触れたいと思います。 行動変容と言ってもターゲットとなる行

        • ヘルスケアビジネスにおけるマネタイズの共通項を考察する

          ヘルスケアビジネスのマネタイズのは難しい健康・医療・介護を含んだヘルスケアという市場は、人口動態から推測されるように今後も拡大が予想される数少ない市場の一つであり、その市場規模は2030年に37兆円規模にまで到達すると言われています。 その一方で診療報酬を含めた制度の複雑性や、支払者と受益者が異なること、さらには自覚症状がないため個人が予防に投資しないなど様々な要因によってヘルスケアビジネスのマネタイズの難しさを良く耳にします。 またここ最近では、医療専門職による起業など

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          成果報酬連動型モデルの導入は、医療費適正化の救世主になれるのか

          少し前に「ヘルスケアスタートアップは医療費削減に貢献できるのか?デジタルヘルススタートアップの挑戦」というポストを書かせていただいた。 医療費適正化に対する施策の多くが机上の空論であり、効果を出すためには、医療費ならびに医療制度の構造を深く理解する必要性について問題提起を行い、非常に多くの反響をいただきました。 今回は、医療費適正化に対する救世主として期待されるValue Based Care、成果報酬連動型モデルについて考察をしていきたいと思います。 成果報酬型モデル

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          米最大手医療保険ユナイテッド・ヘルスが次々にデジタルヘルススタートアップを買収しているワケ

          2020年4月末に米国最大手の医療保険会社であるユナイテッド・ヘルスグループのOPTUM社によるバーチャル行動療法を手掛けるスタートアップAble To社の買収の交渉最終調整に入ったとのニュースが飛び込んできました。 これまでにもユナイテッド・ヘルスグループではいくつかのデジタルヘルスに関わるスタートアップを短期に買収しており、そこでその狙いについて考察してみました。 ユナイテッド・ヘルスグループとは?そもそもユナイテッド・ヘルスとはどのような会社なのでしょうか。 ユナ

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          ヘルスケアスタートアップは医療費削減に貢献できるのか?デジタルヘルススタートアップの挑戦

          我々PREVENT社は、ご存知のように生活習慣病の重症化予防によって医療費の適正化にチャレンジし、日本の社会保障を守らんとするデジタルヘルススタートアップの一社です。 本コラムでは、何とも仰々しいタイトルを付けてしまったのですが、医療費にまつわる大きな誤解を三つ紹介し、どのようにPREVENTが医療費適正化にチャレンジしているのかを紹介させていただきます。 医療費にまつわる大きな誤解①:予防医療で医療費を削減できる 医療経済の専門家の中では、常識となりつつありますが、多く

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          誰が医療のプラットフォーマーになるのかについての考察

          Google、Amazonなどに代表されるプラットフォーム。ここ数年でこの「プラットフォーム」という言葉を目にする機会が一気に増えてきており、プラットフォーマ― = 業界勝者とも言われるほどです。 ただし、「医療」におけるプラットフォーマ―というと、その答えが万人で一致することはなく、いまだ空席の状態です。 そこで、この「医療のプラットフォーマ―の玉座」には誰が座ることになりそうなのか、真面目に考察してみました。 医療領域のバリューチェーンとステークホルダーまずは、前提

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          デジタルヘルス領域で医療従事者が活躍するために必要な素養

          何を隠そう私は、元々理学療法士として、医療機関で働いていた医療畑出身の人間です。最近では、社員から「萩原さん、何か医療従事者っぽいっすね」と言われる始末ですが、、 特に弊社の事業領域では、自分が医療現場で養ってきた経験が活きているなと感じる部分も多く、医療従事者が民間サービスとして発揮できるバリューの大きさとその可能性を改めて感じている毎日です。 その一方で、医療分野のサービスではあるものの、医療の有資格者であれば誰でも活躍出来るわけではありません。エンジニアやデザイナー

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