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2022第2回羽黒山歴史探訪を開催しました③

2022年11月3日(木・祝)に、講師に手向(とうげ)地区自治振興会会長の勝木正人さんをお招きし、第2回羽黒山歴史探訪を開催いたしました。
 今回のテーマは「羽黒手向地区の史跡と寺社をたずねる」。勝木正人さんによる案内のもと、羽黒山の寺院である金剛樹院や正善院をはじめ、赤坂薬師神社や旧蓮台寺といった古くからの歴史を残している寺社を廻り、蝦夷館公園からの古道を訪ねて、なかなか行くことがない隠れた史跡を訪ねます。昼食は宿坊・宮田坊にて精進料理をいただきます。当日は12人でバスに乗っていでは文化記念館を出発しました。

第2回羽黒山歴史探訪②

的場小路

的場小路を歩くみなさん

 金剛樹院から道なりに歩くと的場小路(まとばこうじ)があります。この小路は毎年9月9日に鶴岡城主より奉行人等が来て流鏑馬の神事を行いました。その時、この小路の周辺は流鏑馬用の的を提供する村だったので、「的村」と呼ばれていました。そのため、この小路は的場小路と呼ばれたのです。*¹

正善院黄金堂

正善院黄金堂
(国指定重要文化財)

 正善院黄金堂(しょうぜんいん・こがねどう)は、源頼朝が平泉の藤原氏を討つにあたり、勝利祈願のため寄進したと伝えられています。昭和20年(1945年)に、覚諄とその後の別当・澄海(注1)の集骨供養塔を黄金堂境内に移しました。
 東北でも珍しい等身大の33体の聖観世音菩薩像が黄金に映えることから黄金堂と呼ばれています。また、観音巡礼はじめ三山参りの際、最初の拝所となるお堂で、国指定重要文化財・日本遺産に登録されています。

 黄金堂付近にある鳥居や仁王門は俗世である現世と人智の及ばない異世界との境目にある旨を副住職はユーモアを交えながらわかりやすく解説してくださいました。
 また、境内にはかつて羽黒山の御坂にあって、明治初期の神仏分離の際に移された閻魔大王も鎮座しています。(黄金堂にある閻魔大王のエピソード)

 そして、黄金堂内で羽黒山・月山・湯殿山をお参りできます。堂内の廊下はロの字になっていて、各所の仏像が設置されており、時計回りに廊下を歩きながら参拝が可能です。

精進料理

宮田坊での精進料理 (勝木正人さん撮影)
※精進料理のお食事は予約が必要です。

 お昼は宮田坊にて精進料理をいただきました。白米ご飯、胡麻豆腐、漬物、こんにゃくとフキの煮物、筍の煮つけ、菊のおひたし、きのこの和えもの、なめこの味噌汁などです。また、ご厚意で庄内柿も全員にいただきました。大変美味しくいただきました。
 帰りに宮田坊の当主・宮田さんより、法螺貝を吹いてのお見送りをしていただきました。今回歴史探訪に参加された方は羽黒地域以外の方が多く、なかなか聞きなじみがない法螺貝の音に喜ぶ声が聞こえていました。

まとめ

 3回に分けて歴史探訪の内容に軽く触れてきましたが、記事で紹介した場所以外にも勝木正人さんからたくさん解説をしていただきました。もっと羽黒山を知りたいという方はぜひ来年以降の羽黒山歴史探訪にご参加ください!

脚注・参考文献

脚注

注1 澄海(ちょうかい):第79代羽黒山別当で、江戸時代末期に就任。前回蓮台寺についての項目で覚諄の他に隠居していた別当はこの人。

参考文献

*¹ 『三山雅集』,東水選 呂茄発起,1710

サムネイル写真:長屋門を見学するみなさん